新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
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ビジネス・ブレークスルー(2464 マザーズ)

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セクター:サービス業
話題性は十分だが、ビジネスモデルの提示・今期業績予想の達成確度は不透明
 「大前研一による社会人向け通信教育講座」が事業の主力である。業態としての物珍しさと経営者の知名度は抜群であり、この点は需給面での強いポジティブインパクトとなる。

 一方で、ネガティブな側面としては、ストックオプションの未行使残高が多いこと、ビジネスモデル・収益の成長のさせ方が現時点では不明確であること、の2点があげられる。特に後者のポイントについては、会社発表の今期業績予想すら、達成できるのかどうなのかが、わかりにくい資料の説明となっている。つまり、達成可能と読者に納得させるだけの事実と説明、事業の強みが提示されていない状態にある。

 将来の利益成長の道筋が明確に示されていない中で、会社発表の今期予想EPS約3,300円に対してPER50〜60倍付近で想定されている公募価格は、十分高めの価格設定がされていると感じられる。ただ、先にあげた点からの好需給によって、高めの公募価格から更に高騰する可能性もありうる。


事業概要
社会人を対象とした通信教育講座
 当社は主にインターネットや衛星放送を活用した遠隔型マネジメント事業を営んでいる。主に社会人を対象として、ビジネスの基礎から専門分野別に分類された講座まで、約4,000時間のコンテンツを保有し、衛星放送・CD-ROM・VTR・ブロードバンドなど、多様な配信メディアを通してマネジメント教育プログラムを提供している。当社の事業は、「マネジメント教育サービス」と「経営コンテンツメディアサービス」から構成されており、主な内容は以下の通り。

【表1 提供している主なプログラム】
■マネジメント教育サービス
遠隔教育プログラム: 経営管理者養成プログラム、大前経営塾、MBAプログラム
集合教育プログラム: 企業研修、アタッカーズ・ビジネススクール
カスタマイズプログラム
■経営コンテンツメディアサービス
衛星レギュラー視聴、大前研一通信

収支の状況
今期会社発表業績予想は高い目標、達成確度は不透明
 04年11月に日本で初めての遠隔教育による経営大学院として、ビジネス・ブレークスルー大学院が文部科学省から認可されているが、この分の収益計上は05.3期には算入されていない模様で、表1に示すように、この期は前期と比較して売上高では微増にとどまっている。06.3期中間実績でも、半期の進捗ペースとしては前05.3期並みとなっている。こうした実績と比較して、06.3期会社発表業績予想は高い目標となっている。これが本当に達成可能なのかどうかについては、業績予想のリリースでも目論見書でも詳細の記載がないために不明。

 主な当社顧客は、富士通経営研修所とボンド大学で、この2顧客で全販売高のうち約25%を占める。特定顧客のウエイトとしては特別に高い水準ではない。

 なお、当社は05年3月末時点で約648百万円の累積損失を計上している。単年度決算では既に黒字化しているので、累積損失は減少の方向にあるが、これによって05.3期までは実質的な法人税等の負担が発生していない。06.3期会社発表業績予想でも、発表値から推測される法人税等の実質負担率は2割程度となっている模様である。今後の累積損失の解消に伴って、法人税等の負担率は向上してくると考えられる。

株式の状況
ストックオプションによる希薄化効果は高い
 当社は05年10月に1:5の株式分割を実施し、05年10月末時点の発行済み株式数は、53,314株となっている。上場にあたっての公募は5,000株予定されている。新株予約権等のストックオプションの未行使残高は、16,940株となっており、約30%の希薄化効果があるほどの大量の残高となっている。このうち、6,085株については行使可能となるまでに1年以上が必要となるので潜在株式として認識せず、残りの10,855株を潜在株式とする。以上を合計して、上場時点の想定発行済み株式数は、69,169株とした。

 目論見書では想定公募価格17万円とされており、これに基づく公募による当社手取り概算額は、約770百万円となっている。資金使途は、事業拡大に備えた遠隔教育システムの設備資金に約172百万円、コンテンツ制作のための資金に約76百万円、残額は将来の事業提携等のための資金に充当する予定。
 上位既存株主には上場から6ヶ月間のロックアップがかかっている。ロックアップ対象株式数は、47,506株、うち新株予約権等が7,205株。

情報開示の状況
上場関連資料のみ掲載
 当社ウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。ただ、現在掲載されているのは、上場関連の資料・業績予想だけとなっている。上場前であっても、最近ではマネジメントメッセージと財務ハイライト程度は掲載する企業が多くなっており、当社にも一層の開示水準の向上を期待する。


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