6240ヤマシンフィルタIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ヤマシンフィルタ(6240 東証二部)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械

諸般考慮すると、想定公募価格は妥当な水準
 13.3期の赤字決算は為替差損と減損損失の計上によるもの。15.3期には業績は大幅に回復し、延びる見通しとなっている。一時的、あるいは特殊条件による損失計上ではあるものの、今後同様のケースが発生する可能性は常に存在するとみられる。

 15.3期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約10倍強となっている。足元の業績等を考慮すると、妥当な価格水準になっているものと思われる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 13/3 14/3 14/6 15/3予
売上高(百万円)
9,088
15.9%
10,530

2,761
5.1%
11,069
営業利益(百万円)
56

710

342
15.1%
817
経常利益(百万円)
-69

710

329
10.9%
787
当期利益(百万円)
-253

336

217
57.7%
530
総資産(百万円)
純資産(百万円)
8,105
4,426
8,635
4,852
8,444
4,969
--
--
株主資本比率(%) 54.6% 56.2% 58.8% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
8.2%
6.9%
3.9%
4.4%
--
--
発行済株式数 2,073(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
2,135
162
2,341
105
2,397
256
--
配当(円/株) 24 40 -- 56

事業概要
フィルタ製品の研究開発・製造及び販売
 ヤマシンフィルタグループは、当社ヤマシンフィルタと連結子会社7社により構成され、フィルタ製品の製造・販売を主たる事業としている。

 具体的には、フィルタのキーパーツである「ろ材」の主な材料であるガラス繊維や不織布及びフィルタの構成部品に使用される金属加工品や樹脂加工品等の仕入を行い、建機用フィルタ、産業用フィルタ、プロセス用フィルタを製造している。ヤマシンフィルタグループは、各フィルタの「ろ材」の開発及び製品設計から製造をグループ内で一貫して行い、建設機械、産業機械等の業界向けに販売を行っている。

 建機用フィルタは、建設機械の駆動に不可欠である油圧回路の作動油をはじめ、燃料のディーゼル・オイル、エンジン駆動に必要な潤滑油のろ過に用いられるフィルタで、あらゆる建設機械に搭載されている。

 産業用フィルタは、様々な業界に応用されている油圧ユニットの作動油や潤滑油のろ過に用いられるフィルタで、工作機械、冷凍用圧縮機、農業機械、船舶、鉄道車両、航空機やヘリコプター等の産業機械に用いられている。主な販売先は、工作機械メーカや圧縮機メーカ、農業機械メーカなど。

 プロセス用フィルタは、顧客製品の製造工程で行われるろ過・分離に必要なフィルタで、電子部品、精密部品、液晶ディスプレイや食品等の業界に用いられている。ヤマシンフィルタグループのプロセス用フィルタ製品は、建機用、産業用と比較して、より細かいろ過を求められる分野へ提供されおり、具体的な用途は、電子部品の精密洗浄やコンデンサ・フィルム関連のナノレベルの分級(対象物の分離工程)等。
 
収支の状況
14.3期に経常黒字化、15.3期は増益見通し
■14.3期実績
 当期は、収益基盤の拡大と成長戦略を担う製品として、ヤマシンフィルタグループの強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品に加え、燃料用、エンジンオイル用といった新製品の開発に取り組み、あわせてICT(情報通信技術)による高機能化などの技術開発に取り組んだ。

 これらの取り組みによって、フィルタ製品のラインナップの充実を図ることで建設機械メーカの顧客満足度と信頼度を高め、製品の需要を高めた。また、建機用フィルタ市場における補給部品の販売は、ヤマシンフィルタグループの重要な収益ドライバーとなっており、中国・アジア市場において、補給部品の純正率の向上に建設機械メーカと共同で取り組み、純正品を使用するメリットをエンドユーザに訴求することで、純正部品の採用率向上に繋げた。

 以上の結果、当期の売上高は対前期比+15.9%の増収となり、営業利益は対前期比で大幅増益、経常利益は前期の損失計上から黒字化された。当期純利益は、先に閉鎖したYAMASHIN THAI LIMITED の旧生産工場を売却したことによる固定資産売却益等を計上した一方、訴訟和解金、品質保証対応損失等を計上したことの結果、前期の損失計上から黒字化した。

株式の状況
VC出資あるが、影響は限定的
 ベンチャーキャピタルからの出資があるが、ボリュームは大きくない上、大部分がロックアップの対象となっている。ストックオプションが過去に存在していたが、全数の権利放棄により、現在は残っていない。

A. 発行済み株式数 1,696,500株(単元100株)
B. 公募 300,000株、増資によるオーバーアロットメント 76,500株
C. 売出し 210,000株(売出し元は会社関係者等200千株、金融機関10千株)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,073,000株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 149千株
既存株主へのロックアップ情報:金融機関2行、ベンチャーキャピタル2組合、会社関係者8名に対して90日間。但し、法人は発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は、約1,567千株。

 目論見書でのヤマシンフィルタの想定発行価格は2,700円で、この価格に基づく公募によるヤマシンフィルタの手取り概算額は約738百万円とされている。

 別途予定されている第三者割当増資の手取概算額上限191百万円と合わせた資金使途は、収益機会の拡大、経営基盤の充実強化を目的として、研究開発設備に係る設備投資資金に600百万円、社内基幹システムの再構築のための設備投資資金に300百万円を充当する予定。

 具体的な内容には、世界的に導入が進んでいる環境規制・排出ガス規制へ対応した製品の開発、ヤマシンフィルタが得意とする油圧用フィルタの周辺分野である燃料用・エンジンオイル用フィルタの製品拡充など、市場の変化や顧客要望を取り入れた製品開発の早期化による収益機会の拡大を目的として、研究開発拠点の建物取得に350百万円、研究開発用機械装置の取得に220百万円、製品開発に使用するろ材シミュレーションシステム等のソフトウエアの取得に30百万円、経営基盤の充実強化及び内部管理体制の強化を目的として、社内基幹システム等のソフトウエア取得に300百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示用意あり
 ヤマシンフィルタのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、ニュースリリース程度となっている。


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