3692_FFRI_IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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FFRI(3692 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

定性的には高い評価をしたいところだが、業績の伸びはそれほどでもない
 IT関連で、かつ特に安定的に需要が見込めると思われるセキュリティ分野を主な事業分野としており、今後の成長が十分期待できる。しかし、これまでの業績を見ると、確かに伸びてはきているものの、その伸び率は数十%程度の伸びであり、倍々で伸びている、という状況ではない。

 15.3期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約23倍となる。印象としては更に高い評価をしたいところだが、足元の業績面では妥当な水準と考えられる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 13/3 14/3 14/6 15/3予
売上高(百万円)
542
21.9%
660

165
30.7%
863
営業利益(百万円)
100
71.7%
172

33
20.4%
207
経常利益(百万円)
100
72.0%
172

32
11.6%
192
当期利益(百万円)
63
82.8%
116

21
2.7%
119
総資産(百万円)
純資産(百万円)
580
353
922
469
1,024
490
--
--
株主資本比率(%) 60.8% 50.8% 47.9% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
17.2%
18.0%
18.7%
24.7%
3.1%
4.3%
--
--
発行済株式数 2,019.9 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
31
175
57
232
10
242
59
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
サイバー・セキュリティ対策製品の研究開発及び販売
 FFRIはサイバー・セキュリティの基盤となる技術とリサーチ能力をバックグラウンドに、IT社会を取り巻く様々な外部脅威からコンピュータ・システムを守るために、サイバー・セキュリティの研究開発を行っている。FFRIではサイバー・セキュリティのシーズ型研究開発を行なっており、研究開発活動から得た技術・知見を元に様々な形態でユーザーにサイバー・セキュリティ対策を提供している。

 また、FFRIは特にセキュリティ脆弱性分野、マルウェア関連分野、情報家電やスマートフォン等をはじめとした組み込み機器分野に係るセキュリティにおける技術力を強みとしている。FFRIのサイバー・セキュリティ事業は管理区分上、「セキュリティ・プロダクト」と「セキュリティ・サービス」に区分される。

 セキュリティ・プロダクトでは、各種セキュリティ対策製品をサブスクリプションライセンス(期限付きの使用権)又はパーペチュアルライセンス(無期限の使用権)により販売している。サブスクリプションライセンスではユーザーは契約した期間、製品を使用でき、契約には製品のアップデートや保守サポートを含んでいる。契約期間終了後、引き続き使用する際は再度契約の更新をする。

 パーペチュアルライセンスは販売後、ユーザーは製品を永続的に使用することができるが、最新のプログラムへのアップデート及び保守サポートサービスは別途保守サービスを有償で提供している。

 また、サイバー・セキュリティ対策の仕組みを販売用製品として開発し、主にITセキュリティベンダーやSIerを対象にそれらプログラム著作物の権利販売を行なっている。

 セキュリティ・プロダクトの主な製品は、標的型攻撃対策製品「FFR yarai」及びマルウェア自動解析ツール「FFR yarai analyzer」、組み込み機器(スマートフォンやゲーム機、テレビなど)のセキュリティ堅牢性検査ツール「FFR Raven」、インターネットバンキングのユーザーをターゲットとしたMITB攻撃対策製品「FFRILimosa」など。

 FFRIは、「FFR yarai」に搭載している検知エンジンで、パターンファイルに依存しない、完全ヒューリスティック検知技術により既知のマルウェアの他、未知のマルウェア及びセキュリティ脆弱性を狙った攻撃といった従来のウイルス対策製品では防御することが困難な、新たな外部脅威からコンピュータ・システムを守る製品を提供している。

 セキュリティ・プロダクトでは、販売パートナーとOEM提供先の2つの販売チャネルにてユーザーに提供している。販売パートナーは主にSIerやITセキュリティベンダーで構成され、FFRIから製品を仕入れ、ユーザーに販売する。OEM提供はITセキュリティベンダー向けに行なっており、FFRI製品をOEM提供先ブランドとしてカスタマイズし、ユーザーに販売する。FFRIはOEM提供先から製品の対価を受け取る。

 また、販売パートナー及びOEM提供先はユーザーに対して製品のユーザーサポートを提供し、FFRIは販売パートナー及びOEM提供先に対して製品についての技術的な問合せに対応する技術サポートを提供する体制をとっている。

 セキュリティ・サービスでは、主に官公庁やセキュリティ感度の高い企業を対象として、顧客が運用しているネットワークシステムのセキュリティ強化を目的としたハードウェア・ソフトウェアへ独自のサイバー・セキュリティ対策の仕組みを組み込むための受託開発やコンピュータ・システムのセキュリティ堅牢性調査と実際にサイバー攻撃を受けた場合の影響調査、その他、ユーザーのニーズに応じてセキュリティ調査・分析・研究等を行なっている。

 また、Android端末における様々なセキュリティ上のリスクを分析し、対策に関する提言を行う「Android端末セキュリティ分析サービス」やユーザーが抱えるセキュリティ上の課題に対するコンサルティング及びセキュリティ情報の提供サービス「Prime Analysis」、セキュリティ技術者向けの有償トレーニング「FFRI Expert Seminar」などを提供している。
収支の状況
14.3期は大幅増益となったが、15.3期見通しでの増益幅は縮小
■14.3期実績
 セキュリティ・プロダクトにおいては、標的型攻撃対策の必要性の高まりを受けて「FFR yarai」及び「FFRyarai 脆弱性攻撃防御機能」が対前期比で大きく伸びた。

 また、「FFR yarai analyzer」においては、従来の機能に加えて、より高度な情報を自動的に抽出・レポーティングすることが可能となり、マルウェア解析者などの高度な情報を必要とする方々の作業負荷を大幅に削減することができる「FFR yarai analyzerProfessional」をリリースした。この結果、「FFR yarai analyzer」及び「FFR yarai analyzerProfessional」を合わせた実績は前期の「FFR yarai analyzer」の実績を超えて推移した。

 また、取引先にソフトウェアを提供する契約を締結したことにより、当期において譲渡対価60百万円の売上を計上した。この結果、当期のセキュリティ・プロダクトの売上高は対前期比+67.3%の増収となった。

 セキュリティ・サービスにおいては、顧客のニーズに応じて非定型の様々なサービスを提供する「セキュリティ調査、分析、研究等」において大型の案件の受注及び納品が完了したものの、当期の活動方針としてセキュリティ・プロダクトの販売及び研究開発を軸とした活動を行なってきたことから、セキュリティ・サービスの売上高は対前期比マイナス24.0%の減益となった。

 その他、「FFRI Limosa」の販売促進策の一環として、金融機関との間に電子決済事業等で多くの取引実績を持つNTTコムウェアと「FFRI Limosa」の独占販売契約を締結し、独占販売契約金50百万円の売上計上を行った。

 以上の結果、当期の売上高は対前期比+21.9%の増収、営業利益・経常利益では共に、対前期比+70%以上の増益となった。

株式の状況
VC出資はロックアップの対象、ストックオプションのボリュームはそこそこ
 ベンチャーキャピタルからの出資があるが、全数が売出またはロックアップの対象となっている。ストックオプションの未行使残高があり、大半が上場後即行使可能な状態となっている。希薄化効果は10%以下にとどまるものの、一定の考慮は必要かと思われる。

A. 発行済み株式数 1,704千株(単元100株、14.6に1:300株式分割後)
B. 公募 140千株、増資によるオーバーアロットメント 49,900株
C. 売出し 193千株(売出し元は法人120千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 162千株
 E. うち潜在株式に算入する数 126千株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,019,900株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 438千株
既存株主へのロックアップ情報:法人1社とベンチャーキャピタル5組合、会社関係者4名に対して90日間。但し、法人・組合については、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は1,668千株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
09年6月 108,000株 400円 12年2月〜16年6月
11年6月 18,000株 400円 13年7月〜18年6月
13年6月 36,000株 584円 15年6月〜20年6月

 目論見書でのFFRIの想定発行価格は1,340円で、この価格に基づく公募によるFFRIの手取り概算額は約166百万円とされている。

 別途予定されている第三者割当増資の手取概算額上限61百万円と合わせた資金使途は、新技術の研究、既存製品のアップデート及び新製品の開発のための研究開発部門の人件費に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 FFRIのウエブサイトには、8月31日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。掲載されている関連情報は、上場承認のプレスリリースと業績予想の開示程度となっている。


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