新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
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メビックス(3780 マザーズ)

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セクター:情報・通信業
事業の希少性や成長性は評価できるが、株式需給面では不安あり
 医療関連のITソリューション会社としては、昨年上場した8934ソネットエムスリーがあげられるが、やや事業内容が異なる上、事業の成長率の点では、当社のほうが上だと考えられる。第一四半期実績から当期のEPSを想定し、法人税の軽減分を戻した実力ベースで考えると約4千円とみられる。ここからの利益成長率は相当高いと思われ、ソネットエムスリー並みのPER35倍が最低線と考えると、14万円が下限となる。将来性や事業の希少性からは、3773アドバンスト・メディア並みの当期予想ベースPER200倍で、80万円まで見込まれるが、ストックオプションやベンチャーキャピタルの保有数が多いことから、株式としての希少性は低く、PER100倍程度の40万円程度が妥当なところではないかと考える。

事業概要
臨床試験のITソリューション事業
 当社グループは、当社とその連結子会社であるクリニカルポーター社で構成されており、エビデンスソリューション事業、サイトサポート事業、セルサイエンス事業を展開している。
 具体的には、多施設共同の大規模臨床試験を支援するツールとして開発した臨床試験支援管理システム「CapTool」を活用して、質の高いデータを効率的かつ廉価に取得するためのトータルソリューションサービス。こうしたサービスの提供によって、従来は製薬企業やCROが行っている紙や人手を介したデータ取得から統計解析までの一連の業務をIT化し、手作業による人為的ミスの防止、作業時間の短縮、人件費等のコスト削減につなげていく。
 サイトサポート事業は、連結子会社であるクリニカルポーターが行っている事業で、主に大規模臨床試験や大規模免疫学研究・治験のIRBの事務局業務、治験及び臨床試験を実施する医療機関のコンサルタント業務、実施に関わる支援業務を受託している。
 セルサイエンス事業は、細胞や臓器の長期保存を目的とした医療・理化学分野向け過冷却装置の販売事業で、食品・飲料の長期保存への応用についての研究をすすめている。

収支の状況
事業は急激に拡大中
 事業セグメント別の利益状況等は表1の通りで、事業立ち上げから間もないことから、サイトサポート事業では利益率が極端に低いことや、売上高が急減に増加していることが特徴となっている。各セグメントでの利益率が30%程度の高水準になっているのは、一般管理費等の配賦不能費用の計上額が大きいことによるもので、各セグメントの事業自体が利益率の高い事業であるとは考えられない。
 今期第一四半期のペースで通年が推移すると考えた場合、売上高で約15億円、当期利益で約2億円となる。事業自体は、四半期単位で相当拡大することも考えられるため、これ以上の実績となる可能性も多分にある。

 主な顧客別の販売実績は、表2であり、特定の顧客に集中している点では、リスクがあるといえる。

 なお、前期実績では、法定実効税率40.7%に対して、税務上の繰越欠損金の存在によって、税効果会計適用後の法人税等の負担率は、29.1%まで低下している。今期についても、同様の効果によって、税引き後純利益の水準は、若干高めに出ることが予想される。

株式の状況
ストックオプションの残高が大量にあり、将来の希薄化効果が懸念される
 当社は04年9月に1:5、05年7月に1:3の株式分割を実施し、05年7月時点での発行済み株式数は、31,200株となっている。上場にあたっての公募は4,500株が予定されている。未行使のストックオプション残高は下表の通り合計で7,197株あるが、行使開始が07年以降のものも多い。今回は、向こう1年間として06年5月までに行使可能となるストックオプション6,150株を潜在株式と考え、上場時点での潜在株式考慮後の想定発行済み株式数を、41,850株とした。ストックオプションによる希薄化効果は、10%を超える水準となり、高い部類に入る。

 公募前時点での、ベンチャーキャピタル保有株数は、上位株主名簿では9,183株となっている。このうち、売り出しにかかるものが685株あるので、公募直後の段階でのVC保有株数は、8,498株となる。VCは上場直後に売却すると考えると、公募直後の段階での市中放出株数は、公募4,500株、売り出し1,500株(オーバーアロットメントを含む)、VCの保有残8,498株の合計で、144,498株となる。発行済み株式数の約1/3が流動化されることになり、需給面では、かなり緩い状況になる可能性がある。
 想定公募価格は325,00円とされており、この前提での公募による当社手取り額の概算は、約1,450百万円となっている。資金使途は、セルサイエンス事業における研究開発費に300百万円充当する予定で、残額については、データセンターの増設、「CapTool」のバージョンアップ等の整備投資資金に充当することが想定されている。

情報開示の状況
非常に充実している
 当社ウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在のところは、上場関連のニュースリリース・目論見書の閲覧程度のコンテンツとなっているが、ハコは様々なものが既に用意されている。上場前の段階で、ここまで整備されているケースは珍しく、今後も高い水準での情報開示が期待できる。


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 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
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