IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
全国保証(7164 東証)IPO |
足元の業績・マーケット事情を考慮すると妥当な水準か 住宅ローンを主対象とした比較的堅実なビジネスモデル。13.3期業績予想ベースのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約6倍となる。 堅実・地味なビジネスモデルである点のほか、震災等の自然災害リスク、今後の新築住宅市場の成長性リスク等を考慮すると、上記PERは一定の納得感があり、想定されている公募価格以上には評価しにくいところ。 個別データ(肩は対前期比(%))
全国保証は、厚生年金転貸住宅資金融資制度の信用保証を目的とする会社として創業された。全国保証グループは、当社全国保証と非連結子会社1社から構成されており、住宅ローン保証を中核とした信用保証事業を行っている。 全国保証の信用保証事業は、住宅ローン等を希望かる借入希望者(保証委託者)の連帯保証を引き受ける。保証委託者は、全国保証が保証基本契約を締結している金融機関等を通して全国保証に保証委託申し込みを行い、全国保証において保証委託者の属性情報や担保物件などの状況などを審査判断した後に、連帯保証を引き受ける。 保証料については、保証期間に対応する保証料を保証開始時に原則一括で保証委託者より受領し、保証期間に応じて収益計上をしている。 保証委託者が借入れ後に返済不能に陥った場合には、全国保証は金融機関等との保証契約に基づき、金融機関等あてに代位弁済を履行の上、求償債権を取得して保証委託者に代位弁済金額の返済請求を行う。将来発生しうる代位弁済に関しては、代位弁済による損失額を見積もり、債務保証損失引当金を計上している。 代位弁済後は、全国保証が取得した求償債権を基に保証委託者から回収を図る。ほとんどの求償債権には不動産担保が設定されているため、保証委託者の実態に応じた物件売却(任意売却、競売)を実施し、回収に努めている。 全国保証が取り扱っている保証商品は、以下の通り。 1. 住宅ローン保証 2. 教育ローン保証 3. アパートローン保証 |
■12.3期実績 営業収益は、東日本大震災の影響もあって、生命保険会社に対する団体信用生命保険の取次ぎに伴う収入保証が減少したことから、対前期比マイナス2.8%の減収となった。 営業費用では、東日本大震災対応と中小企業等金融円滑化法に基づく条件変更実施先に対して、追加的に債務保証損失引当金を計上した結果、営業利益は対前期比マイナス8.5%の減益となった。営業外費用が前期と比較して減少したことから、経常利益では対前期比+10.1%の増益。
ストックオプションの未行使残高はない。ベンチャーキャピタルからの出資が一部あり、大半はロックアップの対象とはなっていないものの、ボリュームは極端に大きいものではない。ロックアップのカバー率はやや低いが、VCと取引先金融機関の一部がはずれていることが背景となっている。 A. 発行済み株式数 25,656千株(単元100株、12年9月に1:100株式分割後) B. 公募 7,350千株、増資によるオーバーアロットメント1,423,100株 C. 売出し 2,137,800株(売出し元は生命保険会社1,000千株、会社関係者100千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 34,429,100株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 約2,038千株 既存株主へのロックアップ情報: 金融機関29社、会社関係者6名に対して180日間。対象株数は、約19,873千株。 目論見書での全国保証の想定発行価格は950円で、この価格に基づく公募による全国保証の手取り概算額は約6,924百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り上限額約1,342百万円と合わせた資金使途は、新規・既存取引先金融機関との取引関係強化を目的とし、当該金融機関が取り扱う各種商品への投資に8,166百万円を充当し、残額は保証受託契約件数の増加への対応と、業務効率の改善に資するシステム投資に充当する予定。
全国保証のウエブサイトには11月17日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていないものの、金融系ビジネスのため、業績に関する情報開示は別途なされている。現在掲載されているコンテンツは、中期経営計画や業績ハイライト、ディスクロージャー誌などとなっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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