IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
株主優待制度の疑問 |
6月末に株主総会が終わった企業から、配当と共に送られてくる株主優待だが、基本的に株主優待制度に対しては、疑問を持っている。 もっとも、貰えるものはありがたく使うなり、食べるなりして楽しませて貰っており、折角送ってもらったものをわざわざ返送するほどのこだわりを持った反対意見ではない。投資家としては、疑問を持ちながらも頂戴するが、企業としては、制度を持つべきではない、というスタンスである。 以下に、管理人が常々株主優待に対して抱いている疑問について、披露させていただく。 1. 株主全員が優待を喜ぶわけではない 株主には、個人もいるが、金融機関やその他企業、法人や、機関投資家、外国人など、様々な個別の事情を持った主体がいる。株主優待制度は、基本的に個人投資家向けの優待制度であり、こうした色々な種類の株主全体にとってハッピーな制度とは言えない。 航空会社の割引航空券なら法人でも活用可能だが、例えば、鉄道会社の優待乗車券を外国人が貰った場合にはどうか? 資産運用として株に投資している宗教法人=お寺に、牛肉1kg送られてきても、困るだろう。 優待制度は、特定の層の株主だけが恩恵を被るケースが多く発生する点に、まず問題があると思う。万人が喜ぶ方式は、「カネ」であり、配当金に勝る株主還元方法は無いのではないだろうか? 2. 経理処理方法が釈然としない 配当にかかった費用の財務諸表上の処理方法は多くの方がご存知であろう。利益処分として処理される。 それでは、株主優待にかかった費用はどうするのか? 一般的な処理方法は、「交際費」扱いで処理される。つまり、営業費用の一部に含まれていることになる。しかし、株主への還元費用が営業費用というのは、論理的に釈然としない。それに、一部の株主にしか喜ばれない優待費用が営業活動なのか、という疑問もある。 本来は、利益処分の一部として処理するのが妥当だと思う。 3. 株主優待は、企業価値を低いパフォーマンスで流出させているのではないか 株主優待は、確かに貰うと嬉しいのだが、飲んで食べたら消えてなくなってしまう。そんなことに営業費用をかけるぐらいなら、営業要員を一人でも二人でも増やして、売上高を増やしてくれたほうが、企業価値の向上に繋がるのではないだろうか? 配当金なら、定期預金の低い金利で預けたとしても、一応受け取った資金を増加させることは不可能ではない。企業が内部留保して、新事業に資金投下する場合でも、同じだ。その資金を元にして、更に企業価値を増加させていく可能性がある。 しかし、優待の場合はどうか? 飲食物を保存しておいても、腐るだけである。新たな価値はそこからは生み出されない。その点で、優待制度は、企業価値の再拡大に対して、最も低いパフォーマンスしかあげられない方法だと考える。 >> 経営学にみるロング・ショートの有効性 |
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