6166中村超硬IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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中村超硬(6166 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械
中村超硬(6166 東証マザーズ)

一見割安だが、法人税を考慮すると妥当な価格水準
 電子材料関連のメーカーだが、直近の決算で2期連続で経常損失を計上している等、業績の安定性には欠ける面がみられる。

16.3期業績予想のEPSに法人税の修正を行ったEPSを約150円と想定すると、想定されている公募価格のPERは約10倍となる。上記の業績リスクを踏まえると、妥当な法人税課税の下では、妥当な価格水準になっているものとみられる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 14/3 14/12 15/3 16/3予
売上高(百万円)
3,617

3,631
41.6%
5,123
30.3%
6,674
営業利益(百万円)
-373

596

819
17.7%
964
経常利益(百万円)
-415

708

926
9.8%
1,017
当期利益(百万円)
-423

861

1,077
-12.4%
943
総資産(百万円)
純資産(百万円)
7,459
1,360
8,087
2,220
7,995
2,443
--
--
株主資本比率(%) 18.2% 27.5% 30.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
8.8%
38.8%
11.6%
44.1%
--
--
発行済株式数 4,293 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
317
201
517
251
569
220
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
電子材料スライス周辺事業、特殊精密機器事業、化学繊維用紡糸ノズル事業
 中村超硬グループは、当社中村超硬および子会社等4社から構成され、電子材料スライス周辺関連、特殊精密機器関連、化学繊維用紡糸ノズル関連の開発・製造・販売を主な事業としている。

 電子材料スライス周辺事業では、太陽電池やLED、パワーデバイスなど、今後のエネルギー関連業界で需要が伸びると予測される各種電子材料ウエハの製造工程の中で、スライス加工で使用するダイヤモンドワイヤの開発・製造・販売を行っている。

 ダイヤモンドワイヤは、細いピアノ線にダイヤモンドの粒を強く固定した糸状の工具であり、シリコンウエハの低コスト化をもたらす新しいスライス加工手法に用いられている。

 特殊精密機器事業では、ダイヤモンドや超合金、セラミックスなど耐摩耗性の高い硬脆材料を用いた特殊精密部品、工具の開発・製造・販売を行っている。

 当事業における主要な製品は、自動車部品やベアリング製造用工作機械に用いられるダイヤモンド部品、液晶テレビやスマートフォン、タブレット等の電子機器の製造に使用する電子部品実装用の産業機械に用いられるダイヤモンドノズル。

 化学繊維用紡糸ノズル事業では、主に化学繊維用紡糸ノズル及び周辺部品、不織布用ノズル・同装置の設計・製造・販売を行っている。

情報開示の状況
開示なし
 中村超硬のウエブサイトには5月25日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。参考情報としては、上場承認のニュースリリースが掲載されている程度。
収支の状況
15.3期に黒字回復、16.3期は増収増益の見通し
■16.3期業績予想
 電子材料スライス周辺事業では、太陽電池市場が中国を中心に拡大傾向であることに加えて、シリコンインゴットのスライス工程が、細線化に伴うコスト減や環境への配慮を理由に、今後も遊離砥粒方式から、DWを使用する固定砥粒方式へ移行することが見込まれ、市場の環境は良好に推移するとみている。同セグメントの売上高は対前期比+46.0%の増収、セグメント利益は同+16.9%の増益の見通し。

 特殊精密機器事業では、実装機業界・工作機械業界とも、ほぼ前期並みで推移すると予測した上で、実装機用ノズルは量産品としての納入を織り込み、また中国における事業展開の拡大を図ることを織り込み、売上高は対前期比+6.0%の増収、セグメント利益は同+752.1%の増益の見通し。

 化学繊維用紡糸ノズル事業では、不織布・炭素繊維などの高付加価値商品に対する需要は底堅く、アジア地域を中心に営業を強化するとともに、国内主要メーカーに対しても積極的な営業展開することを織り込み、売上高は対前期比+5.9%の増収、セグメント利益は同+4.2%の増益の見通し。

 以上の結果、全体の売上高は対前期比+30.3%の増収となり、営業利益・経常利益は同+17.7%と+9.8%の増益となる見通し。

 なお、中村超硬は過去に2期連続で経常損失を計上しており、税務上の繰越欠損金を有している。

株式の状況
筆頭株主の全数売却により、当初から流動性は高まる想定
 筆頭株主である産業革新機構の持株830千株の全数が売出し対象となっているため、上場時点での浮動株のウエイトが非常に高くなる見込み。

 ベンチャーキャピタルからの出資はあるものの、こちらはロックアップの対象となっている。ストックオプションの未行使残高は、全数が上場直後から行使可能になるとみられるが、ボリュームは大きくない。筆頭株主の全数売出しに勝るインパクトは無い。

A. 発行済み株式数 3,293千株(単元100株)
B. 公募 600千株、増資によるオーバーアロットメント 292,900株
C. 売出し 1,353千株(売出し元は会社関係者260千株、残はベンチャーキャピタル等)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 107千株
 E. うち潜在株式に算入する数 107千株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 4,292,900株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 920千株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者5名、ベンチャーキャピタル7組合、金融機関3行に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。それ以外に、会社関係者9名等に対して90日間、売却可能条件なし。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
07年2月 20,000株  700円 09年3月〜17年1月
08年6月 20,000株 1,000円 10年7月〜18年7月
11年1月 67,000株 1,500円 13年6月〜21年6月

 目論見書での中村超硬の想定発行価格は1,640円で、この価格に基づく公募による中村超硬の手取り概算額は約897百万円とされている。

 別途予定されている第三者割当増資の手取り概算額上限441百万円と合わせた資金使途は、今後見込まれる主要顧客からの需要拡大等に備えることを目的として、全額を増産に対応するためのダイヤモンドワイヤの製造設備等への投資に充当する予定。



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