新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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05年12月上場予定 IPO初値予想・銘柄コメント

IPO初値予想・銘柄コメントの総括部分をまとめたものです。詳細は企業名クリックでフルサイズのHTMLファイルをご覧ください。

フュートレック(2468 マザーズ)

セクター:サービス業
フュートレック(2468 マザーズ)

とりあえずは相当高い初値騰落率が予想される
 携帯電話の音源として販売拡大しており、まだまだ業績は急拡大期にある。ただ、携帯電話の現在の普及状況・足元の当社販売状況を考慮すると、無尽蔵な成長は見込みにくい。今中間期の実績ベースでの通期想定EPSは約7千円で、想定公募価格約25万円のPERは約40倍となる。成長産業のPERとしてはまだまだ低い水準であるために、相当高い初値騰落率となる可能性がある。

 ただし、数年先の最終的な業績の落ち着き先という視点で見た場合、現状の業績に対してPER40倍程度で見込む公募価格には、長期的な妥当性はあるように感じられる。

ソディックハイテック(6160 ヘラクレス)

セクター:機械
ソディックハイテック(6160 ヘラクレス)

足元の業績は前期並みであり、安定的な株価形成になりそう
05.3期にはその前期と比較して大幅に業績が向上しているが、05.9中間期の進捗状況をみると、今期については前期並み水準に落ち着く状況に見える。

 通期の想定EPSを22,000円とすると、当社のグループ会社である6143ソディックの足元のPER約17倍、6401ソディックプラスティックは14倍となっているので、当社の場合も子会社ディスカウントを考慮してPER15倍として、想定株価水準は35万円となる。上限26万円で想定されている公募価格には一定の割安感がある。反面、業績面での今後の上振れや、業種としての人気化は見込みにくいことから、これ以上の株価高騰も望みにくい。

荏原ユージライト(4975 東証二部)

セクター:化学
荏原ユージライト(4975 東証二部)

業績は安定しており、今期も増収増益を維持できそう
 売上高が過去3年間続けて増加しており、中間決算の状況をみると今期も更に対前期増収を継続できる進捗具合となっている。その上売上高営業利益率も毎期向上を続けており、地味な銘柄ながら、安定的な成長を継続する可能性もある。今期の想定EPSを半期実績の単純計算から370円と考え、化学業種の平均的なPER約25倍を適用すると、適正株価水準は約9,000円と想定できる。

 実際の上場時には、あまり人気化せずにこの水準まで騰がらない可能性があるので、安めの初値がついた場合には、逆にセカンダリーのチャンスも出てくると考えられる。

カネミツ(7208 大証二部)

セクター:輸送用機器
カネミツ(7208 大証二部)

株価要因としては上振れ・下振れ共に考えにくく、至って地味な上場となる予想
 売上高は毎期順調に増加しているが、利益面では原材料である鋼材価格の上昇や要員の増加等の利益圧迫要素があるために、05.3期には対前期比で経常減益となっている。今期も同様のコストアップ要素が継続するものと考えられるので、今期想定EPSは60円前後と考える。

 一方、業種としては人気化しにくく、更に大証二部への上場ということでの不人気リスクや一株当り(一単元ではなく)の金額の小ささが需給面でのネガティブ要素として存在する。このため、PERでは12倍程度、最大でも15倍程度と予想する。以上から、想定する株価レンジは700〜800円程度と考えられる。

プロダクション・アイジー(3791 JASDAQ)

セクター:情報・通信業
プロダクション・アイジー(3791 JASDAQ)

今後の業績は、ヒット作に恵まれるかどうかにかかる
 足元の業績では、04.5期は大作があったために大幅に売上高が増加したが、これが一段落して大作が無かった05.5期には、減収減益となっている。今後の業績も、ヒット作が出現するかどうかにかかっている状態にある。

 現時点で、今期以降のヒット作が発生することを織り込むにはリスクがある。06.5期の会社予想EPS約22,000円をベースに考えるのが妥当と思われ、PER約23倍となる想定公募価格50万円は、これ自体が適正水準と考えられる。高い初値騰落率は期待しにくい。

ユージン(7828 JASDAQ)

セクター:その他製品
ユージン(7828 JASDAQ)

一定の成長力はある上、業態のユニークさは高く評価される可能性も
 海外向けの売上増加と、ディズニー等の新規商品の売上貢献によって、業績は順調に推移している。当社決算上の特性として第4四半期の経費計上が大きくなるので、今中間期実績を単純に倍したものから、営業費用を3億円程度大きく想定しておく必要がある。この前提での今期税前利益は対前期比+20%程度の7億円、EPSでは17,000円程度と想定するのが妥当と考える。

 親会社トミーのPERは15倍程度と低いが、玩具産業全般の成長性が反映されたものと考えられる。これに対して、当社の場合には業態がニッチでユニークであり、親会社以上の成長性は見込めることから、PERは安全を考慮しても25倍程度は織り込まれてもよいと思われる。この場合の株価水準は、40万円超となり、32万円近辺で想定されている公募価格には一定の割安感がある。なお、業態のユニークさは高く評価される可能性があり、この場合には更に高い初値がつくことも考えられる。

日本パーキング(8997 JASDAQ)

セクター:不動産業
日本パーキング(8997 JASDAQ)

安定的な成長性は認めるが、公募価格には割高感がある
 運営する駐車場数の増加に伴って、売上高は毎年堅調な増加を持続している。これに加えて、MBOによる独立時の営業権償却が前期までで終了したことで、今期からの増益要因となっている。こうした要因によって、今期には業績は一段向上し、中間期の進捗を持続すれば、EPSは11,000円程度となる。

 同業他社として、4666パーク24の足元のPER約25倍を参考にすれば、株価水準は約28万円となり、公募価格以下となる。安定的な成長性は評価できるが、公募価格には割高感がある。

ネットワークバリューコンポネンツ(3394 マザーズ)

セクター:卸売業
ネットワークバリューコンポネンツ(3394 マザーズ)

今期の業績予想は達成可能性が高いが、来期以降はどうか
 今期は第三四半期の決算まで開示されており、その進捗状況からみて、会社発表の通期業績予想は達成される可能性は高く、この場合には今期想定EPSは約11,000円となる。今後の成長性を加味すると、PER約30倍程度で考えられている公募価格約32万円には割安感がある。

 ただ、目論見書から理解できる範囲では、当社独自の強み・業態の把握が困難であり、来期以降も成長が継続されるのかについては、わかりにくい面がある。
公募・売り出し枚数が少なく、VC保有分を考慮してもなお、株式需給面では逼迫感があるために、高めの初値を形成する可能性が高いと考えられるものの、過度な成長期待にはリスクを伴う可能性がある。

GMOホスティング&セキュリティ(3788 マザーズ)

セクター:情報・通信業
GMOホスティング&セキュリティ(3788 マザーズ)

そこそこの成長性は見られるが、公募価格はやや高めか
 ホスティングサービスが中心であり、IT関連ということで、足元の状況では20%程度の成長率は持っているものの、業態として他社に無い独自性があるわけではなく、自グループ内での事業統合影響もあって比較的安定した高成長状態にある。

 第三四半期までの実績をみると、今期のEPSは最終的には1万円を越えてくる模様ではある。しかし一方で、公募価格は約73万円と想定EPSベースでのPERは約60倍となる。公募価格はある程度上場時点での人気化を織り込んでいると考えられる。初値騰落率は2倍程度までの上昇はあると思われるが、先に上場した同グループ内の3769GMOペイメントゲートウエイほどの業態の独自性や成長性は無い。

レシップ(7213 JASDAQ)

セクター:輸送用機器
レシップ(7213 JASDAQ)

意外な成長性があり、来期も好業績となる可能性が高い
 今中間期の進捗状況をみると、今通期の実績は前期を大きく上回るペースになっている。更に来期には、首都圏での私鉄・バス等での取り扱いカードの一元化が予定されており、これが当社業績に貢献する可能性が高い。比較的成長性が低いと見做されやすい輸送機器セクターに属するが、ある程度の成長性を持つ銘柄といえる。

 この中間期までの実績を基にすると、今期の想定EPSは約140円が見込まれる。PERとしては、来期の業績向上分を想定して20倍程度が妥当と考えられる。この前提での株価の適正水準は、約2,800円となり、1,100円付近で想定されている公募価格には割安感がある。

スターティア(3393 マザーズ)

セクター:卸売業
スターティア(3393 マザーズ)

特定マーケットを対象とすることで、高成長を維持
 通信機器のリース販売事業であり、それほど成長が見込める業態では無いと考えられるが、ターゲットを中小事業者に絞り込むことで、成功している模様。

 今中間期のペースでいくと通期でのEPSは8,000円となり、想定公募価格のPERは約30倍程度と、割安感がある。逆に過去の第三者割当増資の最高割り当て価格は25万円で、想定公募価格帯の水準となっている。

 ベンチャーキャピタル保有株式が存在し、ロックアップがかけられていないが、ウエイトは小さいため、株式需給に大きな影響は無いと思われる。需給面でも決定的なリスクがないことと、前述の割安感もあり、初値騰落率は高いと予想する。

ソニーコミュニケーションネットワーク(3789 マザーズ)

セクター:情報・通信業
ソニーコミュニケーションネットワーク(3789 マザーズ)

実質的には、ソニー子会社連動株式から普通株への乗り換え上場
 ソニーコミュニケーションネットワーク株式は、ソニーの子会社連動株式(6758-5)として、実質的には既に市場で流通している。子会社連動株式は、05年12月1日でソニー普通株への転換をもって終了する予定となっているが、当社の上場による価格形成には、子会社連動株式の株価動向が大きく影響を与えると考えられる。

パシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス(2466 東証)

セクター:サービス業
パシフィックゴルフグループインターナショナルホールディングス(2466 東証)

成長性を織り込んだ公募価格には、リスクあり
 足元の業績には様々な特別利益・特別損失が織り込まれている上に、税務上の欠損金が存在するために、当期利益には法人税等の負担がまだ適切に反映されていない。

 業績は順調に向上しているとはいえ、想定公募価格102,000円の水準は、今期想定EPS(法人税補正を考慮して、税後利益を25億円と想定)約2,000円に対してPER約50倍となり、割高な印象がある。公募価格には、今期以降の更なるゴルフ場の取得と既存ゴルフ場での業績改善を織り込んでいるのだろうが、足元の業績等をみる限りでは、楽観的ではないかと考えられる。
 公募価格以上の価格での株式取得には、リスクがあるといえる。

日本オフィスシステム(3790 JASDAQ)

セクター:情報・通信業
日本オフィスシステム(3790 JASDAQ)

地味な業績・業態だが、公募価格には適切なディスカウント
 システム関連のコンサルティング・機器等販売事業であり、事業自体の新鮮味・面白みには欠ける。業績面でも、売上高は受注状況によって増減し、利益面では微増傾向となっており、比較的安定した状態にある。

 こうした状況のため、株式の需給面や人気化するかという点では期待できない。ただ、想定公募価格帯は、今期予想EPSに対して17〜18倍近辺に設定されており、業態等を見越した割安な公募設定になっている。
 つまり穏当な公募価格設定がされている模様であり、上場後は株価が急騰する場面は無いと思われるが、初値以降の値動きとしては、予想EPSベースでPER25倍程度の3,500円辺りまでには上がると予想する。

リビングコーポレーション(8998 マザーズ) >> 12月5日上場中止発表

セクター:不動産業
リビングコーポレーション(8998 マザーズ)

業績急成長、株式需給にもネガティブ要素は無い
 一棟販売用賃貸マンションの個人投資家・富裕層向け販売事業が主力。業績は、現在の事業穂本格的に立ち上げた04.12期から急激に成長している。今期の会社発表業績予想は、中間期までの進捗ペースを考えれば、達成の可能性は高いと見られる。

 今期予想EPS約14,000円に対して、PER約30倍を切る水準で想定されている公募価格には割安感がある。株式需給面でも特にネガティブ要素は無いので、適切な水準としては、PER50倍水準の70万円以上と想定する。

テクノマセマティカル(3787 マザーズ)

セクター:情報・通信業
テクノマセマティカル(3787 マザーズ)

年次ごとの業績変動が大きく、現在の利益水準を維持・成長できるかは不透明
 携帯電話等、当社製品の組み込まれた製品の販売状況や、こうした電子機器等に当社製品が採用されるかどうかに、業績が大きく左右される傾向にある。05.9中間期は全体としては好調に推移しており、下期に利益が偏重して計上される傾向にあることから、06.3期のEPSは、過年度の実績を考慮して、半期の進捗ペース以上の5,000円程度にはなると考えられる。

 一方で、想定公募価格帯は30万円とされており、仮にEPSを5,000円とすると、公募価格のPERは約60倍と相当高い水準にあると考えられる。足元の業績動向を下にすれば順当かもしれないが、業績の年次変動が大きい中では、この利益水準を今後も維持できる保証はなく、やや公募価格には割高感があると考えられる。ロックアップのかかっていないVC保有株式が多いことも、懸念材料である。

プロデュース(6263 JASDAQ)

セクター:機械
プロデュース(6263 JASDAQ)

業績は製品の競争力次第、大きく伸びる可能性は秘めている
 特殊な用途で使用する機器の開発・製造・販売事業であり、足元の業績は新商品の開発に成功したことから、急激に拡大している。しかし、今後の業績についても、新製品の開発状況次第であり、現時点では、足元の伸び率ほどの水準で今後も伸び続けるという保証は無い。

 業績が急拡大しているとはいえ、前期実績EPS約4,200円に対して、想定公募価格44万円はPER約100倍と非常に高く設定されている。今期以降の更なる業績の伸びも公募価格には十分に織り込まれていると考えられ、公募価格に割安感は無い。(11.25修正)

バルク(2467 名証)

セクター:サービス業
バルク(2467 名証)

二期連続で売上高は倍増、今期は個人情報保護関連特需の持続次第
 業態は成長の見込める情報セキュリティ関連で、業績は二期連続で対前期比倍増という結果を出している。ストックオプションやベンチャーキャピタル保有株など、需給に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクも取り立てて見当たらない。

 問題は、個人情報保護法の施行による特需がいつまで続くのかという点に絞られる。まだ今期も見込めるのであれば、今期予想EPS約14千円に対して想定公募価格45万円のPER約30倍には割安感がある。しかし、個人情報保護法関連の需要がこれで一巡したとみれば、想定公募価格帯は妥当な値付けとなる。

ビジネス・ブレークスルー(2464 マザーズ)

セクター:サービス業
ビジネス・ブレークスルー(2464 マザーズ)

話題性は十分だが、ビジネスモデルの提示・今期業績予想の達成確度は不透明
 「大前研一による社会人向け通信教育講座」が事業の主力である。業態としての物珍しさと経営者の知名度は抜群であり、この点は需給面での強いポジティブインパクトとなる。

 一方で、ネガティブな側面としては、ストックオプションの未行使残高が多いこと、ビジネスモデル・収益の成長のさせ方が現時点では不明確であること、の2点があげられる。特に後者のポイントについては、会社発表の今期業績予想すら、達成できるのかどうなのかが、わかりにくい資料の説明となっている。つまり、達成可能と読者に納得させるだけの事実と説明、事業の強みが提示されていない状態にある。

 将来の利益成長の道筋が明確に示されていない中で、会社発表の今期予想EPS約3,300円に対してPER50〜60倍付近で想定されている公募価格は、十分高めの価格設定がされていると感じられる。ただ、先にあげた点からの好需給によって、高めの公募価格から更に高騰する可能性もありうる。

テレビ東京ブロードバンド(3786 マザーズ)

セクター:情報・通信業
テレビ東京ブロードバンド(3786 マザーズ)

業績は大きく成長しているが、コンテンツ会員数は減少傾向
 新規コンテンツの獲得・買収によって、これまでは大きく業績を向上させてきている。しかし、足元の各コンテンツ会員数は、主力であるスヌーピーを筆頭に減少傾向にあり、ここからの業績の成長は決して楽観視できる状況ではない。

 今中間期までの進捗ペースでの通期の想定EPSは約8,500円となる。公募価格が40万円前後で想定されているので、公募価格のPERは約45倍となっている。更なる新規コンテンツの獲得を見込めばより高い株価形成も見込めるが、今後の業績を慎重に織り込めば公募価格帯でほぼ適正価格ではないかと考えられる。

サマンサタバサジャパンリミテッド(7829 マザーズ)

セクター:その他製品
サマンサタバサジャパンリミテッド(7829 マザーズ)

成長過程にあるが、過去業績にはブレがあり、安全サイドでみるのが妥当か
 今06.2期の中間期までの実績をみると、前05.2期の業績を上回ることは確実な状況ではある。しかし、05.2期に更にその前の04.2期実績と比較して減益となった理由が、明確に示されていない点が気掛かりである。決算基準の変更だけが原因とは考えられない。

 今期の想定EPSは中間期の実績をベースに考えれば約11千円となる。今後も成長が期待されるのであろうが、上記の懸念事項があるため現時点では楽観視しづらい。PERとしては小売業平均に若干のプレミアムを上乗せした30〜35倍程度が安全だと思われる。この想定では、株価水準は35〜40万円程度と考えられ、公募価格に割安感は薄い。

インターネットイニシアティブ(3774 マザーズ)

セクター:情報・通信業
インターネットイニシアティブ(3774 マザーズ)

ADRをナスダックに上場済み、初値に意外性は期待出来ない
 当社は既にADR(米国預託証券)を米国ナスダック・ナショナルマーケットに上場している。発行価格は、価格決定日の前5営業日のADR取引価格を元に、変換比率400と為替レート、0.90〜1.00のディスカウント率を乗じて決定される。日本での公開価格は、ADRの価格に収斂すると考えられ。発行=公募価格と初値との差額は、上記のディスカウント率程度となる模様。

 当社は一旦今年春に上場を計画したものの、上場計画の発表直後にADRが暴騰したために発行価格が高く決定された。決定後にADRは急落したために、需要申告が過少となり、上場を見送った経緯がある。ADR価格が穏当に推移し、今回は無事に上場できるかどうかが、最大の焦点となる。
 ADR価格は、NASDAQウエブサイトからティッカーコード「IIJI」で確認できる。11月9日の終値は前日比+13%の11.63$と上昇している。

ラヴィス(2465 JASDAQ)

セクター:サービス業
ラヴィス(2465 JASDAQ)

減損損失を戻して考えれば、公募価格には相当な割安感
 基本的に店舗数の拡大に応じて業績が向上する業態である。今期の会社発表の業績予想では減損損失の計上を予定しており、これを修正した実力ベースの想定PERは約15千円。同業である4331テイクアンドギブニーズが今期予想ベースPER約40倍付近であるので、当社の場合も同水準のPERを適用するとして、60万円程度が妥当な株価と考える。公募価格が25万円近辺となるため、公募価格には割安感がある。

シニアコミュニケーション(2463 マザーズ)

セクター:サービス業
シニアコミュニケーション(2463 マザーズ)

人気化を見越した強気な公募価格設定になりそう
 シニアマーケットに特化したコンサルティング等の事業という、レアな業種であり、足元の業績も大きな伸びを示しており、公募〜初値での人気は高くなると予想される。
 ただ、今期の会社発表の業績見通しは、四半期の進捗ペースから考えると、やや強気ではないかと思われる点と、想定公募価格のPERが今期見通しEPSベースで約80倍と人気化を見越した高い価格設定となっている点が、リスク要因となる。
 ストックオプションによる希薄化効果は比較的大きい部類だが、行使期間までには猶予があり、当面は考慮する必要は無い。

エイティング(3785 マザーズ)

セクター:情報・通信業
エイティング(3785 マザーズ)

安定的な成長期に移行、公募価格には割安感あり
 04.9期までの爆発的な高成長から、05.9期実績では売上高の対前期比で+約10%、利益ベースで+約20%と、安定期に以降しつつある。過去の実績ほどの高成長を今後は望めないにしても、まだ成長余地はあると考えられる。

 05.9期実績ベースのEPS約3,500円に対しての想定公募価格10万円で計算されるPER約30倍は、今後は高成長が望めないとしても、当社の成長性から考えると相当な割安感がある。ロックアップ等の株式需給の面でも比較的タイトであり、現在想定されている公募価格帯に対しての初値騰落率は相当高いと考えられる。

ジェイコム(2462 マザーズ)

セクター:サービス業
ジェイコム(2462 マザーズ)

業績も株式需給も問題無し、公募価格も低めに設定されている印象
 業績面では、足元の収益性・成長性は共に問題ない。株式需給の点でも、ストックオプションは存在するものの行使可能になるまでに相当期間がある上、ほとんどの既存大株主にはロックアップがかけられているので、タイトな状況が維持されると考えられる。

 公募価格は58万円近辺とされているので、今期予想ベースのEPS約18,000円ではPER約32倍となる。この業態・業種の会社であればPER50倍の可能性もあるところ、比較的低めの公募価格設定がされていると考えられる。

グランディハウス(8999 東証二部)

セクター:不動産業
グランディハウス(8999 東証二部)

財務面でのリスクはあるものの、成長性は高い
 足元の業績は順調に推移しており、今後の成長性も見込める。リスクは、有利子負債依存度の高さと借入金利の高さ、及び減損会計の適用となる。

 05.3期EPS約3.5万円をベースとし、最近の不動産関連での上場銘柄である8946陽光都市開発のケースを参考にすると、少なくともPER20倍にはなると考えられる。成長性の高さを考慮すれば、PER25倍も妥当と考えられ、株価の適正水準は、70〜90万円と想定する。50万円前後で想定されている公募価格には割安感がある。

デリカフーズ(3392 東証二部)

セクター:卸売り業
デリカフーズ(3392 東証二部)

業績は至って安定的、前期の野菜価格高騰の反動影響だけが懸念事項
 野菜の販売事業が主力であり、業績は非常に安定的である。05.3期が前期と比較して増収増益となっているのは、台風によって野菜の販売価格が上昇する一方で、販売数量を維持することが出来たことが要因であり、06.3期にはこの反動による販売価格減が想定される。

 06.3期には、04.3期並みの利益水準に戻る可能性が高く、この場合の想定EPSは約12,000円となる。公募価格を33万円と想定すれば、公募価格のPERは28倍となり割高感がある。中間期の業績が未発表なので、今期の業績が前期並みで推移する確証が得られれば、公募価格は適切なディスカウントと言えるが、その確証の無い現時点では公募価格はやや割高なイメージがある。

サーラ住宅(1405 東証二部)

セクター:建設業
サーラ住宅(1405 東証二部)

業績は安定的であり、成長性は見込みにくい
 05.4中間期の実績をみると、04.10期から業績が上振れする要因が見当たらない。このため、当05.10期も、ほぼ前期並みの業績となると考えられる。EPS約90円の水準となる。当社の親会社であるサーラコーポレーションのPERは、年度決算の変動が大きいこと等の要因があり、足元では30倍程度となっているが、実力的には15〜20倍の株価水準となっていると思われる。

 当社の場合も親会社のPER水準が妥当と考えられ、EPS90円・PER15〜20倍の1,400〜1,800円が適切なレンジと考えられる。更に、東証二部であること、親子上場であることの2点をディスカウント要素とすれば、1,500円近辺と考えるのが安全だと考える。

ヴィンキュラム ジャパン(3784 JASDAQ)

セクター:情報・通信業

ヴィンキュラム ジャパン(3784 JASDAQ)

マイカルとポケットカード向け販売に依存しており、大きな成長は望めない
 小売業向けのシステム開発・販売がメインであり、主要顧客は、マイカルとポケットカードに限定されている構造であるため、マイカル等でのシステム開発が一巡すれば、新規顧客の開拓が進むかどうかに、今後の業績は左右されることになる。

 足元のEPSは約15,000円で、ここから将来の大きな業績の伸びを現段階で期待することは危険であり、PERも20〜25倍程度が安全性を考慮した上限であろう。以上から、妥当な株価水準は40万円程度までと考えられる。想定公募価格は27万円前後とされており、この公募価格には一定の割安感がある。

古河スカイ(5741 東証)

セクター:非鉄金属
古河スカイ(5741 東証)

決算期間の変更を考慮すると安定した業績であり、成長性には乏しい
 04.3期から05.3期にかけて、業績が大幅に向上しているように見えるが、グループ再編に伴う決算期間の違いによるものである。自動車関連部品向けや猛暑によって缶材料向けアルミニウム製品が好調であった05.3期の業績が、ベストのものであり、今期以降に大幅に売り上げ・利益が向上する要因が見当たらない。前期のEPS約37円が株価想定のベースとなる。

 PERでは、親会社である5801古河電気工業の足元のPERが22倍、東証二部非鉄金属の前期実績ベースPERが16倍であるので、この範囲内におさまるものと考えられる。PER約20倍とすると、想定株価は700円となるが、親子上場ディスカウント等を考慮すると、PER16倍での600円程度に落ち着くと予想する。想定公募価格に一定の割安感はあるが、大きく初値が高騰する展開は考えにくい。

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