IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
データセクション(3905 東証マザーズ)IPO |
高い評価が十分に期待できるが、ストックオプション行使とVC保有株式の売却には注意が必要 15.3期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約72倍となり、足元の業績と比較すると、非常に割高な株価設定となる。しかし、当案件の場合には、ビッグデータ関連のITビジネスとして注目度は高いと考えられ、想定水準を上回る評価がマーケットから得られる可能性は高いとみられる。 ただ、評価が高くなるにつれ、ストックオプションの行使とベンチャーキャピタルからの売却圧力が増すことには注意が必要となる。 連結データ(肩は対前期比(%))
データセクショングループは、当社データセクションと子会社2社・関連会社1社から構成され、ビッグデータ、特にソーシャルメディア情報をもとに、「世の中の動向を分析するツール(SaaS)」、「ソーシャル・ビッグデータの分析・評価レポート(リサーチコンサルティング)」、「顧客が持っている情報とソーシャル・ビッグデータを掛け合わせたシステムのセミオーダー型受託開発(ソリューション)」を提供している。 SaaSで提供しているサービスには、Insight IntelligenceシリーズやEasy Miningがあり、前者はソーシャル・ビッグデータを傾聴・解析するツールで、調べたいトピックスに対して、網羅的に収集したソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに分析できるツール。 対象顧客としては、一般消費者向けに商品やサービスを提供する大手メーカーやサービス提供会社、広告会社・PR会社、コンサルティング会社等の広報部、宣伝部等で、広告出稿後の効果測定やマーケティング戦略への活用などの顧客要望に応えるサービス。 販売チャネルとしては、直接販売に加え、大手広告代理店、大手システムインタグレーター、大手リスクコンサルティング会社等へOEM提供によりサービス提供を行っている。14.3末時点で累計250社の導入実績。 Easy Miningは、簡単・高速にテキスト分析が行えるオンラインテキストマイニングサービス。自社にて収集した実店舗などでのアンケート・コールセンターへの問い合わせ、ウエブ上での問い合わせから発生したテキストデータを分析し、テキスト内容のポジティブとネガティブ表現の割合や、出現頻度の多いワードを短時間で算出することで、自社サービスなどに対する要望や課題点を、簡単かつ高速に把握することができる。 |
■14.3期実績 当期は、営業面では、ソーシャル・ビッグデータのキャンペーン測定やインサイト調査、市場調査を提供するツール「Insight Intelligence」の拡大を図る目的で、セミナーや展示会などのプロモーション活動を行うと共に、大手自社ブランド販売先(OEM)や代理店とのアライアンスを組むことで、業容拡大に注力した。 コスト面では、業容拡大に備えた開発スタッフ・管理系スタッフの増員に伴う人件費の増加を計上したものの、前期個別業績と比較した当期連結業績は、売上高で+約30%超の増収、経常利益・当期利益では+10%の増益となった。
ストックオプションの未行使残高が大量にある。一部は行使期間に入るまでに猶予があるが、行使価格の点では全数が上場直後から行使可能になるとみられる。(下記表記は1:100分割前) ストックオプションの行使リスクには十分注意する必要がある。 また、ベンチャーキャピタルからの出資があり、こちらは大半がロックアップの対象となっている。VC保有株式合計約1,908千株のうち、ロックアップ非対象分は約600千株となっている。但し、行使可能条件付きのロックアップであり、当案件の場合には株価が高騰し、ロックアップ分についても売却可能になる可能性がある。 A. 発行済み株式数 8,492,500株(単元100株、14.11に1:100株式分割後) B. 公募 850千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 1,360千株(売出し元は法人800千株、ベンチャーキャピタル60千株、残は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 331,500株 D. ストックオプション等の残高総数 2,247千株 E. うち潜在株式に算入する数 1,737千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 11,016,500株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,908,500株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者5名、ベンチャーキャピタル4組合、その他法人2社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は9,472千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況(1:100株式分割前) 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年8月 2,000株 1,315円 07年8月〜15年8月 09年6月 7,700株 380円 11年6月〜19年6月 09年7月 1,500株 1,650円 11年7月〜19年7月 10年5月 3,800株 4,000円 12年9月〜20年9月 11年6月 2,370株 7,000円 14年2月〜22年2月 12年5月 800株 11,000円 15年3月〜23年3月 13年6月 3,600株 11,000円 15年10月〜23年10月 13年6月 400株 11,000円 16年2月〜24年2月 14年1月 300株 11,000円 16年2月〜24年2月 目論見書でのデータセクションの想定発行価格は460円で、この価格に基づく公募によるデータセクションの手取り概算額は約386百万円とされている。 資金使途は、ソーシャル・ビッグデータを活用した複数の新規ビジネス・サービスの開始・立ち上げのための人員採用費・人件費に全額を充当する予定。
データセクションのウエブサイトには、11月24日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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