新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ディー・ディー・エス(3782 マザーズ)

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セクター:情報・通信業
収益性・成長性ともに高いが、公募価格はやや強気か
 市場化拡大の見込める指紋認証等のセキュリティ関連事業を展開している点で、事業としての希少性・成長性は高い。また、足元の収益状況もいたって良好となっている。
 事業運営面で敢えて難点をあげれば、成長産業と思われるほどには、売上高の伸び率は高くはないことがあげられる。IT系の成長産業であれば、売上高は年々倍増するケースも多くみられるが、それほどの成長力は実績として示されてはいない。
 想定公募価格は、今期の想定EPSベースで約80倍程度と高く、初値が公募価格を上回ることは確実としても、上記の状況を考慮すると、公募価格自体はやや強気な設定の感があり、大幅な初値騰落率となる可能性は低いのではないかと見られる。

事業概要
指紋認証等セキュリティシステムの開発・製造・販売
 当社の事業は、大学などから産学連携により要素技術を移転することで、独自技術による自社製品・サービスを研究・開発・販売する「アドバンストプロダクツ事業」と、デジタル家電などのメーカーから製品の規格・設計・開発・生産業務を受託する「エンジニアリング事業」の二つに分類される。

 アドバンスプロダクツ事業では、中部大学との共同研究により、画像認識分野のバイオメトリクス技術を応用し、指紋認証及び顔認証関連の製品開発を行っている。これらの認証製品は、当社の自社製品としてエンドユーザーである官公庁・金融機関に代理店等を通じて販売されるほか、メーカーの応用製品に組み込まれるセキュリティ機能製品として直接販売している。
 エンジニアリング事業では、家電メーカー・通信機器メーカー、自動車メーカー・アミューズメント機器メーカー・医療用機器メーカーなど電子応用機器のソフトウエア・ハードウエアの設計業務を受託するエンジニアリングサービスと、そのサービスから発展して、製品の規格・設計・開発・製造までを一貫して行い、最終製品をメーカーに供給するODMサービスを行っている。

収支の状況
成長性には問題なし、収支の状態も良好
 個人情報漏洩事件の発生や、個人情報保護法の施行などをきっかけとして、個人認証・暗号・ファイヤウォール・ウイルス対策ソフト・セキュリティ監視ソフト等の情報セキュリティ製品の需要は拡大期にある。当社業績も、こうした市場の成長にあわせて拡大している。PCシステムの情報セキュリティに適用される指紋認証ユニットが大手企業・官公庁に採用され、ユニット導入台数は、21千台を達成している。また、形態電話等に搭載される組み込み向け指紋認証ソリューションが、海外の携帯電話メーカーに採用され、利益率の高いライセンスフィーによる売上が拡大している。

 もっとも、年々倍増するほどの成長率でもなく、今中間期の進捗ペースで見た場合には、売上高で約10億円となり、前期比約30%の増加となる。利益ベースでは、伸び率は相当高くなると考えられ、EPSベースでは、前期比約3倍強の7千円程度が見込める。

 当社のアドバンスプロダクツ事業の自社製品販売規模拡大を受けて、先行投資に伴う資金負担が増加する傾向にある。当社の借入金は、05.6中間期末で焼く591百万円、総資産に対するウエイトは、48%となっている。高い水準ではあるが、今回の公募に伴う資本増強によって、有利子負債ウエイトが低下することもあり、特別に長期間の株式保有を考えない限りは、大きな問題とはならないと考える。

株式の状況
ストックオプションは全数が行使可能だが、希薄化効果は小
 当社の05年6月時点での発行済み株式数は、14,340株となっている。今回の公募にあたっての公募株式数が2,700株、更に野村證券を割当先とした第三者割当増資がオーバーアロットメントとして実行される可能性があり、これが最大300株となっている。更に、下表のように、未行使のストックオプション残高は852株存在する。この全数が既に行使可能となっているため、全数を潜在株式として認識する。以上から、上場時点での想定発行済み株式数は、15,492株とした。ストックオプションによる希薄化効果は特別に大きくない。

 ベンチャーキャピタルの保有株式数は、上位株主名簿上では、2,400株程度が確認された。公募株式数とほぼ同数程度であり、上場直後の株式需給には影響を及ぼす可能性がある。

 目論見書での想定公募価格帯は、52〜58万円、平均価格55万円で算出した当社の公募による手取り概算額は、約1,321百万円となっている。手取り金の使途は、社内業務システムの整備に150百万円、海外生産委託先の開拓及び海外生産コントロール拠点の設立に100百万円、研究開発投資に200百万円を充当する予定。残額については、借入金の返済と運転資金に充当する。野村證券を割当先とした第三者割当増資最大300株の手取り概算額上限約151百万円については、全額を主に運転資金に充当する。

情報開示の状況
現時点では、全く開示なし
 当社ウエブサイトには、10月26日時点では、投資家向け情報開示のページは設置されていない。ニュースリリースの掲載もされていない模様であり、早急な改善を望みたい。


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