6188富士ソフトサービスビューロIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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富士ソフトサービスビューロ(6188 JASDAQスタンダード)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

せめて配当は積み増してほしいところ
 事務等の作業受託事業であり、受注・失注のバランスにより増益・減益の方向感が決まる印象がある。事業内容が異なるとはいえ、富士ソフトとの親子上場になる点も、評価しにくいポイントとなる。

 16.3期業績予想のEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約15倍となる。上記のネガティブポイントに対しては、配当でカバーしてもらいたいところだが、配当性向も特段高くなく、総合的には想定されている公募価格水準以上に評価することは難しいとみられる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 14/3 15/3 15/12 16/3予
売上高(百万円)
7,212
6.7%
7,692

5,753
1.3%
7,790
営業利益(百万円)
218
-24.7%
164

173
52.4%
250
経常利益(百万円)
228
-24.2%
173

175
45.3%
251
当期利益(百万円)
94
0.0%
94

113
52.5%
143
総資産(百万円)
純資産(百万円)
2,360
1,137
2,722
1,189
2,835
1,254
--
--
株主資本比率(%) 48.2% 43.7% 44.2% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
9.7%
8.3%
6.3%
7.9%
6.2%
9.0%
--
--
発行済株式数 2,355.6 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
39.8
483
39.8
505
47.9
532
60.7
--
配当(円/株) 24.7 25.1 -- 20

事業概要
コールセンター及び事務センター等のBPO事業
 富士ソフトサービスビューロは、民間企業や官公庁に対して、運用業務や業務処理の受託などを行うBPO事業を営む単一セグメントの会社であり、サービスをコールセンターサービス ・コールセンターの構築・運営、BPOサービス 、その他サービスの3つに区分している。

 コールセンターサービスは、主に顧客が設置しているお客様相談窓口などの電話受信業務(インバウンド)を富士ソフトサービスビューロが受託して、自社センターあるいは顧客内の設備を使用して、顧客のお客様からの問い合わせを顧客に代わって、富士ソフトサービスビューロの専任のオペレーターが受信するサービス。

 また、蓄積された問い合わせ履歴、苦情の内容などのお客様データを分析し、顧客のお客様満足度向上及びサービス向上を図る提案を行っている。

具体的には業務は以下の通り。
■年金相談窓口: 年金に関するお問い合わせコールセンター業務、年金に関連する印刷物の封入・封緘、発送、不備解消業務等。
■ITヘルプデスク(テクニカルサポート): IT関連の各種設定やトラブル等を解決するため、ヘルプデスクによる不備解消業務。
■受注センター: 電子商取引サイト、通信販売などの受注問い合わせから最終工程の出荷、配送までをトータルでサポート。
■緊急対応コールセンター: 製品、商品の欠陥や不具合、リコール対応のための緊急対応コールセンターを立ち上げ、受信などオペレーション対応を行う。

 BPOサービスは、主に顧客が設置している事務センターなどで行う業務を富士ソフトサービスビューロが受託して、自社センターにおいて、顧客に代わって業務処理を行うサービス。富士ソフトサービスビューロは、顧客が当社のサービスを導入するまでの主なプロセスとして、顧客の業務分析、改善提案、業務体制の構築及び業務開始準備を行う。

 クレジットカード会社、生損保会社等の顧客の事務センターで行われている業務や、官公庁、自治体からの各種資料のデータ入力、一般企業からの契約書・図面等の重要書類のスキャニングによる電子化などの業務委託を受け、自社センターを中心にサービスの提供を行っている。

 また、オフィス・サポートサービスとして顧客のさまざまなニーズに最大限対応できるよう、顧客内の事務センター等において業務受託、人材派遣、チーム派遣、人材紹介、紹介予定派遣のサービスを提供している。

 その他のサービスでは、コールセンターサービス、BPOサービスとの関わりのある周辺サービスとして、ICTを活かしたウェブコンテンツ/システム・サポートサービスを提供している。

 ウェブコンテンツサービスは、コーポレートサイト・電子商取引サイト等のWebサイト構築サービスについて、プランニングからデザイン、システム開発まで一貫したサービスを提供している。システム・サポートサービスは、Web系・オープン系システムの新規開発、基幹システム等の保守運用、社内ネットワークシステムの構築・運用支援等のサービスを提供している。
収支の状況
16.3期は売上高は微増だが、原価低減により営業・経常利益は大幅な増益の見通し
■16.3期業績予想
 コールセンターサービスでは、民間向け継続案件で既存の大型案件の契約終了を織り込み、対前期比マイナス2.8%の減収となる見通し。

 BPOサービスでは、民間向けでのBPO業務や顧客内センターでの受託業務、人材派遣業務について、順調に受注したことや、官公庁向けでもマイナンバー業務や臨時福祉給付金などの入札案件で、事務代行のBPO業務や人材派遣を受注したことにより、対前期比+6.5%の増収の見通し。

 その他サービスでは、継続顧客のシステム開発サービス案件について、顧客のシステム開発の内製化の方針によって期中に業務終了となったこと等により、売上高は対前期比マイナス6.1%の減収となる見通し。

 以上の結果、全体の売上高は対前期比+1.3%の増収となる見通し。

 売上原価では、コールセンターサービスについて、各コンタクトセンターへの効率的な案件の配分を図ることで稼働率の向上による原価低減を織り込み、対前期比で減少する見通しであり、営業利益・経常利益では、それぞれ対前期比+51.9%、+45.7%の増益の見通し。

株式の状況
VC出資とストックオプションは無く、親会社のメジャー状態が今後も継続
 ベンチャーキャピタルからの出資は無く、ストックオプションの未行使残高も無い。公募前の時点で発行済株式数の90%以上のシェアを親会社が保有している状態であり、上場後も株主の基本構造は変わらないことになる。

A. 発行済み株式数 1,898千株(単元100株、16.1に1:1,000株式分割後)
B. 公募 352千株、増資によるオーバーアロットメント 105,600株
C. 売出し 352千株(売出し元は親会社)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,355,600株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者6名と親会社、その他法人1社に対して90日間。

 目論見書での富士ソフトサービスビューロの想定発行価格は890円で、この価格に基づく公募による富士ソフトサービスビューロの手取り概算額は約280百万円とされている。

 資金使途は、幕張コンタクトセンターの設備投資に115百万円、受託業務の増加に対応するため福島県会津若松市に開設する会津BPO第2センターの設備投資に20百万円、天王台コンタクトセンターのコールセンター用端末機器(パソコン、通信機器等)の更新費用に22百万円、受託業務の増加に対応するためコールセンター用CRMシステム構築用のサーバ等の機器費用に30百万円、業務効率化のための勤怠システムの導入費用に15百万円、販売管理システムの機能強化費用に10百万円、残額は、コールセンターサービスで発生するコールセンター通信機器等の設備更新及びBPOサービスで発生するデータエントリー設備等の更新に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 富士ソフトサービスビューロのウエブサイトには、2月13日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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