6098リクルートホールディングスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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リクルートホールディングス(6098 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

想定公募価格は妥当な水準に
 年間売上高一兆円超の巨大企業グループであることから、大きな成長性は望みにくい。足元の業績も、15.3期は増益見通しとなっているものの、14.3期にのれん償却費を計上した反動増が主要因となっている。

 15.3期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約25倍となる。諸要因を的確に織り込んだ水準とみられ、この水準からの大きな株価変動は考えくにくい。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 13/3 14/3 14/6 15/3予
売上高(以下、億円)
10,449
13.6%
11,915

3,058
8.3%
12,900
営業利益
1,249
-6.0%
1,174

3,158
3.0%
1,210
経常利益
1,281
-4.8%
1,220

332
3.2%
1,260
当期利益
718
-8.9%
654

186
0.9%
660
総資産
純資産
8,085
4,192
8,603
5,466
8,145
5,463
--
--
株主資本比率(%) 51.9% 63.5% 67.1% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
15.9%
17.1%
14.2%
12.0%
4.1%
3.4%
--
--
発行済株式数 580,364 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
124
722
113
942
32
941
114
--
配当(円/株) 26 26 -- 47

事業概要
販促メディア事業、人材メディア事業、人材派遣事業等
 リクルートホールディングス・グループは当社リクルートホールディングスと連結子会社119社、関連会社9社から構成され、販促メディア事業、人材メディア事業、人材派遣事業、その他事業を展開している。

 販促メディア事業では、住宅、結婚、高校生の進学及び自動車関連等の情報サービスを提供している。

 住宅分野では、住宅の売買・賃貸・リフォームに関する情報誌・情報サイトとして「SUUMO」を発行・運営する他、新築マンションや注文住宅購入に関する相談を直接できる対面式のカウンターサービス「スーモカウンター」を提供している。

 結婚分野では、ブライダル情報誌・情報サイト「ゼクシィ」を発行し、結婚式場選びに関する相談を直接できる対面式のカウンターサービス「ゼクシィ相談カウンター」を提供している。

 その他、高校生の進路選びをサポートする無料の進学情報誌「リクナビ進学ブック」や、中古車情報誌・情報サイトとして「カーセンサー」を発行・運営している。旅行分野では、主に国内の宿・ツアー・周辺観光情報を掲載した情報誌・情報サイト「じゃらん」を発行・運営している。

 人材メディア事業では、就職活動を行う学生に対して新卒向け就職情報サイト「リクナビ」を通じて情報を提供し、転職活動の際には、社会人のための転職サイトや直接対面で相談のできる人材紹介サービスを提供して強いる。アルバイトの情報サイトは「フロム・エー ナビ」、アルバイトから社員までの求人を掲載した情報誌・情報サイト「タウンワーク」を発行・運営している。

 人材派遣事業では、国内・海外において、事務職派遣、製造業務・軽作業派遣、各種専門職派遣等の人材派遣サービスを提供している。

情報開示の状況
一定の開示あり
 リクルートホールディングスのウエブサイトには9月15日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。ただし、経営情報として過去からの決算報告書は時系列で開示されており、実質的には一定の開示がされているとみなせる状態にある。

収支の状況
14.3期は、のれん償却費計上により、減益
■14.3期実績
 住宅分野では、新設住宅着工戸数は堅調に推移した一方、下期には消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、伸長が鈍化した。主力サービスである「SUUMO」では、新規ユーザー獲得のため、広告宣伝活動によるブランド力の強化の継続的に推進した。対面型相談サービスでは、新築マンション購入検討者や注文住宅購入検討者を対象とした「スーモカウンター」を新たに34拠点開設し、全国80拠点に展開した。

 結婚分野では、大手結婚式場運営クライアントの新規出店数の増加に伴い、当社への出稿が増加した。また、「ゼクシィ Premier」を新装刊し、ブランド力の強化を行うと共に、「ゼクシィ相談カウンター」を新たに12拠点開設し、全国73拠点に展開した。

 以上の結果、販促メディア事業の売上高は対前期比+9.3%の増収、セグメント利益は同+9.1%の増益となった。

 国内人材募集では、新卒採用分野で「リクナビ2015」を12月にオープンし、新卒人材紹介を強化し、体育会学生向け小食支援サービスを開始した。パート・アルバイト分野では、主力商品である「タウンワーク」での東京都心版等の新版の創刊や、ユーザーニーズに沿った既存サービスのリニューアル等を行った。

 以上の結果、人材メディア事業の売上高は対前期比+28.2%の増収、セグメント利益は同+22.4%の増益となった。

 人材派遣事業では、メディカル分野を中心に新たに12拠点を開発し、全国49拠点のエリア展開となった等により、売上高は対前期比+10.8%の増収、セグメント利益は同+7.6%の増益となった。

 全体の売上高は対前期比+13.6%の増収となったが、のれん償却費を360億円計上したことにより、営業利益・経常利益では約5-6%の減益となった。

株式の状況
VC出資とストックオプションがあるものの、影響は軽微
 ベンチャーキャピタルからの出資があるが、ボリュームは大きくない。また、ストックオプションの未行使残高があり、かつ、全数の行使価格が1円、既に行使期間に入っているものの、こちらもボリュームは大きいものではない。

 規模の大きい上場案件であることから、上場後はむしろ企業規模に応じた流動性が維持されるほうが好ましいと考えられ、一定規模での公募・売出し以外の市中放出は問題ないと思われる。

A. 発行済み株式数 570,365,910株(単元100株、14.7に1:100株式分割後)
B. 公募 29,506,200株(うち新株3,665,000株)、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 34,070,000株(売出し元はベンチャーキャピタル8,530千株、残は金融機関等法人)、既発株のオーバーアロットメント 5,397,900株(自己株式)
D. ストックオプション等の残高総数 334,000株
 E. うち潜在株式に算入する数 334,000株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 580,364,910株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 25,160千株
既存株主へのロックアップ情報:金融機関等29社と個人10名に対して180日間。その他、金融機関1行とベンチャーキャピタル1組合に対して90日間。但し、90日制限の株主は、発行価格の1.5倍以上で幹事証券会社が定める特定の売却先への売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
対象株数 行使価格 行使期間
334,000株 1円 13年9月〜33年8月

 目論見書でのリクルートホールディングスの想定発行価格は2,800円で、この価格に基づく公募によるリクルートホールディングスの手取り概算額は約78,328百万円とされている。

 別途予定されている第三者割当による自己株式の処分における手取概算額上限14,433百万円を合わせた資金使途は、過去に実施した長期運転資金・企業買収を目的として借り入れた金融機関からの借入金の返済に8,250百万円、残額は、長期ビジョン実現のための成長投資に充当する予定。長期ビジョン実現のための成長投資の内容は、国内既存事業の競争力強化を目的としたシステム投資及び事業基盤の獲得・拡大を目的としたM&A資金等。

 国内既存事業の競争力強化を目的としたシステム投資では、取引クライアント数を拡大させるためにクライアントの業務フローをリクルートホールディングスのITシステムで無償代行するサービスへの投資等を検討している。

 事業基盤の獲得・拡大を目的としたM&Aでは、販促メディア事業、人材メディア事業、人材派遣事業の3セグメントにおいて、国内外で実施していく想定であり、その中には最先端のIT技術を持つベンチャー企業等に対するファンド投資・マイノリティ投資も含んでいる。

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