新規上場の目論見書に基づいた、IPO=新規公開株式の銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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05年11月上場予定 IPO初値予想・銘柄コメント

IPO初値予想・銘柄コメントの総括部分をまとめたものです。詳細は企業名クリックでフルサイズのHTMLファイルをご覧ください。

フリード(9423 JQ)

セクター:情報・通信業
株式会社フリード(9423 JASDAQ)

業態は地味だが、事業の成長性は高い
 マイライン等の取次事業とファクス機器等通信機器のリース販売事業が中心であり、情報・通信業態の中では、比較的地味な業態となっている。テレパーク向けの販売が過半を占めているため、株価面でも同社の状況に影響を受けることが想定される。テレパークのPERは20倍強であるため、当社の今期想定PERを約3万円とすると、株価水準は60万円程度となる。
 ただ、この見方では、テレパークと比較して当社の成長力が高い点が考慮に入っていないことになる。実際には、もう少し高いPERでも許容されると考えられるので、PER30〜40倍として、100万円を超える水準でも妥当と考えられる。

ファンコミュニケーションズ(2461 JQ)

セクター:サービス業
株式会社ファンコミュニケーションズ(2461 JASDAQ)

実績、先行きの成長性ともに十分であり、高い初値騰落率が期待できる
 インターネットを通じたアフィリエイト広告事業を展開しており、今後の市場の拡大に伴う成長性が十分期待できる。足元の業績でも、売上高は前期比倍増を2年連続で達成するペースで進捗しており、高い成長性を裏付けることとなっている。
 株式需給面では、ベンチャーキャピタル保有分へのロックアップなし、かつ、ストックオプションの残高もある程度残っており、良い環境ではない。しかし、業態としての魅力は高く評価されることは確実であるし、想定公募価格150万円水準となる久し振りの「値ガサ株」でもあることから、PER水準を度外視した初値が形成されると想定する。

アース製薬(4985 東証2)

セクター:化学
アース製薬株式会社(4985 東証二部)

上半期実績が好調にみえるが、季節要因によるもの。通期では前期並み維持か
 05.6中間期実績が過年度の通期実績と比較して高いのは、当社の主力商品である殺虫剤等が夏期を中心とした季節商品であるためであり、今通期の実績は、最終的には前期とほぼ同水準になると想定する。前期には特別損益の計上はあったが、今期には発生予定がなく、結局通期での想定EPSは、150円程度となると考えられる。
 医薬品業界のPERは25〜28倍程度となっているが、当社の場合には医薬品業界の全体平均の成長性を下回ると考えられるため、PER20倍程度の3,000円付近が適正な水準と予測する。想定公募価格帯は、ほぼ適切なディスカウントがされている模様。

ナノ・メディア(3783 マザーズ)

セクター:情報・通信業
株式会社ナノ・メディア(3783 マザーズ)

ネガティブ要素はあるものの、人気化は確実か
 携帯電話向けコンテンツサービスが主力であることから、人気が高くなりやすい業態である。株式の需給面では、過半数を保有する最大株主である伊藤忠商事にはロックアップがかかっているが、仮にロックアップがなかったとしても、親会社として保有株式を売却するとは考えにくく、ロックアップ自体に実効性は薄い。逆に、ベンチャーキャピタル保有分には、ロックアップがかかっていない。
 業績面では、成長性はみられるものの、十分に収益貢献している状況には至っていない。今期の実力ベースEPSの想定を3千円強とすると、公募価格はPER約200倍という設定になる。
 逆に考えれば、ネガティブ要因は上記の2点程度しかなく、人気化することは間違いないと見られる。

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ディー・ディー・エス(3782 マザーズ)

セクター:情報・通信業
株式会社ディー・ディー・エス(3782 マザーズ)

収益性・成長性ともに高いが、想定公募価格はやや強気か
 市場化拡大の見込める指紋認証等のセキュリティ関連事業を展開している点で、事業としての希少性・成長性は高い。また、足元の収益状況もいたって良好となっている。
 事業運営面で敢えて難点をあげれば、成長産業と思われるほどには、売上高の伸び率は高くはないことがあげられる。IT系の成長産業であれば、売上高は年々倍増するケースも多くみられるが、それほどの成長力は実績として示されてはいない。
 想定公募価格は、今期の想定EPSベースで約80倍程度と高く、初値が公募価格を上回ることは確実としても、上記の状況を考慮すると、公募価格自体はやや強気な設定の感があり、大幅な初値騰落率となる可能性は低いのではないかと見られる。

ポスコ(5412 東証)

セクター:鉄鋼業
株式会社ポスコ (5412 東証)

ADRの日本上場となるため、価格はNYSEでの取引価格に収斂
 今回の上場の対象となる有価証券は同社普通株式米国預託証券(ADR:American Depositary Receipt)である。1米国預託株式(ADS:American Depositary Shares)は、4分の1株となっている。
 ADRは、預託機関は当社の委託に基づき、原株式1株の4分の1を表章する米国預託株式を作成し交付するもの。当社株式は、原株及びADRで、韓国証券先物取引所・NY証券取引所・ロンドン証券取引所で既に取引されている。

 NYSE(ニューヨーク証券取引所)では、10月26日時点で、50$/1ADR 前後で取引されている。日本での公募価格は、価格決定日時点でのニューヨークでのADR価格が参照されて決定し、上場段階では、前日のニューヨークでの取引価格に収斂するのが、通常の動き方となる。

メビックス株式会社(3780 マザーズ)

セクター:情報・通信業
メビックス株式会社(3780 マザーズ)

事業の希少性や成長性は評価できるが、株式需給面では不安あり
 医療関連のITソリューション会社としては、昨年上場した8934ソネットエムスリーがあげられるが、やや事業内容が異なる上、事業の成長率の点では、当社のほうが上だと考えられる。第一四半期実績から当期のEPSを想定し、法人税の軽減分を戻した実力ベースで考えると約4千円とみられる。ここからの利益成長率は相当高いと思われ、ソネットエムスリー並みのPER35倍が最低線と考えると、14万円が下限となる。
 将来性や事業の希少性からは、3773アドバンスト・メディア並みの当期予想ベースPER200倍で、80万円まで見込まれるが、ストックオプションやベンチャーキャピタルの保有数が多いことから、株式としての希少性は低く、PER100倍程度の40万円程度が妥当なところではないかと考える。

データプレイス(3781 名証)

セクター:情報・通信業
株式会社データプレイス(3781 名証)

潜在株式が大量にあり、需給悪化が懸念される
 公募株数3,000株に対して、上場時点で既に行使可能な潜在株式が約7,800株存在する。この潜在株式による希薄化効果は30%を超える高率であり、更にロックアップがかかっていないベンチャーキャピタル保有株が約2,000株という状態。需給面では、相当な悪化が見込まれる。
 業態的には、3768リスクモンスターに似ており、人気化する要素はあるが、当社の場合には、自社製作のデータ・コンテンツ部分が少なく、他社制作のデータの流通を行うだけという色合いが強い点では、将来的には競合上の弱みとなることが懸念される。
 総合的には、やはり需給リスクが大きすぎるため、業態としての人気化は見込みづらい。今期予想EPSベースで、PER約50倍に設定されている想定公募価格15万円は、やや高めではないかと推測する。

SUMCO(3436 東証)

セクター:金属製品
株式会社SUMCO(3436 東証)
旧会社名 三菱住友シリコン株式会社

海外事業のリストラが一巡し、利益拡大基調
 海外事業のリストラを進めつつある状況であるために、04.1期から05.7中間期まで、毎期事業整理損失を計上したことから、決算上の利益は圧縮されている。しかし、今上期でリストラはほぼ一巡する模様であり、今期の実力ベースのEPSは、こうした特別損失を戻せば、前05.1期のほぼ倍に相当する180円程度となると考えられる。
 PERとしては信越化学工業の足元の約23倍が目処となると考えられ、妥当な株価水準は約4,000円程度となると想定する。

アウンコンサルティング(マザーズ 2459)

セクター:サービス業
アウンコンサルティング株式会社(マザーズ 2459)

高い初値がつく可能性があるが、事業の安定性には課題が残る
 IT関連事業であり、かつ公募2千株と売出し1千株の合計3千株が市中放出株数であり、比較的希少性が高いことの2点から、相当高い初値がつく可能性がある。今期の会社予想EPSは9千円だが、初値のPERは100倍を超える可能性は十分あり、当面の株価は100万円超で推移すると予想される。
 しかし、売上の主力であるインターネット広告の売上は、実質的にグーグル他2社に依存する度合いが極端に高く、収益構造が不安定であることと、売上高の成長率の割りに利益成長率の予想が低いことが、課題であり、数ヶ月〜年単位での株価推移を考える際には、安全サイドを見ておく必要があろう。

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