6464ツバキ・ナカシマIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ツバキ・ナカシマ(6464 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械

前回申請と比較すると大幅に売出し条件が改善
 2012年に上場申請を一旦行ったものの、その後諸事情により上場中止していた案件の再上場申請となる。前回申請時以降の業績は順調に推移している。

 15.12期業績予想でのPESに基づく、想定されている売出価格のPERは約13倍となる。前回申請と比較すると、今回は適切なディスカウントが織り込まれているとみられる水準まで、相当改善された内容となっていると評価する。

[参考: 前回申請時評価(2012年)]
 足元の業績そのものは、安定的に推移している。13.3期の想定EPSを過去実績と第一四半期の実績から40-60円と想定した場合、想定されている売出し価格のPERは30-40倍となる。ストックオプションを行使するには確かにこの価格水準が必要だが、株式の評価としては、難しい面がある。

 加えて当面はロックアップの対象とはなっているが、筆頭株式の売却リスクがある点、過去に一旦上場していながらMEBOを行い、非上場化した経緯がある点を考慮すると、なかなか高い評価はしにくい銘柄となっている。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 13/12 14/12 15/9 15/12予
売上高(百万円)
30,248
19.2%
36,049

29,767
8.2%
39,000
営業利益(百万円)
5,395
-3.3%
5,218

5,694
34.2%
7,000
当期利益(百万円)
3,654
5.2%
3,843

3,812
19.7%
4,600
総資産(百万円)
純資産(百万円)
93,465
42,593
91,917
41,156
94,251
44,220
--
--
株主資本比率(%) 45.6% 44.8% 46.9% --
ROE(%、当期利益) 8.6% 9.3% 8.6% --
発行済株式数 41,100 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
89
1,036
94
1,001
93
1,076
112
--
配当(円/株) -- 179 -- 33

事業概要
玉軸受用鋼球、セラミック球、超硬合金球、ガラスボール、プラスチック球、カーボン鋼球、ボールねじ、ボールウェイ、遠心送風機等の製造販売

[経緯]
ツバキ・ナカシマ(実質上の存続会社)は、野村プリンシパル・ファイナンスを中核的安定株主とし、MEBOを選択。その際、形式上の存続会社である旧TNNインベストメントは、SPC(特別目的会社)として設立され、旧ツバキ・ナカシマを完全子会社とする株式交換を行った後、同社を吸収合併。

 ツバキ・ナカシマグループは当社ツバキ・ナカシマと連結子会社14社から構成されており、主な事業として、精密球(鋼球事業)、ボールねじ(精機事業)、送風機(送風機事業)の製造販売を、日本・米国・ポーランド・中国・インド・台湾等で行っている。

 鋼球事業では、様々な材質・サイズの2万種類を超える高品質精密球を製造販売している。精密球は、主に重要な構成要素としてボールベアリングに使用され、最終製品としては自動車や工作機械となっている。更に、ボールペンのペン先ボールや光通信用のガラスボールのような非ベアリング用途も製造販売している。

 精機事業は、主に工作機械の精度を左右する部品として、NC旋盤やマシニングセンタ(MC)に使用されるボールネジ(直動軸受案内)を製造販売している。

 送風機事業では、中・大型送風機の製造販売、賃貸事業他では、不動産の賃貸等を行っている。
収支の状況
15.12期は前期一時的費用の反動により営業利益は大幅増益
■15.12期業績予想
 ボールビジネスでは、海外大手ベアリングメーカーへの販売強化や中国事業の域外輸出や日系メーカー向け需要が堅調で経済減速の影響が軽微なこと、セラミック球がスマートフォン向け工作機械用途の販売が原則した後も、その他工作機械、産業用モーター、空調機器向けなどの用途が徐々に拡大し堅調に推移していることを織り込み、売上高は対前期比+8.6%の増収の見通し。

 リニアビジネス(精機事業と大型送風機事業)では、工作機セクターでの減速が明確になり受注が低下していものの、年度後半には次年度のスマートフォン生産需要に合わせた工作機需要に回復の兆しが出ていることから、前期を上回る収益になることを織り込んでいる。

 大型送風機事業は、発電所や製鉄所の稼働に必要な装置としてマクロ経済の動向には影響を受けない安定的な推移をすると想定し、同ビジネスの売上高は対前期比+6.2%の増収の見通し。

 費用面では前期に独占禁止法関連費用として一時的な支出があったことの反動等があったことにより、対前期比+34.1%の増益の見通し。一時的な要因を除いた営業利益の対前期比は+6.7%となる。

株式の状況
ロックアップ経過後の筆頭株主の持ち株には注意が必要
 株式は再上場となり、公募は計画されていない。筆頭株主で約90%を保有する投資会社がロックアップの対象となっているため、当面の株式需給はタイトになることが予想されるものの、最終的には、この投資会社の持ち株は全数が売却されることが当然の前提であり、ロックアップ期間が経過した後には、他の株主にとっては重要なポイントとなる。

 ストックオプションには付与時に5年間の行使制限が付されている。初期2回分は、前回の上場申請時には有効に機能していたが、その後3年が経過したことにより、今回上場時には80%が行使可能となる。3,4回目では40%、5,6回目は20%が上場時に行使可能となる。

A. 発行済み株式数 39,221,300株(単元100株、12.6に1:100株式分割後)
B. 公募 0株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 19,264,700株(売出し元はベンチャーキャピタル8,507,600株、残は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 3,002,500株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,878,800株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 41,100,100株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 37,750,500株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者16名とベンチャーキャピタル1組合に対して180日間。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間(全て5年間の行使制限付)
11年6月 1,136,400株 1,026円 13年8月〜21年6月
11年6月 1,003,600株 1,026円 13年8月〜21年6月
12年6月  84,000株 1,026円 15年10月〜23年8月
12年6月 262,000株 1,026円15年10月〜23年8月
14年8月 90,500株 1,163円 16年10月〜12年8月
14年8月 51,500株 1,163円 16年10月〜12年8月
14年10月 185,000株 1,163円 16年10月〜12年8月
14年10月 51,500株 1,163円 16年10月〜12年8月
14年11月 35,000株 1,163円 16年11月〜12年10月
14年11月 103,000株 1,163円 16年11月〜12年10月

 目論見書でのツバキ・ナカシマの想定売り出し価格は1,500円(前回申請時1,640円)とされている。

情報開示の状況
開示あり
 ツバキ・ナカシマはMEBOを行う2007年まで上場していたこともあり、同社のウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。


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