2438アスカネットIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アスカネット(2438 マザーズ)IPO

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セクター:サービス業
意外に足元の業績は伸び悩んでいる
 競合他社の少ないニッチ市場でのネット関連ビジネスであり、イメージ的には高成長が期待されやすい。ただ、足元の業績状況は、主力事業の遺影写真修正ビジネスで伸び悩んでおり、成長性を期待しすぎることにはリスクがあると考えられる。

 当社の想定仮条件は上限50万円となっており、05.4期EPSベースではPERは約35倍が想定されていることになる。今期の収支予想を前提とすれば、この想定仮条件以上の価格には相当のリスクがあると考えられる。

事業概要
デジタル画像修正技術を活用した遺影写真等のサービス
当社は、遺影写真等画像・映像のデジタル加工、通信出力を主体としたメモリアルデザインサービス事業と、個人向け写真集の作成・販売を主体としたパーソナルパブリッシングサービス事業を展開している。

 メモリアルデザインサービスについては、当社で蓄積した写真修正に関するデジタル画像処理ノウハウを元に、遺影写真に特化した画像処理技術を活用したもの。葬儀社・写真館・互助会等に専用端末機器を設置し、通信インフラ技術・リモートコントールを利用して、葬儀社での集配業務を削除することが出来る業態となっている。

 事業分野別の売上高は下表のようになっている。(表1) メモリアルデザインサービスは、相当量の潜在顧客の見込める成長マーケットと考えられるが、足元の業績はむしろ伸び悩んでおり、パーソナルパブリッシングサービスが売上高の伸びを牽引している状況となっている。これは、葬儀施行価格が経済環境の影響を受けやすく、価格低下傾向が継続していること、専用端末機器を貸与方式から販売・売り切り方式に変更したことで会費収入が減少したこと、インク等のサプライ用品の販売単価も下落傾向であること、等が要因となっている模様である。

収支の状況
売上高の伸び悩みはあるが、収支構造は問題ない
 04年4月期の当期利益水準が経常利益と比較して低くなっているが、これは、役員退職慰労金32百万円などの特別損失を47百万円計上したことによる。05.4月期にはこうした特殊要因による費用計上は予定されていない模様であり、経常利益水準にリンクした当期利益水準になると想定される。

 また、05.4期は前期実績と比較して、売上高で約4億円の増加を見込む一方、経常利益では約1.3億円の増加予定となっている。売上の増分に対する経費率・経常利益率も順当と考えられる。

株式の状況
新株予約権付き社債による希薄化効果はあるが、影響は軽微
 当社の発行済み株式数は、04年12月に1:3の株式分割を実施し、分割完了時点で9,330株となっている。これに今回の公募分1,300株が加わる。更に、発行済みの新株引受権付き社債の発行残高が28,500千円で行使価格が100,000円、既に行使期間に入っており、期限は06年9月となっているものがある。この分が全数行使されたとすると285株に相当するので、上場時点での想定発行済み株式数を10,915株とした。新株引受権付き社債の行使による希薄化効果は2%程度であるから、特段問題となるほど高い水準ではない。

 今回の公募による手取り金想定額約5億円は、うち約4億円を本社建物増築・生産設備の増強等の設備投資に充当し、残額約6千万円を借入金の返済に充当する予定となっている。

情報開示の状況
十分な開示水準を達成済み
 当社HPには既に投資家向け情報のページが開設されている。閲覧できるデータも上場前段階としては充実している。情報開示水準については、評価できる。


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