IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(6085 東証マザーズ)IPO |
業績面では申し分のない成長性 建築関連の仲介と言えばいいのか、独自のビジネスモデルであり、どこが強みなのか、わかりにくい面がある。ただ、足元の業績は悪くなく、申し分のない利益の伸び率を示している。 14.3期業績予想でのEPSに基づく想定されている公募価格のPERは約16倍となる。業績面では更に高い評価がされても良いように見えるが、事業構造のわかりにくさ等が課題か。 個別データ(肩は対前期比(%))
アーキテクツ・スタジオ・ジャパンは、全国の建築家を登録・ネットワーク化するとともに、建設会社をフランチャイズ化して、建築家と建設会社を結びつけ、両者の協力のもとでプラットホーム(ビジネスの基盤となる環境)を構築し、顧客が望む住宅・商業施設等を供給するASJ建築家ネットワーク事業を行っている。 アーキテクツ・スタジオ・ジャパンは、ASJ建築家ネットワーク事業を以下の4つの売上種類に分類している。 1. スタジオロイヤリティ売上 スタジオ(加盟建設会社)の新規加盟契約に係るスタジオ加盟金及び既存スタジオに係る月額ロイヤリティ、請負契約ロイヤリティ。 2. マーケティング売上 スタジオ単位で開催されるイベントに係る企画費及び販促物等のイベント関連売上。 3. 建築家フィー売上 登録建築家の建築設計・監理業務委託契約に基づく設計料等に係るプロモーションフィー。 4. その他売上 スタジオに対する各種書籍・情報誌及び建設資材・住宅設備等の売上。 13年10月末現在の登録建築家数は、著名な建築家をはじめ新進気鋭の若手建築家など2,385名。同時点の加盟建設会社が運営するスタジオ数は、北海道から沖縄県まで全国189スタジオ。 建設会社との契約は、SV及び営業担当役員等が当該建設会社の経営方針、技術力、工事実績及び今後の営業方針を確認するとともに、当該建設会社の財務内容等を審査のうえ、ASJスタジオ運営契約を締結している。加盟建設会社は、ASJスタジオ運営契約に規定された営業エリア内(原則として1エリア=20万〜30万世帯)にスタジオを開設する。 イベントは、主に地域の公共施設を会場として、通常は土曜日、日曜日を含む2〜3日間開催されイベントの告知については、ASJスタジオ運営契約に規定された営業エリア内において、主に新聞の折込チラシ等を活用して行われ、集客が図られている。 |
■13.3期実績 住宅業界では、低金利や東日本大震災の被災地の復興需要などを背景に、2012年度の新設住宅着工戸数は前年比6.2%増の89.3万戸(出所:国土交通省)と3年連続の増加となり、2013年に入っても緩やかながら持ち直しの動きは継続している。 このような状況のもと、アーキテクツ・スタジオ・ジャパンは、ASJ建築家ネットワーク事業において、ASJブランドの浸透等を目的とした「建築家のアスリートたち」のTV放映の継続やマーケティングの強化を図るとともに、新規スタジオの開設、建築家の新規登録及びASJアカデミー会員の入会促進並びにスタジオに対する営業支援諸施策の実施等、積極的な営業活動に注力した。 その結果、当期の売上高は対前期比+3.2$の増収、営業利益・経常利益は共に同+40%前後の増益となった。 表1 売上種類別の販売実績(百万円、前期比%) 13.3期 13.9期 スタジオロイヤリティ 743 0% 524 マーケティング 361 +5.8% 203 建築家フィー 142 +13.0% 88 その他売上 101 +5.7% 67 合 計 1,349 +3.2% 884
ストックオプションの未行使残高があり、上場後即行使可能な行使条件となっているものの、ボリュームは大きいものではない。ベンチャーキャピタルからの出資があるが、大半がロックアップの対象となっているため、上場後すぐに市中に出回るVC保有株式は多いものではないとみられる。全体としては、特に致命的な問題とはならないとみられる。 A. 発行済み株式数 1,210千株(単元100株) B. 公募 250千株、増資によるオーバーアロットメント 45千株 C. 売出し 50千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 91千株 E. うち潜在株式に算入する数 91千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,596千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 292千株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者5名、ベンチャーキャピタル7組合、その他法人3社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は、1,040千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 09年1月 25,000株 1,000円 11年1月〜16年1月 09年1月 66,000株 1,000円 11年1月〜16年1月 目論見書でのアーキテクツ・スタジオ・ジャパンの想定発行価格は1,590円で、この価格に基づく公募によるアーキテクツ・スタジオ・ジャパンの手取り概算額は約357百万円とされている。 別途予定されている第三者割当増資の手取概算額上限65百万円と合わせた資金使途は、ASJ建築家ネットワーク事業の認知度向上やASJブランドの浸透等を図るための広告宣伝費用に63百万円、スタジオ運営会社への営業支援等に係る販売促進費用に73百万円、アーキテクツ・スタジオ・ジャパン独自開発の情報管理システム(A-POS) 及び建築家対応積算ソフト(COSNAVI)等の基幹情報システム開発に係る設備投資資金に48百万円、財務体質向上のための借入金返済に38百万円を充当し、残額については将来の設備資金に充当する予定。
アーキテクツ・スタジオ・ジャパンのウエブサイトには、11月15日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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