IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
PCIホールディングス(3918 東証マザーズ)IPO |
足元の業績を踏まえると、一定の安心感のある価格設定か 情報通信業に分類されているが、事業内容としては、自動車産業・金融の業績動向に影響を受けやすい構造になっている。 足元の業績は、顧客業界の好況を背景として好調に推移している。15.9期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約16倍となる。一般的なディスカウントが考慮されている印象を受ける。新規上場銘柄としては、配当性向が比較的高い点も評価ポイントとなる。 連結データ(肩は対前期比(%))
PCIホールディングスグループは当社PCIホールディングスと子会社3社から構成され、ソフトウエア開発、自社ソリューションの開発・保守、IT技術者の派遣等の情報サービス事業を行っている。 PCIホールディングスグループの事業は、テクニカルソリューション事業、ビジネスソリューション事業、IoT/IoEソリューション事業に3区分される。 テクニカルソリューション事業では、顧客企業におけるシステム開発プロジェクトにおいて、ソフトウエア開発業務を行っている。対象分野は、エンベデッドシステム分野とビジネスシステム分野に大別される。 エンベデッドシステム分野では、自動車、重機、建機等に必要不可欠な制御ソフトウエアの開発、移動体通信等の通信インフラとなる電気通信分野向け装置の開発、及びその他情報家電機器、各種産業機器や半導体製造装置等の制御ソフトウエア開発を行っている。 自動車、重機、建機関連では、駆動系・ボディ系等の各種ECU、車載情報端末、CAN通信、衛星通信モジュール制御プロセス等に組み込まれるソフトウエア開発を、通信インフラ系システムでは、通信機器・伝送装置開発として、組込みOSやネットワーク監視制御開発、ミドルウエア開発やアプリケーション開発を行っている。 ビジネスシステム分野では、金融・製造・流通・その他企業向けの一般情報系ソフトウエア開発及び交通・放送等の社会インフラ系ソフトウエア開発を行っている。 一般情報系ソフトウエア開発では、銀行・証券・生損保・クレジット・信販会社等に基幹業務系ソフトウエア開発や各種一般業務系ソフトウエア開発を、航空会社・鉄道会社・放送局等に業務系ソフトウエア開発を行っている。 ビジネスソリューション事業では、オープンソースソフトウエアをコアとした顧客の要求に基づくITシステムの構築、PCIホールディングスにて独自に企画・開発したパッケージソフトウエア製品を活用したソリューションの提供、システムの運用・保守、その他ハードウエアの仕入れ販売等により、顧客企業の事業拡大、業務効率化、生産性向上等の課題解決を行っている。 パッケージソフトウエア製品に関しては、主としてカルチャースクールやオープンカレッジにおけるカウンター業務全般をカバーしたクラウド型業務パッケージソフトウエア製品の販売、必要に応じて導入支援サービスや追加機能の開発、保守サービスを提供している。 ハードウエアの仕入れ販売では、主として流通・サービス業の店舗で利用されるPOSシステムの取扱いを行っている。 IoT/IoEソリューション事業では、自動車業界向けソリューションとして自動車販売店向けに、認定中古車検索サイトと販売店向け在庫情報システムとが連動したシステム、試乗車予約システム、タブレット端末でオリジナル提案資料の作成を可能とするシステムや、タッチパネルによる検索システム等を開発している。 エネルギー業界向けソリューションでは、主に太陽光等の再生可能エネルギー発電施設における発電状況モニタリングのための遠隔監視システムの開発を行っている。加えて、それに付随する再生可能エネルギー発電施設の運用・維持管理支援サービスを提供している。 |
■15.9期業績予想 テクニカルソリューション事業では、車載情報関連組込み系ソフトウエア開発の受注増加や、金融機関向け開発案件が好調なことにより、売上高は対前期比+7.1%の増収の見通し。 ビジネスソリューション事業では、第二四半期までの実績に下期に計画していた既存顧客における案件が前倒し受注になっていることを踏まえ、売上高は対前期比マイナス10.7%の減収となる見通し。 IoT/IoEソリューション事業では、再生可能エネルギー関連分野での新規の遠隔監視サービスの受注等を織り込み、対前期比+133.0%の増収の見通し。 以上から、全体の売上高は対前期比+8.6%の増収となる見通し。増収に伴い、営業利益・経常利益は増益の見込みだが、税務上の繰越欠損金の解消に伴う法人税調整額等の計上に伴い、当期利益では大幅な減益となる見通し。
ベンチャーキャピタルからの出資があるが、一部はロックアップ対象となっている。ストックオプションの未行使残高もあり、こちらは上場直後から行使可能になるとみられる。 A. 発行済み株式数 1,365,900株(単元100株、15.3に1:100株式分割後) B. 公募 200,000株、増資によるオーバーアロットメント 54,000株 C. 売出し 160,000株(売出し元は会社関係者35千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 106,500株 E. うち潜在株式に算入する数 106,500株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,726,400株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 206,500株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者や法人等多数に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年7月 30,000株 500円 07年1月〜15年12月 10年3月 76,500株 940円 12年3月〜18年12月 目論見書でのPCIホールディングスの想定発行価格は2,530円で、この価格に基づく公募によるPCIホールディングスの手取り概算額は約455百万円とされている。 別途予定されている第三者割当増資の手取り概算額上限約125百万円と合わせた資金使途は、関係会社投融資資金と借入金の返済に充当する予定。 関係会社投融資資金の内訳は、人的リソース確保に向けた採用活動強化のための融資に30百万円、ビジネスパートナー企業との関係強化のための融資に80百万円、研究開発のための融資に140百万円。
PCIホールディングスのウエブサイトには、7月4日時点で投資家向け情報開示のページは準備中となっており、掲載コンテンツは無い状態。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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