3361トーエルIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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トーエル(3361 JASDAQ)IPO

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セクター:小売業
LPガス事業での安定的な成長が見込める
LPガス事業を中心に安定した成長を継続しているが、今後は、人口の伸び率鈍化〜減少や、電荷傾向の加速等競合状態の激化が予想される。ハワイウォーター事業の立ち上げによる事業補完・成長は見込めるものの、ウエイトとしては全体業績に貢献出来る規模とはなっていない。

 EPSは50円と見込み、同業他社である8148上原成商事23倍・8174日本瓦斯24倍の実績PERを参考として、PER=23倍と想定する。適正株価は、1,100〜1,200円と想定。

事業概要
LPガス事業メインで、その補完事業としてハワイウォーター販売を手掛ける
 当社は連結子会社4社・非連結子会社3社により構成されており、LPガスの小売・卸売の他、これに付随する業務を展開している。神奈川県を中心に東京都・埼玉県・茨城県で展開するLPガス事業が大部分を占めるが、業務量に季節間格差が大きいことを是正することと、物流システムを有効活用することを目的として、ハワイウォーターの仕入れ販売を行っている。

 事業区分別・地域別の販売高は下表の通りで、新規に立ち上げた事業であるハワイウォーターの販売高伸び率が非常に高いものの、ウエイトとしては神奈川県でのLPガス事業が圧倒的シェアを占める。(表1、2)

収支の状況
高い伸び率ではないが、安定した業績成長
 LPガス及びハワイウォーターの顧客数は、下表の通りで、順調に増加している。但し、LPガス顧客が今後もこのペースで増加するかについては、不安がある。04.4月期の伸びはむしろ異常値であり、04.10月期の半期増加分+1.5千件が、安定的に見込める増加分と考えられる。

 顧客数増加以外の面に関しては、全般に安定的に推移している。過年度には、投資有価証券評価損・ゴルフ会員権評価損・貸倒引当金繰入・役員退職慰労金引当金繰入等、様々な項目の特別損失を計上しており、今後の動向では、特に土地等を中心とした減損会計の適用が懸念される。

 LPガス事業は、需要期である冬期を含む下半期と、上半期とでの業績格差が大きいので、04.10中間期の利益が小さい点は、気にする必要がない。むしろ、過年度には中間期実績が継続的に営業赤字であったものが、黒字転換していることを評価すべきであろう。

 特異な点としては、営業外収益に匿名投資組合利益が、各期1.4〜1.6億円で継続的に計上されていることが挙げられる。これによって、経常利益が持ち上げられている面がある。

 04.4月期以降は、LPガス仕入れ価格の高騰影響によって売上高が見かけ上増加している点があるので、この影響を除いた全体の大まかな把握をすれば、売上高伸び率2%、経常利益7〜8億円、当期利益4〜5億円で推移すると考えてよいと思われる。

株式の状況
希薄化懸念事項はない
 04年8月に1:30の株式分割を実施し、発行済み株式数は8,297,520株となっている。これに今回の公募分を加えて、想定株式数は、9,497,520株としている。ストックオプション等による希薄化懸念はない。

情報開示の状況
HPでの開示は不十分
当社HPには、投資家向け情報開示のサイトが現在のところ設置されていない。


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