新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ヴィンキュラム ジャパン(3784 JASDAQ)

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セクター:情報・通信業
マイカルとポケットカード向け販売に依存しており、大きな成長は望めない
 小売業向けのシステム開発・販売がメインであり、主要顧客は、マイカルとポケットカードに限定されている構造であるため、マイカル等でのシステム開発が一巡すれば、新規顧客の開拓が進むかどうかに、今後の業績は左右されることになる。

 足元のEPSは約15,000円で、ここから将来の大きな業績の伸びを現段階で期待することは危険であり、PERも20〜25倍程度が安全性を考慮した上限であろう。以上から、妥当な株価水準は40万円程度までと考えられる。想定公募価格は27万円前後とされており、この公募価格には一定の割安感がある。

事業概要
旧マイカルグループの小売業向けシステム開発業
 当社は潟}イカルの情報システム部を前身として、潟}イカルシステムズとして分社化された。2001年9月にマイカルが経営破たんによって民事再生法を適用し、その更正過程で、02年3月に当社全株式は、富士ソフトエービーシ鰍ノ譲渡され、その子会社となった。その後、商号を変更して、現在に至っている。

 当社は、富士ソフトエービーシグループに属し、主として流通系顧客を対象とする企業として位置付けられている。当社の事業内容は、アウトソーシング事業・ソリューション事業・プロダクト事業・及びこれらに付随するその他事業の4事業となっている。

 アウトソーシング事業では、システム運用・サービス業の販売管理、商品管理及び物流管理等の基幹システム、クレジットカードシステム、人事給与・会計システム等の顧客が保有する業務システムやイントラネット等の各種ネットワークを運用・管理するサービス、業務システムのソフトウエアに関する保守サービス、POSシステムなど流通・サービス業の店舗で使用する業務システムに関するヘルプデスクサービス、ASPサービスについてのアウトソーシングの受託を行っている。

 ソリューション事業では、流通・サービス業向け基幹システム分野、クレジットカードシステム分野、人事システム・会計システム分野等でのシステムの企画・開発を行っている。

 プロダクト事業では、当社の流通・サービス業システムに関する技術やノウハウをベースについて、パッケージソフトウエアの開発・販売を行っている。また、顧客システム等に応じたソフトウエアのカスタマイズも実施している。主な製品は、POSパッケージソフトウエア、CRM、EDIパッケージなどとなっている。

 その他事業としては、システム機器販売、電子商談サービス、店舗システム導入展開サービスを行っている。

収支の状況
マイカルとポケットカードに売上依存、将来の売上予測は困難
 事業分野別の販売実績は、表1の通りであり、主力事業であるアウトソーシング事業は、主要顧客向けのシステム運用サービス・システム管理サービスでの新規販売分が無かった模様で、ほぼ前期並みの販売実績となっている。ソリューション事業については、主要顧客向けの小売業用システム開発・人事給与システムの受注によって、販売実績は大きく増加している。

 一方で、主要顧客であるマイカルとポケットカード向けの販売シェアは、全販売実績に対して、5〜6割を占める状況となっている。この両社から、新規システム開発の受注がないと、当社の売上高は伸びない構造となっている。

【表2 主要顧客向け販売の総販売実績に占めるシェア(%)】
         04.3期  05.3期
マイカル    37.2%  36.9%
ポケットカード 21.3% 19.3%

 システムの維持・管理・メンテナンス事業については、毎年売上が発生するストックベースでの販売となるが、システム開発が中心の場合には、売上への貢献がフローでしか効かない。当社の場合には、フローでの販売がウエイトが高い模様であり、今期・来期の販売高がどの程度となるのかの予測は難しい。また、中間決算の開示前であり、業績予想も開示されていないことが、更に予測を困難にしている。

株式の状況
ストックオプション等の希薄化要素は無い
 当社の05年8月に1:7の株式分割を実施し、05年10月時点の発行済み株式数は、28千株となっている。上場にあたっての公募が3,500株予定されており、これら以外のストックオプション等による潜在株式は存在しないことから、上場時点での想定発行済み株式数は、31,500株とした。

 目論見書での想定公募価格帯は265千円であり、この価格に基づく公募による当社手取りの概算額は、907,500千円となっている。資金使途については、プロダクト事業の拡大を目的とした、流通・サービス業向けパッケージソフトウエア製品の開発資金に充当する予定。
 直近の第三者割当増資は、マイカルに対して00年9月に実施されたもので、この時の発行価格は5万円。

情報開示の状況
やや開示には消極的か
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在閲覧できる情報は、新株発行・売り出しの取締役会決議に関するプレスリリースのみとなっている。既にハコが設置されていることから、ある程度の開示は期待できると考えられるが、現段階でも開示するつもりがあれば開示可能な、マネジメントメッセージや財務ハイライトなどは掲載されておらず、やや開示に消極的な印象を受ける。


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