IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
デジタルアイデンティティ(6533 東証マザーズ)IPO |
株価水準的に高い評価はできるものの、ストックオプションの行使価格には納得しかねる 足元の業績の伸びは高い。16.12期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約23倍となるが、成長性だけをみると、更に高い評価が可能と思われる。 但し、16年3月に付与されたストックオプションの行使価格が74円、今回の想定公募価格が1,540円となっており、相当の乖離がある。新規の株主を呼び込むに際して、こうした納得感の得られにくい会社の運営がされていることについて、相当なリスクがあると思われる。 連結データ(肩は対前期比(%)、14.12期は個別)
デジタルアイデンティティグループは、当社デジタルアイデンティティと連結子会社1社から構成され、リスティング広告を主とする運用型広告サービス、SEOコンサルティングサービス、クリエイティブサービスを中心とするデジタルマーケティング事業と、占いを主要カテゴリーとしたネイティブアプリの企画・制作・開発・運営を行うライフテクノロジー事業を行っている。 デジタルマーケティング事業では、消費行動の変化に伴い、リスティング広告、ソーシャルメディア、スマートフォン向けの広告、DSP/DMP、その他ディスプレイ広告、ネイティブ広告、動画広告、オウンドメディアとサービスラインナップを拡張し、クライアント企業のデジタルマーケティング施策に関するトータルソリューションを提供している。 ライフテクノロジー事業の主力サービスである「チャットで話せる占いアプリ ウラーラ」は、占い師とユーザー間のリアルタイムコミュニケーションによる占い鑑定を可能にしたオンラインチャット占いアプリ。文字数に応じて鑑定料が課金されるため、鑑定時間を気にせずユーザーのペースで相談することが可能。 16.6月における在籍占い師数は279名、サービス開始時からの鑑定実績は26万件超。 また、オンラインチャット占いアプリの開発で培った技術を基盤としたサービスツールの開発・提供も行っており、動画通話機能を実装した遠隔診療用チャットアプリシステムの受託開発を行っている。 |
■16.12期業績予想 デジタルマーケティング事業では、主力サービスである運用型広告の拡販に注力している。足元の売上高は前年同期を上回って推移していることから、今後も堅調も推移を見込み、売上高は対前期比+20.0%の増収の見通し。 ライフテクノロジー事業では、「ウラーラ」において新規ユーザー獲得のためのプロモーション施策を継続的に推進した結果、ユーザー数が堅調に推移している。更に、遠隔診療用チャットアプリシステムの受託開発における受注額の計上もあり、売上高は対前期比+46.4%の増収の見通し。 増収効果により、営業利益・経常利益はそれぞれ対前期比2倍強の増益の見通し。
ベンチャーキャピタルからの出資はあるものの、規模は大きくなくロックアップの対象にもなっている。 一方、ストックオプションの未行使残高もあり、こちらは規模も大きく大部分は上場後しばらくで行使可能になるとみられる。ストックオプションの行使状況には注意が必要と思われる。 なお、2016年に付与されたストックオプションの行使価格は74円と、今回想定されている公募価格と比較して極端に安く設定されている。算定時期は半年も変わっていいないことから、同一条件で算定されたものとは考えにくい。この辺りの算定プロセスの不透明さを踏まえると、今後も会社関係者以外の株式ホルダーにとってはリスク要因になると思われる。 A. 発行済み株式数 1,939,200株(単元100株、16.6に1:100株式分割後) B. 公募 130千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 230,500株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 54千株 D. ストックオプション等の残高総数 394,500株 E. うち潜在株式に算入する数 384,500株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,453,700株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 387,600株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者21名とベンチャーキャピタル2社、その他法人1社に対して180日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 14年10月 384,500株 65円 16年10月〜24年10月 16年3月 10,000株 74円 18年3月〜26年3月 目論見書でのデジタルアイデンティティの想定発行価格は1,540円で、この価格に基づく公募によるデジタルアイデンティティの手取り概算額は約174百万円とされている。 資金使途は、デジタルマーケティング事業での案件獲得力強化のための人材採用に約106百万円、ライフテクノロジー事業における主力サービスである「チャットで話せる占いアプリ ウラーラ」のユーザー獲得のための広告宣伝費に68百万円を充当する予定。
デジタルアイデンティティのウエブサイトには8月12日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていないな。ニュースリリースには上場承認の件すら掲載されておらず、会社の開示姿勢には疑問を感じる。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||