IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
日本コンセプト(9386 JASDAQスタンダード)IPO |
業績は堅調に推移 倉庫・運輸関連の業種のため、一見地味ではあるが、海外での取引ウエイトが高いため、国内需要にはそれほど影響を受けない面があるとみられ、足元の業績は堅調に推移している。 12.12期EPSを上半期実績を延長し、約140円程度と想定すると、想定されている公募価格のPERは約7倍となる。人気となりにくい業種・業態である点を割り引いても、足元の業績動向からは、若干の割安感はあるように感じられる。 連結データ(肩は対前期比(%))
日本コンセプトグループは、当社日本コンセプトと連結子会社7社から構成され、タンクコンテナを使用した国際複合一貫の液体物流サービスの提供を行っている。 日本コンセプトグループの主な事業内容は、ISO標準規格の液体輸送容器であるタンクコンテナを利用した液体物流サービスの提供と、タンクコンテナ自身のワンウェイリース及びそれに付随するサービスとなっている。 主な取引先は、大小の化学品メーカーや化学品等を扱う商社、及び食品会社等で、これらの国内外の取引先の化学品、石油化学品、洗剤原料、インキ、薬品、香料、食品材料等の様々な液体貨物について、タンクコンテナを輸送容器として、アジアの諸地域や欧州各国との間での液体物流サービスを提供している。なお、国内外の陸地輸送(鉄道/トラック)や、海上輸送(コンテナ船)等は外注している。 タンクコンテナの強みは、ドラム缶やタンクローリー車に比べ大量輸送が可能であるうえ、繰り返し使用することができ、また、コンテナ船やトラック及び鉄道等を組み合わせた複合一貫輸送を行うことにより、ドアトゥドアで液体物流サービスを提供できることにある。 |
■11.12期 当期は上半期に取扱量が堅調に推移した結果、通期では前年比増収を確保したが、大震災発生により国内顧客の多くが生産設備や原料の調達面で何らかの影響を受けたことで生産が低調となり、加えて7月以降の円高の進行が顧客の輸出競争力低下に繋がったことから、下半期以降、輸出輸送の減少を通じて日本コンセプトグループの取扱量も減少に転じた。また、三国間(日本発着以外の国際輸送)及び国内輸送においては、年間を通じて相応の伸びを確保したが、輸入輸送が年央にかけて一時的に増加したものの大きく伸びなかった。 以上の結果、売上高は対前期比+4.4%の増収となり、利益面では営業利益で対前期比+10.8%の増益となった。営業外収益に、通貨オプション取引での評価益を216百万円計上したことから、経常利益は同+79.8%、当期純利益で同+77.9%の大幅増益となった。 ■12.6期 昨年末にかけて取扱量が急減したことを受けて、期初は厳しいスタートとなったものの、2月以降に円高がやや緩和され80円台に戻ったことで日本企業の輸出意欲が復活したことにより、不調であった輸出取引が急回復し、同じく期初において低位横這い基調であった輸入、三国間取引についても、欧州向け等一部厳しい航路があるものの、全体としては回復基調で推移している。
ストックオプションの未行使残高はない。ベンチャーキャピタルの出資はあるものの、その大半は売出し対象に含まれており、上場後の株式需給に大きな影響を与えるものではない。 A. 発行済み株式数 3,916千株(単元100株、12.6月に1:1,000株式分割後) B. 公募 450千株、増資によるオーバーアロットメント 183,100株 C. 売出し 771千株(売出し元はベンチャーキャピタルから336千株、残は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 4,549.1千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 380千株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者5名とベンチャーキャピタル1組合、金融機関2行とその他法人2社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は3,464千株。 目論見書での日本コンセプトの想定発行価格は1,140円で、この価格に基づく公募による日本コンセプトの手取り概算額は約462百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取概算額上限192百万円と合わせた資金使途は、設備資金としてその全額をタンクコンテナの購入に充当する予定。
日本コンセプトのウエブサイトには、9月12日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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