4980デクセリアルズIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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デクセリアルズ(4980 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:化学

目新しい点もないが、課題点も見当たらない
 光学材料を中心とした化学メーカーで、足元の業績は堅調に伸びている。16.3期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約15倍となる。

 業績面からは妥当な水準になっているものとみられるが、昨今の円高・好況を背景とした業績予想である点には、特に長期保有の観点からは注意が必要と思われる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 14/3 15/3 15/6 16/3予
売上高(百万円)
63,307
3.5%
65,508

32,700
15.4%
75,600
営業利益(百万円)
7,740
24.2%
9,611

3,800
23.8%
11,900
経常利益(百万円)
7,208
36.9%
9,870

3,500
16.5%
11,500
当期利益(百万円)
8,044
33.3%
10,721

2,000
-34.7%
7,000
総資産(百万円)
純資産(百万円)
90,155
40,620
88,979
54,421
--
--
--
--
株主資本比率(%) 45.1% 61.2% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
8.0%
19.8%
11.1%
19.7%
--
--
--
--
発行済株式数 65,011.6 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
124
625
165
837
31
--
108
--
配当(円/株) -- -- -- 27.5

事業概要
光学材料、電子材料、接合材料等の製造・販売
 デクセリアルズグループは当社デクセリアルズと子会社11社から構成されており、光学材料、電子材料、接合材料等の製造・販売を主要な事業としている。

 光学材料部品事業は、光学フィルム、光学樹脂材料、光学ソリューションの3カテゴリーに区分される。主にスマートフォン、タブレットPC、パソコン向けの製品であり、ディスプレイの需要に対応している。全て顧客仕様に合わせてカスタマイズした上で、液晶パネルメーカー及びセットメーカー等に販売している。

 同事業の主な製品・ソリューションの内容は以下の通り。
■反射防止フィルム: 液晶パネルの表面に貼り付けることで外光の反射を低減し、パネルの視認性を向上させる機能を持つフィルム。
■光ディスク用紫外線硬化型樹脂: DVD, BD等の光ディスク用の表面保護のためのコーティング剤・接着剤
■光学弾性樹脂: フラットパネルディスプレイでディスプレイモジュールとカバーガラスの貼り合わせに使われるアクリル樹脂を主原料とした透明な樹脂状の接着剤
■光学ソリューション: 中国における当社光学材料製品の採用拡大を目的とした、主にスマートフォン・電子リーダー・デジタルカメラ向けの光学モジュールの製造

 電子材料部品事業は、接合関連材料、異方性導電膜、リチウムイオン電池2次保護素子、マイクロデバイスの4カテゴリーとなる。異方性導電膜は、スマートフォン、タブレットPC等の小型化、薄型化、狭額縁化、軽量化に寄与している。

 同事業の主な製品・ソリューションの内容は以下の通り。
■接合関連材料: 半導体・通信・車載機器向けの粘着テープ等の機能性接合材料
■異方性導電膜: ガラス・プリント基板に電子部品を接続する、導通と絶縁の機能を兼ね備えた接着フィルム
■リチウムイオン電池2次保護素子: リチウムイオン2次電池を過電圧や過電流から保護するためのヒューズ
■マイクロデバイス: 主にプロジェクター向けの無機偏光板・無機波長板
収支の状況
16.3期は増収・経常増益の見通し、当期利益は減益予想だが一時的要因
■16.3期業績予想
 光学材料部品セグメントでは、光学ソリューションカテゴリーで、前期にタッチパネルの部材仕入れから製造・販売までを行う事業から、顧客であるディスプレイメーカーのパネル貼り合わせ工程のソリューション提供を軸とした事業へとビジネスモデルを転換しており、当期は大幅な増収を見込んでいる。

 光学樹脂材料カテゴリーでは、前期から売上貢献の始まった光学弾性樹脂の新製品がタブレットPC及びスマートフォンでの採用モデル数が増加すること等によって、売上高が増加する見通し。以上から、同セグメントの売上高は対前期比+約25%の増収の見通し。

 電子材料部品セグメントでは、異方性導電膜カテゴリーにおいて、ディスプレイ向けの既存製品の堅調な販売に加えて、新製品の寄与及びカメラモジュール等のディスプレイ以外の用途向け売上の拡大により、対前期比+約5%の増収となる見通し。

 以上の結果、全体の売上高は対前期比+15.4%の増収、営業利益・経常利益では同+20%前後の増益となる見通し。当期純利益は前期に税負担の軽減項目が発生したことの反動により、減益となる見通し。

株式の状況
ストックオプションは全数行使可能の見通し、大株主にはロックアップ・保有確約
 ストックオプションの未行使残高があり、ボリュームは大きいものではないが、全数が上場直後から行使可能になるとみられる。ベンチャーキャピタル等からの出資があるが、ロックアップ対象となっている。その他ロックアップ対象となっていない大口株主に対しても保有確約の予定があり、当面の株式需給には特段の課題はないものとみられる。

A. 発行済み株式数 63,000千株(単元100株、15.5に1:100株式分割後)
B. 公募 0株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 49,363千株(売出し元は金融機関、ベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント 4,686千株
D. ストックオプション等の残高総数 2,011,600株
 E. うち潜在株式に算入する数 2,011,600株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 65,011,600株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,970千株
既存株主へのロックアップ情報:投資銀行・ベンチャーキャピタル9法人等と会社関係者2名に対して180日間。対象株数は63,292,200株

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
13年3月  385,200株 500円 15年3月〜23年3月
14年4月 1,446,400株 580円 16年4月〜24年4月
14年1月  180,000株 840円 16年11月〜24年11月

 目論見書でのデクセリアルズの想定発行価格は1,570円とされている。

情報開示の状況
開示なし
 デクセリアルズのウエブサイトには、6月27日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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