| ＩＰＯ初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
グランディハウス（8999 東証二部） |
足元の業績は順調に推移しており、今後の成長性も見込める。リスクは、有利子負債依存度の高さと借入金利の高さ、及び減損会計の適用となる。 05.3期EPS約3.5万円をベースとし、最近の不動産関連での上場銘柄である8946陽光都市開発のケースを参考にすると、少なくともPER20倍にはなると考えられる。成長性の高さを考慮すれば、PER25倍も妥当と考えられ、株価の適正水準は、70〜90万円と想定する。50万円前後で想定されている公募価格には割安感がある。
当社グループは当社及び子会社4社から構成されており、不動産販売事業と不動産賃貸事業を主な事業としている。 不動産販売事業については、分譲用地の仕入れ・開発許認可・宅地造成工事・住宅の設計及び建築・販売・アフターメンテナンスを行っている。当社は、栃木県を中心に茨城県・群馬県の北関東3県と千葉県において、戸建て住宅の分譲・設計・請負を行っている。また、建築材料であるプレカット資材を内製化するために、05年4月に子会社グランディプレカットを設立し、同年10月に稼動を開始した。 不動産賃貸事業では、当社は所有するテナントビル・マンション等の賃貸事業を行っている。子会社のグランディ商事が賃貸物件の管理を行っている。
不動産販売事業では、前期に出店した水戸に加えて、群馬県太田市・茨城県つくば市に新規出店したものが業績貢献して販売増加、不動産賃貸事業では、既存物件の稼働率向上と、収益物件として太田市に不動産販売事業の拠点を兼ねた賃貸ビルを取得したことによって、賃貸収入が対前期比で大幅に増加した。 05.3期の販売状況は表1、利益率は表2に示しているが、売上高も新規出店と共に増加しているし、利益率の面でも、十分に高い収益性が確保されている。足元の状況では、今後の成長余地はまだあると考えられる。 有利子負債残高は、下表のようになっており、有利子負債依存度（総資産に対する）は約70%と高くなっている。不動産事業の場合には、どうしても有利子負債依存度は高くなる傾向にあり、やむをえない面はある。ただ、当社の場合には、05年3月末時点での短期借入金約109億円の平均金利が2.74%と非常に高い。また、同時点で約36億円の残高となっている長期借入金の利率も2.60%と高いレートになっている。特に、短期借入金の利率の高さは、問題点である。 減損会計については、前倒し適用はされておらず、06.3期から適用する予定。販売用不動産等の減損計上がされる可能性はあるが、具体的な発生の可能性や想定金額については、目論見書では言及されていない。ただ、04.3期と05.3期には、販売用不動産評価損等の特別損失をそれぞれ約6億円と1億円強計上済みとなっている。既にある程度整理は進んでいると見て差し支えないと考えられる。
当社は03年4月に1:1.1、05年4月に1:3の株式分割を実施し、05年4月時点での発行済み株式数は、28,248株となっている。上場にあたっての公募が6,000株予定されているので、上場時点での想定発行済み株式数は、34,248株とした。ストックオプション等、既存株式を希薄化させる要素は存在しない。 当社の最上位株主2名に対しては、180日間のロックアップがかけられている。この2名の持ち株合計は13,317株で、うち380株が売り出しにかかるため、ロックアップ対象の株式数は、売り出し分を除いた12,937株となる。ロックアップには、発行価格の2倍以上で主幹事である野村證券を通じて市場売却することは可能というオプションが付与されている。 直近の第三者割当増資は、02年7月に実施されており、発行価格は60万円。この後の1:1.1、1:3の分割を考慮すると、この発行価格は約42万円に相当する。 想定公募価格は目論見書では48万円とれさており、これに基づく公募による当社手取り概算額は、約2,656百万円とされている。資金使途は、337百万円を06.3期中の土地仕入れ代金に、残額2,319百万円は今後の販売用住宅の建築資金に充当する予定。
当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在閲覧できるデータは、営業概況と財務ハイライト程度となっており、上場関連のニュースリリースや目論見書は掲載されていない。開示に前向きな姿勢はうかがえる。 |
| 本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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