IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
イーレックス(9517 東証マザーズ)IPO |
想定されている公募価格帯で、至極妥当な評価 電力事業の新規分野・自由化分野を対象として、堅調に業績を伸ばしている印象。15.3期業績予想のPERに基づく、想定されている公募価格のPERは約17倍となる。 足元の業績の状況を考慮すると、非常に妥当な評価がされていると考えられる。 連結データ(肩は対前期比(%))
イーレックス・グループは、当社イーレックスと連結子会社2社から構成されており、大型工場・オフィスビルなどの特別高圧(契約電力2,000kW以上)及び中小工場・スーパーなどの高圧(契約電力50kW以上2,000kW未満)の需要家に対して、一般電気事業者が有する送電線網を通じて、電力の供給を行っている。 電力の調達については、PKSを用いたバイオマス発電をはじめ、国産バイオマスや石炭・オフガス、LNG、太陽光発電などの電源を確保している。 イーレックス・グループの電力事業は、電力小売(官公庁向け、民間企業向け)、電力市場取引、電源開発から構成されている。 電力市場取引としては、販売先・仕入れ先の一つとして、日本卸電力取引所を活用した電力市場取引を行っている。 電源開発としては、発電設備の企画・設計・施工・建設や発電等の電源開発を主に以下の3つの方法で行っている。 1. 他社発電所に関する生産性向上提案と余剰電力の買取り 2. 他社発電所の購入及びリニューアル 3. 自社独自での発電所の建設 |
■14.3期実績 登記は、従来型の電力仕入販売ビジネスでは、安定した電源を確保するとともに、販売先に関して、卸・小売比率を調整した。特に民需において、代理店網を活用して収益性の高い低負荷率の小規模顧客の開拓を進めた結果、需要家数は前期末の1,329件から、当期末には1,455件に増加した。 また、当期には、発電ビジネスをスタートさせ、FIT制度を活用し、PKSを燃料とする土佐発電所が当期内に商業運転を開始した。 以上の結果、売上高は対前期比+23.2%の増収となり、経常利益では同+19.4%の増益となった。
ベンチャーキャピタルからの既存出資ウエイトが非常に高いものの、ロックアップの対象となっている。ストックオプションの未行使残高も、発行済株式数の1割に迫るウエイトとなっているが、当面は行使可能期間にならない。 A. 発行済み株式数 9,031千株(単元100株、14.9に1:1,000株式分割後) B. 公募 4,000千株、増資によるオーバーアロットメント 600千株 C. 売出し 0株(売出し元は)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 850千株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 13,631千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 3,345千株 既存株主へのロックアップ情報:ベンチャーキャピタル4組合とその他法人2社に対して90日間、但し発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。それ以外に、会社関係者6名と法人1社に対して90日間で、こちらは売却可能条件の設定なし。対象株数は8,194千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 14年1月 842,000株 668円 16年3月〜24年3月 14年1月 8,000株 668円 16年3月〜24年3月 目論見書でのイーレックスの想定発行価格は1,120円で、この価格に基づく公募によるイーレックスの手取り概算額は約4,099百万円とされている。 別途予定されている第三者割当増資の手取り概算額上限約618百万円と合わせた資金使途は、新バイオマス発電所建設に伴う設備資金・運転資金に充当する予定。
イーレックスのウエブサイトには、11月21日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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