IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ベルシステム24ホールディングス(6183 東証)IPO |
大口の契約単価改定などあり、当面は厳しい状況か 電話等によるコールセンター業務が中心であり、現状では業界・業態として拡大は見込みにくい。更に足元では、大口からの受注単価の改定により減収が見込まれている。 16.2期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約16倍となる。上記環境を踏まえると、現時点でこの水準以上に評価することは難しいとみられる。 連結データ(肩は対前期比(%))
ベルシステム24ホールディングスグループは、ベルシステム二四を前身としている。東京証券取引所一部上場していたが、より機動的な経営判断に基づくグループ戦略の展開を図るため、2005年に上場を廃止した。 ベルシステム24ホールディングスグループは、持ち株会社である当社ベルシステム24ホールディングスと子会社5社から構成されており、情報サービス、特にコールセンター業務を中心とするCRM(Customer Relationship Management)事業を主たる事業としている。その他の事業として、医薬品開発受託機関事業(CRO)と治験施設支援機関事業(SMO)を行っている。 CRM事業では、電話を主なコミュニケーションチャネルとする従来型のインバウンド・アウトバウンドコールの業務に加えて、WEBやソーシャルメディア等のIT技術を駆使した様々なサービスを、クライアントに提供している。具体的には、以下の通り。 ・クライアント企業の商品・サービスに関する質問に対応する業務 ・クライアント企業の商品・サービスの販促をサポートする業務 ・クライアント企業のIT製品の操作方法等に関する質問に対応する業務 ・クライアント企業のWEB制作、データ入力作業等を請け負う業務 ベルシステム24ホールディングスグループが保有する自社コンタクトセンターは、2015年9月末時点で、国内に25ヶ所、約13千席。 CRO事業では、製薬会社による医薬品の開発プロセスにおいて必要となる臨床試験(治験)支援業務を製薬会社から受託し、医薬品開発を支援する医療サービス支援業務として、モニタリング業務、データマネジメント業務、統計解析等を行っている。 SMO事業では、治験実施施設である医療機関と契約し、医療機関における治験に係る煩雑な業務を受託・代行することによって、治験に係る医師や看護師、事務局の負担を異原子、治験の品質確保やスピード向上を支援している。 |
■16.2期業績予想 ベルシステム24の子会社であったBBコールがクライアント企業との間で締結していた大口契約における受注単価等の条件が改定されたことにより、当該業務の売上収益の減少額が前期比でマイナス45.7%、利益面についても相応の減益となることから、減収減益となる見込みとなっている。 この結果、当期の売上収益は対前期比マイナス7.8%の減収となり、営業利益と当期利益では共に、対前期比で約半減の減益となる見通し。
ストックオプションの未行使残高があり、大部分は上場後即行使可能となる見通し。ただ、ボリュームは大きいものではない。一方、ベンチャーキャピタルからの出資が多くあり、当面はロックアップの対象となっているものの、長期的には大きな売却リスクが見込まれる。 A. 発行済み株式数 70,000千株(単元100株、15.9に7:1株式併合後) B. 公募 3,102,900株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 29,400千株(売出し元はベンチャーキャピタル24,500千株、残は商社)、既発株のオーバーアロットメント 4,875,400株 D. ストックオプション等の残高総数 1,572,521株 E. うち潜在株式に算入する数 約1,571千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 約74,674千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 35,070千株 既存株主へのロックアップ情報:ベンチャーキャピタル1社と商社1社、会社関係者10名に対して180日間。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 15年5月 1,520株 14,000円 15年5月〜25年5月 15年5月 1,571,001株 700円 15年5月〜25年5月 目論見書でのベルシステム24ホールディングスの想定発行価格は1,720円で、この価格に基づく公募によるベルシステム24ホールディングスの手取り概算額は約5,003百万円とされている。 資金使途は、既存クライアント層の拡大と新規クライアント層の拡充に対応するためのコンタクトセンターの増床、及び音声データセンター設備に係る設備資金に2,088百万円、サービス品質の維持・向上を目的とした既存設備の維持・リニューアルに係る設備資金に911百万円、業務効率向上を目的としたオペレーション管理ソフトウエアの新規開発に985百万円、人事系及びセキュリティに関する既存ソフトウエア維持回収に721百万円を充当する予定。
ベルシステム24ホールディングスのウエブサイトには、10月27日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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