IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
リッチメディア(6170 東証マザーズ)IPO |
成長性は相当程度に想定公募価格に織り込み済みとみられる ネット関連ビジネスで15.6期業績予想は高い伸びとなっているものの、16.6期の対前期比伸び率は低い想定になっており、外面的に受ける印象ほどの成長性はみられない。 16.6期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約36倍となる。相当程度の成長性を織り込んだ価格設定になっているものとみられ、これ以上に評価することにはリスクがあると思われる。 連結データ(肩は対前期比(%))
リッチメディアグループは、当社リッチメディアと連結子会社2社から構成されており、ヘルスケア領域、ビューティー・サロン領域、その他の分類で、インターネットメディア・マーケティング事業を展開している。各サービスを通じて、ユーザーの検索・アクセス履歴・属性・行動変容などをオーディエンスデータとして蓄積したインターネットメディアを構築し、それを基に顧客ニーズに合致した広告サービスを提供している。 ヘルスケア領域では、美容情報サイト「スキンケア大学」の運営と、化粧品会社を主な顧客としたインターネット広告サイトの制作・運用を行う受託サービスを行っている。15.5月末時点の月間PV数3,750万PV、月間UU数818万UU。 ヘルスケア領域の収益モデルは、主に化粧品メーカーや製薬会社・クリニック等の法人向けインターネット広告サービスの提供であり、企業ブランド及び商品イメージの向上・伝達を目的としたタイアップ広告・バナー広告等を提供している。 ビューティー・サロン領域では、主にサロン予約サイト「Kamimado」及びヘアスタイルスナップSNS「HAIR」の運営を行っている。 「Kamimado」は、ユーザーが地域・沿線等の検索から美容室への予約を行うためのシステムをサロン・ユーザーへ提供することで収益を獲得しており、15年5月末時点の掲載数は9,000店舗以上。 その他の事業としては、主に在外子会社にて、現地で運営する美容情報サイトから収集したオーディエンスデータを基に、インドネシアへの進出を検討する企業及び現地企業へのマーケティングサービスの提供を行うと共に、日本企業向けに現地化支援サービスを行っている。 |
■15.6期業績予想 足元のインターネット広告市場は、前年比112.1%と、スマートフォン市場の成長を筆頭に新しいテクノロジーを活用した広告配信の浸透が下支えし、前年を上回る伸び率で拡大している。こうした状況の下、ヘルスケア領域では、対前期比+13.3%の増収、ビューティー・サロン領域では同+47.1%の増収を見込み、全体の売上高は同+19.8%の増収の見通し。 販売費・一般管理費の伸びが対前期比+10.7%の伸びに留まる想定により、営業利益・経常利益では、共にほぼ倍増前後の増益となる見通し。
ベンチャーキャピタルからの出資があり、一部はロックアップ対象となっている。ストックオプションの未行使残高があり、こちらも一部は上場直後から行使可能になるとみられる。 VC売却可能株式数と、上場直後から行使可能になるストックオプションの合計ボリュームは無視できない規模であり、注意が必要となる。 A. 発行済み株式数 1,494,900株(単元100株、15.4に1:100株式分割後) B. 公募 50,000株、増資によるオーバーアロットメント 18,000株 C. 売出し 71,200株(売出し元は会社関係者30千株、残はベンチャーキャピタル等)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 187,000株 E. うち潜在株式に算入する数 77,000株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,639,900株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 262,100株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者2名とベンチャーキャピタル2組合に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は1,131,300株 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 11年9月 54,000株 1,200円 14年7月〜22年6月 12年9月 23,000株 1,200円 14年10月〜22年9月 14年9月 90,000株 1,500円 16年10月〜24年9月 15年4月 20,000株 1,500円 17年4月〜25年4月 目論見書でのリッチメディアの想定発行価格は2,380円で、この価格に基づく公募によるリッチメディアの手取り概算額は約99百万円とされている。 資金使途は、ヘルスケア領域における既存サービスのPV数、UU数増加のためのコンテンツ拡充の外注費に充当する予定。
リッチメディアのウエブサイトには、7月8日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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