IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ザッパラス(3770 マザーズ)IPO |
携帯サイトを中心としたビジネスながら、この分野の成長率が鈍化する兆候が見られた段階で、PC等での商品販売事業に注力し、順調にこの分野の売上高を伸ばす等、ビジネスモデルは有効に機能している。 第3四半期まで開示していれる05.4期の業績は、売上高で前期比+8億円の約44億円、営業利益で前期比+2.5億円の約5億円程度の水準に到達すると考えられる。この水準では05.4期のEPSは22千円となる。 年率での売上高の伸び率は15%程度で他のネット関連企業と比較すると高いとは言えない。株数の少なさが高価格要因としてある一方、ストックオプションの多さとネット関連としては伸び率が低いことが低価格要因となる。
当社は、インターネットに接続可能な携帯電話等のネットワークを介して、一般消費者向けの電子商取引(EC)を行っている。当社の事業は、@携帯電話等を介して提供するデジタルコンテンツの企画制作・開発・運営を行う「デジタルコンテンツ事業」、A携帯電話を利用し、商品の販売を行うモバイルコマースを中心とした「コマース関連事業」、Bモバイルコマース及びデジタルコンテンツに関連したシステム開発及びライセンス管理業務等を行う「その他の事業」で構成されている。 デジタルコンテンツ事業は、「占い」を主力のカテゴリーとしており、05年3月末現在では携帯電話3キャリアで43サイト、PCインターネットで5コンテンツを提供している。占い顧客は、一般に可処分所得が高いと言われる20〜34歳の女性層(F1層)に多く、他のカテゴリーと比べ利用継続性が高い傾向にある。(表1) コマース事業では、「ブランドアウトレット」や「スイーツの王様」等の公式ショップで、時計・アクセサリー・服飾等の有名ブランド商品や食品・生活関連商品等の販売を行っており、05年3月末現在で、公式ショップ16サイト及び自社運営の一般ショップ3サイトを提供している。(表2) なお、04年8月には、ゲームソフトの通信販売等を行う事業を、04年10月には雑貨の店舗販売を行う事業を営業譲渡し、モバイルコマースへの経営資源の集中と収益力の向上のための事業再編を行っている。
当社の主力事業である「占い」の携帯コンテンツを中心に順調に売上高が増加している。更に、それを上回る伸び率で、携帯サイト・PCサイトを通じた商品販売事業が伸びている。金額的にはまだ携帯コンテンツビジネスが主力であるが、流行や競合他社の出現等の売上高低下リスクを補う可能性のある水準まで、第二のビジネスが成長してきている点は評価出来る。むしろ、デジタルコンテンツ事業に頭打ち感が出てきている点は留意する必要はある。 一方、業績全体で見れば、03.4期・04.4期にそれぞれ投資有価証券評価損等の特別損失をそれぞれ約289百万円と242百万円を計上している。この分、過年度の税引き後当期純利益は低く抑えられていたことになり、05.3期の業績は、売上高の増加と共に特別損失の減少によって、過年度と比較して大幅に改善されることが期待できる。
04年8月時点での当社の発行済み株式数は、9,656株となっている。今回上場にあたっての公募が1,500株ある他、下表のストックオプションによる新株予約権の未行使残高が2,797株ある。ストックオプションは全量が行使期間内となっている上、行使金額が20万円と想定公募価格と比較して安いことから、上場後早急に株式に転換される可能性がある。以上から、上場時点での想定発行済み株式数を13,953株とする。 ストックオプションの全行使による希薄化効果は、2,797/11,156=約25%と、相当な高率であり、注意を要する。 【表4 ストックオプションの内容】 株式数 行使期間 行使金額 1,397 04.7.1〜14.5.31 200,000円 1,400 04.7.22〜05.12.31 200,000円 なお、公募による手取り金の使途は、事業用ソフト等設備資金で約3.7億円、運転資金等で9.2億円と予定されている。つまり、新株発行によって会社が受け取る資金のうち、事業拡大に供される資金部分が少なく、公募の理由としては、やや期待はずれの面がある。公募資金をテコにした事業拡大が望まれる。
当社のHPには、投資家向け情報開示のページが既に開設されている。内容的には、上場関連のニュースだけとなっており、過年度の財務状況等、今でも開示可能なデータはあると考えられるが、そこまでの開示はされていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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