6072地盤ネットIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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地盤ネット(6072 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

内容は悪くないものの、既存株主に有利すぎる
 住宅耐震性評価や防災への意識が高まりつつある中で、時流に乗ったビジネスを展開している点が、非常に特徴的であり、業績上の強みとなっている。

 13.3期業績予想ベースのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約24倍となり、当面の成長性は既に評価に織り込まれている。更に高い評価になることも十分考えられる。

 ただ、出資済のベンチャーキャピタルは六アップの対象となっていないために、いつでもイグジット可能である点や、ストックオプションの行使価格が極端に安く、保有者に非常に有利になっている点など、既存株主・従業員にとって有利な上場となる。新規株主をどう取り扱っていくのかは、注視される。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 11/3 12/3 12/9 13/3予
売上高(百万円)
166
280.8%
631

606
99.3%
1,257
営業利益(百万円)
27
541.6%
176

153
103.6%
358
経常利益(百万円)
31
460.5%
176

153
101.1%
354
当期利益(百万円)
19
408.4%
97

87
109.1%
202
総資産(百万円)
純資産(百万円)
121
69
536
256
637
343
--
--
株主資本比率(%) 57.1% 47.7% 53.8% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
25.8%
27.4%
32.8%
37.7%
24.0%
25.4%
--
--
発行済株式数 6,025 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
3.2
12
16.0
42
14.4
57
33.5
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
住宅地盤の調査、解析及び地盤品質証明サービスの提供
 地盤ネットは、地盤改良工事を行わない地盤解析専門会社として、一般的には、地盤調査、地盤解析、地盤改良工事が同一の事業者によって行われているケースが多い中、第三者的立場かつ専門家としての見地から、地盤改良工事の要・不要についての判定情報を工務店、住宅設計事務所及びハウスメーカーに提供する。地盤解析事業を展開している。

 地盤ネットは、工務店等からの依頼に基づき、住宅の地盤調査データから地盤の強度や沈下の可能性を解析し、適正な住宅基礎仕様を判定の上、判定根拠を記載した地盤解析報告書及び判定結果を証明する地盤品質証明書を有償で提供している。

 地盤ネットが地盤品質証明書を発行した住宅において、住宅が傾く不同沈下等の地盤事故が発生した場合には、当該住宅の引渡日から10年間、最大5,000万円の地盤修復工事費用及び住宅の損害等を地盤ネットが工務店等に対して賠償する。

 地盤ネットの損害賠償の体制は、国内大手保険会社と保険契約を締結することで、損害賠償金の支払いに備えている。更に、一般社団法人地盤安心住宅整備支援機構を、地盤ネットと連名での地盤品質証明書の発行主体とし、また保険契約上の連名被保険者とすることで、地盤ネットが債務不履行となった場合でも、工務店等―損害賠償金が支払われる体制を構築している。

 地盤ネットが提供する主なサービス内容は、以下の通り。
1. 地盤解析サービス
 工務店等からの依頼に基づき、住宅の地盤調査データを解析し、適正な住宅基礎仕様を判定の上、判定根拠を記載した地盤解析報告書、判定結果を証明する地盤品質証明書を提供。

2, 地盤調査サービス
 工務店からの依頼に基づき、地盤改良工事の受注を目的としない地盤調査を信頼して任せることのできる外注先による住宅の地盤調査を行い、工務店等へ地盤調査報告書を提出。

2. 部分転圧工事サービス等
 工務店等からの依頼に基づき、外注先による部分転圧工事を施工し、部分転圧工事後に地盤の再調査を実施した上で、工務店等へ施工完了と再調査結果の報告を行う部分転圧工事サービスを提供。
収支の状況
12.3期は対前期比5倍の大幅増益を達成、13.3期も倍増予想

■12.3期実績
 「地盤セカンドオピニオン」は、サービス開始から3年4ヶ月で累計1万件を達成し、その後もサービス利用件数は、増加を続けている。また、12年4月から期間限定で提供を行った「地震補償保険付き地盤品質証明」や、地盤調査から品質証明書の発行まで一貫したサービスを提供する「地盤安心住宅システム」などの切り口を提案し、売上の拡大を図った。

 以上の結果、売上高は対前期比+280.8%の増収となり、営業利益・経常利益では対前期比で約5倍と、大幅な増益となった。

株式の状況
ベンチャーキャピタルとストックオプション付与者に対して非常に有利な条件
 ベンチャーキャピタルからの出資があり、これは全てロックアップの対象から外されている。ストックオプションのみこぅしづん高もあり、こちらも行使可能時期に入っていないものが一部あるものの、行使価格は極端に低く設定されている。ベンチャーキャピタルとストックオプション付与者に対して非常に有利な条件になっている。

A. 発行済み株式数 5,284千株(単元100株、12年8月に1:400株式分割後)
B. 公募 384千株、増資によるオーバーアロットメント 117千株
C. 売出し 400千株(売出し元は)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 412千株
 E. うち潜在株式に算入する数 240千株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 6,025千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 900千株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者1名と法人2社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は、3,900千株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
11年6月 200,000株 100円 13年7月〜21年6月
11年6月  40,000株 100円 13年7月〜21年6月
12年3月 172,000株 100円 14年3月〜21年6月

 目論見書での地盤ネットの想定発行価格は720円で、この価格に基づく公募による地盤ネットの手取り概算額は約249百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取り上限額約77百万円と合わせた資金使途は、知名度向上や拡販のための広告宣伝費と収益拡大による売上債権増加に伴う運転資金に充当する予定。

情報開示の状況
開示の用意あり
 地盤ネットのウエブサイトには既に、投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは会社概要程度。


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