新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
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スターティア株式会社(3393 マザーズ)

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セクター:卸売業
特定マーケットを対象とすることで、高成長を維持
 通信機器のリース販売事業であり、それほど成長が見込める業態では無いと考えられるが、ターゲットを中小事業者に絞り込むことで、成功している模様。

 今中間期のペースでいくと通期でのEPSは8,000円となり、想定公募価格のPERは約30倍程度と、割安感がある。逆に過去の第三者割当増資の最高割り当て価格は25万円で、想定公募価格帯の水準となっている。

 ベンチャーキャピタル保有株式が存在し、ロックアップがかけられていないが、ウエイトは小さいため、株式需給に大きな影響は無いと思われる。需給面でも決定的なリスクがないことと、前述の割安感もあり、初値騰落率は高いと予想する。

事業概要
電話機・複写機等のリース販売事業
 当社は、電話機・複写機・ネットワーク機器などの情報通信機器の販売、マイライン・インターネット回線の取次ぎサービスを中心に事業を展開している。当社がターゲットとしている主要顧客は、従業員100名未満の中堅・中小企業からSOHOなどの小規模事業体であり、これらの顧客に対して、上記サービスの他、オフィスファシリティの販売、レンタルサーバーの提供などを含めて、事業活動に必要な環境を複合商材として提供する「トータルオフィスソリューション」を行っている。

 機器関連事業としては、電話機については、サクサビジネスシステム・日立コミュニケーションテクノロジーのIP電話を中心に、複写機については、シャープ製複合機・複写機をメインの商材としている。

 回線受付サービス関連事業としては、ISP回線手配、電話回線などの回線加入受付代行による一次・二次通信事業者からのインセンティブ収入事業を行っている。

 ASP事業としては、レンタルサーバーの販売・保守、ドメインの維持管理、及びインターネットとICカードを利用した勤怠管理システムの販売を行っている。その他事業としては、携帯電話機の販売を行っている。

収支の状況
主力である通信機器のリース販売が好調に推移
 事業区分別の販売実績は下表の通りで、主力事業である機器関連事業は、対前期34%と大きく販売増加しており、全体の業績を牽引している。ただ、当社の販売形態は顧客とリース会社がリース契約を締結し、当社がリース会社に販売するリース売上げの方式をとっている。このため、主要顧客別の販売状況では、オリックス向けとクレディセゾン向けの販売が全体の約半分を占めており、特定の顧客に販売依存しているリスクを伴っている。

 その他事業の販売実績が前期と比較して大幅に増加しているが、これは法人向けモバイルの販売を新規に開始したことによるもので、金額的に小規模であることから、全体業績に対しての影響は大きくない。

 当中間期も、好調な実績をあげており、通期でも前期を大きく上回るペースとなっている。業態としての成長力がそれほどあるとは考えられないが、ニッチ市場をターゲットとした成功事例といえる。

株式の状況
ストックオプションの行使期間までには猶予あり
 当社は04年6月に1:3、04年8月に1:5、05年9月に1:2の株式分割を実施し、発行済み株式数は19,000株となっている。上場にあたっての公募が、3,000株予定されている。未行使のストックオプション残高は下表のように1,856株あるが、行使可能となるまでに期間があることから、潜在株式としては認識しない。以上から、上場時点の想定発行済み株式数は、22,000株とした。

【表2 ストックオプションの未行使残高の状況】
総会決議  対象株数  行使価格  行使期間
04年9月   1,286株    30,000円  06年9月〜13年9月
05年6月    570株   200,000円  07年7月〜14年6月

 直近の第三者割り当て増資は、05年3月に割り当て価格25万円、ベンチャーキャピタルを割当先として実施されている。また、株主名簿によると、ベンチャーキャピタルの保有分は合計で1,000株となっている。ロックアップはかけられていないものの、このウエイトは、それほど高いものではない。

 目論見書での想定公募価格は22万円で、この価格に基づく公募による当社手取り額の概算は、約595百万円とされている。資金使途は、今後計画している既存・新規事業所のオフィス拡張・新設、顧客管理・販売管理システム等に伴う設備投資資金に充当し、残額については運転資金に充当する予定となっている。増資資金を事業拡大に使用しないで、当社のように業務用設備に活用するケースが時折見られるが、収益を生まない投資に株主資本を利用することは、投資家サイドの考え方としては、納得しかねる。株主が納得するだけの業績を上げてから、業務設備の改善に取り組むべきではないかと考える。

情報開示の状況
全く開示されていない
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが設置されていない。上場関連の資料は掲載されていないし、上場承認自体がニュースリリースとして配信されていない状態である。サイト上からは開示する姿勢が全く見られないため、様々な点で要注意である。


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