IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アカツキ(3932 東証マザーズ)IPO |
既に成長性は大きく織込み済 前15.3期は大幅な増収の一方で利益の増加幅は小幅にとどまった。16.3期は売上高の伸びは大きくないがコスト削減等により大幅な増益となる見通しとなっている。業態的には売上高が大きく伸びることで利益の伸びを牽引するイメージが強いが、そうした力強さは見られない。 16.3期業績予想のEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約47倍となる。業態的には更に伸びるイメージはあるが、足元の状況はやや趣きを違えており、現時点で想定されている公募価格以上に評価することは難しいとみられる。 連結データ(肩は対前期比(%))
アカツキグループは、当社アカツキと連結子会社1社、非連結子会社2社、持分法適用関連会社1社から構成され、国内SNS運営事業者が提供するプラットフォームや、Apple Inc.、Google Inc.などのプラットフォーム運営事業者が運営するアプリマーケットにおいて、ソーシャルゲームを提供するソーシャルゲーム事業を行っている。 ソーシャルゲームの開発においては、オリジナルタイトルの作成だけでなく、アニメや漫画等のユーザー認知度の高いキャラクター等のIP(Intellectual Property:著作権等の知的財産権)を有する他社との協業により、IPを利用したソーシャルゲームの制作を行っている。 オリジナルタイトルでは、企画、開発、運用及びマーケティングまでのソーシャルゲームを提供する一連の過程を自社で実施している。現在、アカツキグループの主要なタイトルである「サウザンドメモリーズ」を含め、オリジナルタイトルは合計5タイトルをユーザーへ提供している。 他社IP利用タイトルでは、IPを利用して他社との協業によりユーザーへソーシャルゲームを提供し、その収益についてはIP使用会社からアカツキグループへ配分されている。現在提供している他社IP利用タイトルは合計2タイトルとなっている。 |
■16.3期業績予想 16.3期末時点の運営タイトル数は対前期末比+1タイトルの7タイトルを見込み、オリジナルタイトル及びIPタイトルを含む上位3タイトルが全体の売上高の87.6%となる見通し。 上位3タイトルの売上高については、一日においてサービスを利用したユーザー数や課金ユーザー一人あたりの平均売上高を実績から保守的に想定した結果、全体の売上高は対前期比+16.0%の増収の見通し。 運用タイトル数の増加に伴い人員数が増加していることによる人件費の増加を織り込む一方、効果的・効率的なマーケティング施策により広告宣伝費の大幅減を見込み、営業利益・経常利益では、それぞれ対前期比+169%、+124%増の増益となる見通し。
ベンチャーキャピタルからの出資があり、ロックアップの対象になっていないものの、ボリュームは大きいものではない。一方、ストックオプションの未行使残高が一定量あり、一部は行使可能期間に当面入らないものの、残りの既に行使期間内に入っているものについては、行使価格が極端に安く設定されており、即行使されるリスクがある。 A. 発行済み株式数 11,272,600株(単元100株、15.10に1:100株式分割後) B. 公募 2,200千株、増資によるオーバーアロットメント 495千株 C. 売出し 1,100千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 1,064,200株 E. うち潜在株式に算入する数 872,500株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 14,841千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 511,500株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者7名と法人2社に対して90日間。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 14年3月 536,000株 10円 16年4月〜24年3月 14年3月 335,000株 1円 16年4月〜24年3月 15年1月 1,500株 1円 16年4月〜24年3月 15年1月 105,000株 1,100円 17年1月〜25年1月 15年10月 22,200株 1,250円 17年10月〜25年10月 15年10月 64,500株 1,250円 17年10月〜25年10月 目論見書でのアカツキの想定発行価格は1,930円で、この価格に基づく公募によるアカツキの手取り概算額は約3,888百万円とされている。 別途予定されている第三者割当増資による手取り概算額上限約878百万円と合わせた資金使途は、ソーシャルゲーム事業の開発・運用に係る人件費やサーバー構築費用等の資金に3,767百万円、ウエブ広告や動画広告など各種広告宣伝費に385百万円、国内で実績のあるタイトルを海外展開するための運用資金に456百万円を充当する予定。
アカツキのウエブサイトには、2月17日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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