IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
横田製作所(6248 JASDAQスタンダード)IPO |
良く言えば安定的だが、伸びも小さい 震災復興による特需もあるようだが、結果としては業績面に大きく寄与している点は見当たらず、よく言えば安定的、悪く言えば伸びのない業績となっている。 14.3期業績予想でのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約7倍となる。安定的な業績動向を踏まえると順当な価格設定と考えられる。最近のマーケット環境が好転していることを考慮すると、若干想定よりも高い評価を受けることは可能だろうが、大きく価格変動する要素は見当たらない。 個別データ(肩は対前期比(%))
横田製作所は、業務用のポンプ・バルブの分野で顧客から受注を受けて、開発から製造(鋳造、加工、組立)、販売を行っている。現在では、自社開発の特殊ステンレス合金鋳鋼を組み合わせることによって、発電所、製鉄・非鉄金属・半導体・電子機器・産業機械・食品・化学・薬品などの各種工場、農業用灌漑施設、上下水道施設、水族館などの分野で使用されている。 また、横田製作所の製品の納入先である発電所、各種工場などにメンテナンス用部品の供給と外部の保守管理委託先などを利用して、定期点検工事サービス業務も行っている。 主要な製品は以下の通り。 ・ 自吸渦巻ポンプ / 空気やスラリーの混在した水でも吸い上げることができる気水分離機構を有する自吸ポンプで、設備用として広範囲で使用。 ・ 脱泡・脱気装置 / 機械的に液体中の空気を排出し、加圧移送できる装置。食品、化学、薬品分野等で使用。 ・ 片吸込渦巻ポンプ / 特殊ステンレス合金鋳鋼による耐食・耐摩耗性を兼ね備えた非自吸式のポンプで、設備用として広範囲に使用。 ・ 大型斜流ポンプ / 特殊ステンレス合金鋳鋼の大型ポンプで、石炭火力発電所における排煙脱硫装置循環ポンプとして使用。 ・ 無水撃チェッキ弁 / 水撃の発生しない弁。設備の安全性を重視する上下水道設備等で使用。 ・ 自動制御弁 / 圧力の変動に関係なく所定流量が得られる弁や、自動的に所定の圧力が保持できる弁で、農業用灌漑施設などで使用。 |
■12.3期実績 ポンプ製品では水処理施設関連やプラントメーカーなど、海外を除く全ての販売分野で売り上げが増加し、同製品の売上高は対前期比+54.1%の増収となった。バルブ製品では、プラントメーカーへの販売は減少したものの、官公庁向けの自動制御弁の販売が増加したことによって、同製品の売上高は対前期比+14.5%の増収となった。 部品・サービスでも、電力会社関連、国内一般顧客、官公庁の分野で受注・売上が共に増加し、売上高は対前期比+26.5%の増収となった。 以上の結果、全体の売上高は、震災復興関連の需要が大幅に増加したことを背景として、対前期比+35.8%の増収となった。増収効果によって、営業利益・経常利益は共に対前期比+60%超の増益となった。 ■14.3期業績予想 事業環境としては、世界経済の緩やかな回復、国内需要や輸出の穏やかな増加等によって前期を上回る需要があると見込み、前期レベルの受注を確保した上で、既存製品の新分野への進出や応用方法の開発を通じて新規取引先の開拓を行う方針としている。売上高は、対前期比+0.6%の若干の増収の見通し。 売上原価で、前期に賞与増加分や減価償却費の期中増加があったことの反動などを織り込んだ結果、営業利益・経常利益はそれぞれ対前期比+4.9%、+4.5%の増益となる見通し。
ベンチャーキャピタルからの出資はなく、ストックオプションの未行使残高もない。既存株主へのロックアップもあり、株式需給面での課題点は見当たらない。 A. 発行済み株式数 1,549,800株(単元100株、13.4に1:20株式分割後) B. 公募 250,200株(うち自己株式50,200株)、増資によるオーバーアロットメント 73,500株 C. 売出し 240,000株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,823,300株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者13名と金融機関1社に対して6ヵ月間。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。対象株数は、1,080千株。 目論見書での横田製作所の想定発行価格は720円で、この価格に基づく公募による横田製作所の手取り概算額は約160百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り上限額約52百万円と合わせた資金使途は、設備資金に約133百万円、残額は運転資金に充当する予定。 設備資金の内訳は、加工設備(横中ぐり盤)の更新、鋳造設備(砂の再生処理装置)の更新、加工設備(旋盤、フライス盤等)の更新、試験設備(運転用電源装置)の更新。
横田製作所のウエブサイトには5月11日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。ニュースリリースすら掲載されておらず、早急なサイト改善が必要と思われる。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||