3772ドリームバイザー・ドットコムIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ドリームバイザー・ドットコム(3772 マザーズ)IPO

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セクター:情報・通信業
足元は急成長しているが、ここからの成長性には疑問
 足元の業績は急上昇しているが、累積損失が解消されていないことから、当期利益は過大に計上されている。05.6期の実質的な予想EPSは6千円の水準である。

 一見成長産業に思えるが、現状の提携先・販売先に加えて新たに新規顧客が獲得できるかどうかは、対象マーケットである証券会社の動向、特に統合・合併による販売対象数の減少リスクに大きく左右されると考えられる。このため、高いPERを現時点で期待することにはリスクが高いと考える。

事業概要
投資家向け情報ベンダー
 当社は主要事業として、個人を中心とする投資家向けの金融証券市場ニュース及び投資支援アプリケーションをインターネット上の様々なチャネルを通じて提供している。提供情報は、ニュース・チャート・データベース・動画コンテンツ等である。

 事業内容は、大きく分けて、金融証券市場ニュース及び投資支援アプリケーションの提供事業と、その他の事業に区分される。

 金融証券市場ニュース及び投資支援アプリケーションの提供事業は、中級・上級投資家向けには、ニュースの他、リアルタイム株価の更新、テクニカルチャート、銘柄検索エンジン、先物・オプション損益計算ソフト等を配信している。サービスの提供にあたっては、CSK等の事業パートナーが証券取引所からのデータフィード等を行った上で、各証券会社に対してASPサービスによって提供している。一般投資家向けには、証券会社へチャートなどのアプリケーションを提供する他、外資系証券会社がネット証券等を通じて、個人向けに提供しているカバードワラント等の金融派生商品の価格・チャート等専用ウエブサイトをASPサービス形式によって外資系証券会社に提供している。これらの他、外国為替証拠金取引事業者の顧客向けに、為替チャートなどの投資支援アプリケーション提供などを行っている。

 「その他の事業」としては、動画コンテンツの制作・提供事業、個人投資家向けIR事業、投資信託評価事業を行っている。動画コンテンツは、毎日新聞とインプレスを事業パートナーとして、共同制作している。

 以上の事業を通じての実質的な販売先は、事業提携先であるCSKと証券会社であり、特にCSKに対しては、下表にある通り、全体の約8割以上の売上を依存している状況にある。CSKから契約打ち切り・解除といった形になった場合、事業の継続に重大な問題が生じる可能性があるが、現時点では、可能性の低いリスクであると想定される。

収支の状況
順調に増収増益基調にあるが、利益額の計上には要注意
04.6期には、インターネットでの投資情報配信ライセンス先として、証券会社4社・銀行等6社の計10社が新規に追加されている。また、既存提供先の証券会社2社で、外国為替証拠金取引事業者向けシステムが新規採用されている。
 04.12中間期にも、新たなライセンス先として、証券会社2社と事業会社1社の計3社が追加され、外国為替証拠金システムも新たに1社に採用されている。

以上のように、ライセンス先・システム提供先を毎期増加させることで、順調な増収増益基調を足元では維持している。04.12中間期の業績がそのまま下期にも適用されると考えると、売上高で270百万円程度、当期利益で140百万円程度の水準となることが予想される。ただし、当社の場合には依然として未処理損失が計上されている状態であり、法人税の支払いが実質的にされていない状態の当期利益が計上されている。05.6期の実力ベース当期利益は、50〜60百万円水準である。

 一方、BSでは、04.6期中に総資産が約1億円近く増加している。これは、資産側項目では、現金及び預金で85百万円の増加、負債・資本側では、当期未処理損失が81百万円減少している。つまり、単年度で黒字化し利益が出てきた分が現預金として積み上げられ、資本の部の控除項目を減少させている状態である。従って、現預金の使途については今後注目していく必要があるが、資産増加の要因としては、健全なものである。

 なお、BSの資本の部の控除項目として計上されている当期未処理損失の決算期毎の推移は下表の通りで、順調に損失は回復している。05.6期には、未処理損失は一掃されると予想される。

株式の状況
ベンチャーキャピタル保有分の動向に要注意
 当社の05年3月時点の発行済み株式数は7,487株となっている。今回の上場にあたっての公募分が1,000株ある他、下表の通り、ストックオプションの未行使残高が、1,365株ある。この全数を希薄化要素ととらえ、上場時点での想定発行済み株式数は、9,852株とした。

【表3 ストックオプションの未行使残高の状況】
株式数 行使価格   行使期間
第三回新株引受権付き社債 1,150株 75,000円  01.9月〜08.8月
第一回新株予約権   70   75,000  05.9月〜07.12月
第二回新株予約権  145  160,000  06.12月〜14.5月

 当社の3月時点での株主には、ベンチャーキャピタルが多数存在している。上場時の売出しへの対応分は、下表の通りである。売出し終了後にも、ここに掲載している6社合計で、約2,000株の残高があることになる。この分は、ストックオプションの約1,300株とともに、上場後の潜在的な売り圧力となる可能性がある。

情報開示の状況
全く開示する姿勢が見られない
 当社HPには05年5月11日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。ニュースリリースのコーナーも無いし、上場関連の情報も一切掲示されていない。投資家向け情報ベンダーや、更にはIRサイトを業務としている会社としては、お粗末にすぎる。今後の情報開示に対する姿勢も疑問視される。


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