IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ジャパンケーブルキャスト(9415 東証マザーズ)IPO |
15.3期の業績予想の低さは意外な印象 IT・メディア関連銘柄、13.3期に黒字化し以降は目覚ましい業績の伸びが期待できるのかと思いがちだが、会社発表の15.3期業績予想では、意外に伸びが小さい。 15.3期業績予想ベースのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約10倍に留まり、定性的な評価としては更に高い評価を期待したいところだが、足元の業績動向を踏まえると、公募価格水準以上に評価することにはリスクが伴うとみられる。ストックオプションの未行使残高が非常に多いことも、懸念点。 個別データ(肩は対前期比(%))
ジャパンケーブルキャストグループは、当社ジャパンケーブルキャストと関連会社2社の合計3社で構成され、主に日本全国のケーブルテレビ事業者及び番組供給事業者向けの通信ネットワーク事業を行っている。関連会社では、2014年4月からケーブルテレビ向けスマートTVサービスを開始している。なお、2013年12月にテレビ通販・インターネット通販事業を営む唯一の連結子会社の全株式を売却している。 1. JC-HITSサービス ケーブルテレビ事業者が有料多チャンネル放送サービスを各々の地域で展開する場合、ケーブルテレビ事業者それぞれが各番組供給事業者と直接番組供給に関する契約を締結し、各番組供給事業者は契約の相手方であるケーブルテレビ事業者に自社のチャンネルを送り届ける。ジャパンケーブルキャストは、このようなケーブルテレビ事業者と番組供給事業者間のチャンネル流通ニーズに対応すべく、チャンネル配信センターとして東京都品川区にJC-HITS東京メディアセンターを保有、日本全国にチャンネル流通のための大容量通信ネットワークを整備している。 JC-HITS東京メディアセンターでは、2014年4月現在、標準画質(SD)270チャンネル、高画質(HD)358チャンネルの配信機能と、視聴制御機能を有している。ジャパンケーブルキャストのJC-HITSサービスでは、このチャンネル配信機能と視聴制御機能をケーブルテレビ事業者及び番組供給事業者に提供している。 JC-HITSサービスの収益は、ケーブルテレビ事業者及び番組供給事業者の双方からの収益を計上するサービスモデルとなっている。ケーブルテレビ事業者及び番組供給事業者からの収益は、主に月額固定の基本料金と従量料金で構成され、各事業者からの収益は配信チャンネル数、画質(SD、HD)及び視聴制御カード数によって変動する。 2. JC-dataサービス JC-dataサービスでは、ジャパンケーブルキャストが構築するデータ放送用センターサーバーと各ケーブルテレビ局をネットワークし、いわゆるクライアント・サーバー型のサービス構造とすることで、ケーブルテレビ事業者の初期投資を軽減、センターサーバーから気象情報や交通情報といった情報が自動で日々更新され、また専用ツールによってケーブルテレビ事業者側からの情報更新が適宜行えるサービスを提供している。 JC-dataサービスの提供にあたっては、ケーブルテレビ事業者とJC-dataプラットフォームサービスの利用にかかる契約を締結している。JC-dataサービスにおけるケーブルテレビ事業者からの収益は、主に月額固定の基本利用料であり、その他、サービス導入時におけるJC-data対応機器の販売や、一部有料コンテンツの利用料等がある。 3. チャンネル700 ケーブルテレビ事業者が独自に制作する番組や番組供給事業者の番組を、全国のケーブルテレビ局向けに流通させることを目的としたケーブルテレビ局専用の無料チャンネルを、ジャパンケーブルキャストが独自に編成を行っている。チャンネル700は、JC-HITSサービスやJC-dataサービスの付加価値向上に向けたケーブルテレビ局向けの番組流通プラットフォームと位置づけている。 4. その他サービス等 上記の他、当社のネットワーク配信ノウハウを活用し、コンサートを始めとした各種イベント等のライブ配信のスポット受注等を行っている。 |
■13.3期実績 主力事業の通信ネットワーク事業では、中心サービスであるデジタル多チャンネル配信プラットフォームサービス「JC-HITS」について、ケーブルテレビ局の多チャンネル放送サービスの高画質化の進展に向け、前期に引き続きHDチャンネルの配信数拡大のための設備増強を行った。これにより当期のHDチャンネルの配信数は50チャンネル、HDチャンネル採用のケーブルテレビ局は46社となり、前期末より18社の増加となった。 また、前期末に、神奈川県横浜市緑区のJC-HITSデジタル配信センターから、全配信機能を東京都品川区へ移管する作業が完了し、JC-HITSサービスに係る売上原価が大幅に削減された。 以上の結果、通信ネットワーク事業の売上高は対前期比+12.5%の増収、営業利益は同+680.6%の大幅増益となった。 テレビ通販・インターネット通販事業では、スマートフォンを中心とするデジタルデバイスの普及に伴うインターネット通販業界全体の規模が拡大する中、美容関連取扱商品数を増加するなど、積極的な販売拡大を行った結果、売上高は対前期比+20.2%の増収、営業損益は前期の赤字から当期に黒字化した。 以上により、全体の売上高は対前期比+13.6%の増収増)、営業利益・経常利益では前期の赤字から黒字化した。
ベンチャーキャピタルからの出資が相当のウエイトがされている。大部分がロックアップの対象にはなっているため、当面の株式需給には直接影響しないと思われるが、長期的な株価抑制要因になるとみられる。 また、大量のストックオプションの未行使残高があり、かつ大部分が上場後行使可能となっている。ベンチャーキャピタルに付与されているもの等、ロックアップ対象になっているものもあるが、それでもストックオプションの規模は非常に大きく、注意が必要となる。 A. 発行済み株式数 2,339,300株(単元100株、14.4に1:50株式分割後) B. 公募 307,300株、増資によるオーバーアロットメント 46,000株 C. 売出し 0株、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 1,197,250株 E. うち潜在株式に算入する数 1,074,650株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 3,767,250株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,888,578株(ストックオプションを含めると3,596,550株) 既存株主へのロックアップ情報:ベンチャーキャピタル15組合とその他法人8社、会社関係者1名に対して90日間。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 06年12月 1,017,150株 520円 07年1月〜16年3月 06年12月 37,500株 520円 07年1月〜16年3月 06年12月 20,000株 1,000円 07年1月〜16年3月 06年12月 21,800株 1,966円 08年10月〜16年10月 14年3月 100,800株 1,960円 16年4月〜19年4月 目論見書でのジャパンケーブルキャストの想定発行価格は1,010円で、この価格に基づく公募によるジャパンケーブルキャストの手取り概算額は約302百万円とされている。 別途予定されている第三者割当増資の手取概算額上限46百万円と合わせた資金使途は、HD6チャンネルの配信機能増設のためのデジタルハイビジョンエンコーダーを始めとする番組送出設備関連機材等の購入資金に103百万円、4K試験放送配信設備新設のための番組送出設備関連機材等の購入資金に94百万円、IP放送送出システム新設のためのIP放送送出サーバー等の購入資金として25百万円、残額はスマートTVサービスに係る管理システム新設のための顧客・課金管理インターフェース機能及びサービスプロバイダ料金精算機能の構築に向けたシステム開発資金130百万円の一部に充当する予定。
ジャパンケーブルキャストのウエブサイトには、5月28日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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