IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アルファポリス(9467 東証マザーズ)IPO |
事業の面白味と比較して、利益の伸びは低い 業種・業態としては新奇性に富んでいる。ただし、足元の状況では、こうした物珍しさが収益には十分に結びついてはおらず、対前期比較での利益の伸びは、14.3期で約30%、15.3期予想で15%前後にとどまっている。 15.3期業績予想に基づく、想定されている公募価格のPERは約20倍となる。銘柄の物珍しさから、更に高い評価を得る可能性は高いと思われるが、人気に伴う収益性はまだ確保されていない点には注意が必要だろう。 個別データ(肩は対前期比(%))
アルファポリスは、同社が運営しているインターネット上のウエブサイトに投稿された小説・漫画等のコンテンツの内から、サイト内でのユーザー評価を参考に、書籍として出版すべきコンテンツを調達している。調達後は、編集部において、コンテンツの品質・商品力を向上させた後、書籍として出版することで収益を上げている。 14.3月末時点で、累計約15千点、年間約3千点のコンテンツが投稿されており、ユーザー数は約12万人となっている。 アルファポリスが取り扱っている書籍は、ライトノベル、漫画、文庫、その他書籍の4つのジャンルに分けられる。
アルファポリスのウエブサイトには10月2日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
■14.3期実績 当期の出版点数は対前期比+73点増の260点となり、刊行の質においても発行1万部を超えるヒット作を安定的に数多く出版した。 ライトノベルでは、大ヒットシリーズである「ゲート」をはじめ、男性向けの単行本ライトノベル作品の1タイトル当りの実売平均が約1.6万部となり、業績を牽引した。 漫画では、前期は「ゲート」の売上に大きく依存していたが、当期は「白の皇国物語」や「!」等のライトノベルのコミカライズが好調に推移した。 文庫では、「レジーナブックス」の文庫化を開始したこと等によって、出版点数は対前期比+23点増の73点となった。 以上の結果、当期の売上高は対前期比+40.7%の増収、営業利益・経常利益は共に同+30%超の増益となった。
ストックオプションもベンチャーキャピタルからの出資もない、シンプルな株主構造となっている。更に、従業員持株会以外の株主全員がロックアップの対象となっている。 当銘柄は人気化する可能性が高いとみられることから、ロックアップに付されている発行価格の1.5倍以上での行使可能条件が満たされる可能性が高いものの、会社関係者が支配権を薄めることとなる株式売却を大きく進めることは考えにくい。 全体として、大きな課題のない株主状況になっているとみられる。 A. 発行済み株式数 4,000千株(単元100株、14.8月に1:200株式分割後) B. 公募 675千株、増資によるオーバーアロットメント 168,700株 C. 売出し 450千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 4,843,700株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者6名と会社関係者に関連する法人1社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は約3,955千株。 目論見書でのアルファポリスの想定発行価格は2,100円で、この価格に基づく公募によるアルファポリスの手取り概算額は約1,406百万円とされている。 別途予定されている第三者割当増資の手取り概算額上限353百万円と合わせた資金使途は、新規サービスの開発として広告収入還元機能(ユーザーの閲覧数に応じて、広告収入の一部をコンテンツ製作者に対して還元する機能)の追加に35百万円、コンテンツ閲覧用のスマートフォンアプリの開発資金に40百万円、電子書籍販売サイトの開発資金に15百万円を充当する予定。 また、事業規模拡大に伴う人員増加を受けて、本社オフィスの移転費用に70百万円、取扱い書籍のジャンル拡大の一環である漫画事業領域拡大のための漫画家に対する原稿料として170百万円、書籍刊行点数拡大に向けた印刷費、イラスト・デザイン費、印税に係る費用として1,120百万円を充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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