6190フェニックスバイオIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
| IPO初値分析・株式投資  | What's New  | LINKs  | SITE MAP  |

フェニックスバイオ(6190 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

ユニークなビジネスモデルであり高い評価対象となるが、既に十分に織り込み済み
 創薬関連ビジネスだが、担当しているのは前臨床段階での受託サービスであり、最終的な商品化リスクを負わない。その分最終的なリターンは一般的な創薬ベンチャーと比較すると抑えられたものになるとみられるが、足元の業績の伸びは今のところ高い。

 16.3期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約55倍となる。まだ法人税納税額が税前利益規模と相関していない事業ステージであり、この分を補正するとPERは更に高いとみられる。

 ビジネスモデルとしてはユニークで高い評価対象になるとみられるが、想定されている公募価格にはそうした要素は既に十分に織り込まれているものとみられる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 14/3 15/3 15/12 16/3予
売上高(百万円)
11,52
-23%
881

800
34.4%
1,184
営業利益(百万円)
57
-12%
50

89
202%
151
経常利益(百万円)
51
23.0%
63

85
155%
160
当期利益(百万円)
128
-55%
57

71
138%
135
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,319
900
1,370
1,057
1,595
1,129
--
--
株主資本比率(%) 68.3% 77.1% 70.8% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
3.9%
14.3%
4.6%
5.4%
5.3%
6.3%
--
--
発行済株式数 3,111 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
41.2
289
18.2
340
22.9
363
43.4
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
PXBマウスを用いた受託試験サービス
 フェニックスバイオグループは、当社フェニックスバイオと連結子会社2社から構成され、PXBマウス(ヒト肝細胞を持つキメラマウス)を用いた医薬品開発の受託試験サービスを主たる業務としている。

 フェニックスバイオは、マウスの肝臓の90%以上がヒトの肝細胞に置き換えられたPXBマウスを作製する技術を持ち、これを用いて医薬品開発にあける創薬過程のうち、主に前臨床過程において様々なサービスを展開している。

 PXBマウスは、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど、ヒトの肝細胞にしか感染しないウイルスを研究するツールとなることも実証されており、抗ウイルス薬の開発にも利用されている。

 PXBマウスを用いた主なサービスは以下の通り。
■DMPK/Tox試験/ 薬物動態関連試験、安全性試験
■肝炎試験/ 薬効評価
■PXB-cellsの販売/ PXBマウスから得られる新鮮ヒト肝細胞

情報開示の状況
開示なし
 フェニックスバイオのウエブサイトには、2月20日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。
収支の状況
16.3期は売上伸長に伴い大幅な増益の見通し
■16.3期業績予想
 当期には、DMPK/Tox関連・その他売上では、国内市場でジェネリック薬の安全性評価に関する大型案件が収束したために減少した一方、海外市場において新鮮肝細胞の大型案件を受注している。

 また、肝炎売上では、海外製薬企業の抗B型肝炎薬受託試験の売上が伸長している。

 以上を織り込み、当期の売上高は、対前期比+33.4%の増収となる見通し。

 フェニックスバイオでは、PXBマウスの生産に係る費用とPXBマウスを用いた受託試験サービスに係る費用を売上原価としており、PXBマウスの生産委託を当期から本格化したことで、売上原価は対前期比+40.9%の増加を見込むものの、増収効果により、営業利益で対前期+約200%、経常利益で同+約150%水準の増益となる見通し。

株式の状況
ストックオプション自体の量は多くなく、VC出資はロックアップ対象だが、合算すると影響大
 ベンチャーキャピタルからの出資があるものの、全数がロックアップの対象になっている。ストックオプションの未行使残高があり、こちらは上場直後から全数が行使可能になるとみられる。ストックオプションの未行使残高だけをみると発行済株式数に対するウエイトは1割以下だが、ロックアップ解除後のVC保有株式と合算してみた場合には、流動性リスクの高い双方の株式ウエイトは2割近くになり、注意が必要とみられる。

A. 発行済み株式数 2,526,800株(単元100株、15.8に1:10株式分割後)
B. 公募 300千株、増資によるオーバーアロットメント 61,500株
C. 売出し 110千株(売出し元は法人100千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 222,500株
 E. うち潜在株式に算入する数 222,500株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 3,110,800株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 399,600株
既存株主へのロックアップ情報:法人、会社関係者多数に対して180日間。ベンチャーキャピタル7組合に対して180日間、但し発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
13年6月 97,000株 2,000円 15年6月〜20年6月
13年6月 37,500株 2,000円 15年6月〜20年6月
13年6月 88,000株 2,000円 15年6月〜20年6月

目論見書でのフェニックスバイオの想定発行価格は2,400円で、この価格に基づく公募によるフェニックスバイオの手取り概算額は約653百万円とされている。

 別途予定されている第三者割当増資の手取り概算額上限約135百万円と合わせた資金使途は、海外での売上増加を図るための資金、設備資金、社内体制評価に係る人員確保資金に充当する予定。

 具体的には、米国子会社の営業拡大(増員、事務所移転)のための資金に87百万円、PXBマウスを用いた実験用途の発展を目的として活動する米国コンソーシアム運営のための出資資金に87百万円、PXBマウスを用いた米国コンソーシアムでのプロモーション費用に276百万円、PXBマウス事業の拡大、社内体制の整備強化に係る人員確保資金に155百万円、受託試験サービスのための実験機器類の購入資金・既存設備の更新資金に160百万円。



IPOを申し込む時に便利な銀行・証券会社はどこか?管理人が解説します > 「IPOのための証券会社・銀行選び」

 | 2016年IPO一覧(既上場)  | IPO初値分析・株式投資 |
本資料における個別銘柄に関する注意事項
 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
その他の重要な注意事項
本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。
本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送