IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
サクセスホールディングス(6065 JASDAQスタンダード)IPO |
営業利益の伸びが期待ほどではない点が残念 今後の需要の伸びが十分に見込める、新形態のサービスとして評価したいところだが、12.12期の業績予想では開園費用の増加が影響して、売上高が伸びるほどには営業利益が伸びない点が、非常に気になるポイントとなっている。 12.12期業績予想ベースのEPSに対する、想定されている公募価格のPERは約11倍となっており、意外な営業利益の伸び悩みを考慮すると妥当な価格水準と思われる。 連結データ(肩は対前期比(%))
サクセスホールディングスグループは、持株会社のサクセスホールディングスと子会社から構成されており、「受託保育事業」と「公的保育事業」を展開している。 サクセスホールディングスグループの保育事業は、「受託保育事業」と「公的保育事業」の2セグメントに分かれている。「受託保育事業」は、病院、大学、企業などに勤務されている保護者向けの保育施設の運営を受託する事業で、「公的保育事業」は、認可保育園や認証保育所、学童クラブや児童館、全児童対策事業施設などの公的な保育施設を運営する事業。 受託保育事業では、設置主体となる病院や大学、企業などから、従業員の福利厚生施設として設置された設備の提供や、運営料の支払いを受けている。一定の設置主体に対しては、公的な助成金が支給される。12年3月末現在で、医療法人91施設、国・公立大学病院19施設、私立大学病院14施設、公立病院11施設、国立大学5施設、その他5施設の運営を行っている。 公的保育事業では、認可保育園については、都道府県知事による認可を受け、自治体が徴収する保育料及び運営補助金を当社グループにおいて収受している。認証保育所については、東京都から認証を受け、一定の運営補助金等を受けるとともに、当社グループにおいて保育料の徴収を行っている。 12年3月末現在の運営施設数は、認可保育園21、認証保育所5、学童クラブ25、合計51施設となっている。
サクセスホールディングスのウエブサイトには7月3日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認のニュースリリースが掲載されている程度。 |
■11.12期実績 受託保育事業では、筑波大学附属病院や神戸大学医学部附属病院、総合南東北病院、茅ヶ崎市立病院など新たに10の病院で院内保育施設を開設した。また、企業内保育施設として、新たに武田薬品工業株式会社の研究所内の保育施設を受託し、更に、特別養護老人ホーム内の託児所や市民会館内の託児所の運営も開始しました。これにより、年度末における受託保育事業の施設数は142施設、売上高は対前期比+5.9%の増収となった。 公的保育事業では、直営認可保育園を4園開設し、当社グループとして初めてとなる東京都内の認可保育園を開設した。また、学童保育施設を3施設開設した。これにより、年度末における公的保育事業の施設数は51施設、売上高は対前期比+26.3%の増収となった。更に、新規開設に伴う設備補助金収入(営業外収益)も発生した。 以上の結果、売上高は対前期比+14.7%の増収となり、営業利益は同+95.1%、経常利益は同+175.3%の増益となった。当期利益では、前期に減損損失112百万円を計上したことから、同+674.8%の大幅な増益となった。 ■12.12期業績予想 市場の全般的な見通しとしては、依然として待機自動は解消しておらず、現在も子育て支援を拡充する必要性は継続しているため、国・自治体が中心となって子育て支援の拡充を図っており、今後も保育事業における市場規模は拡大していくと見込んでいる。 受託保育事業では、今後も女性労働者確保のための事業所内保育施設の拡大が見込まれ、特に医療・福祉分野では、主要な顧客である病院からの継続的な需要が見込まれ、対前期比+5.1%の増収を見込んでいる。 公的保育事業では、認可保育園6施設、公設民営保育園1施設、学童施設4施設を新規に開設し、12年4月から運営を開始した。この新規稼動施設の貢献等によって、対前期比+30.2%の増収の見通し。 新規開設数の増加に伴う開園準備費用の増加によって販売費・一般管理費が増加することを織込んでいることから、営業利益では対前期比+0.5%の増益と微増にとどまる見通しだが、公的保育事業にかかわる設備補助金の受け取り等により、経常利益では、対前期比+14.2%の増益となる見通し。
ベンチャーキャピタルからの出資があるが全数がロックアップの対象となっている。ロックアップのカバー率も十分な水準にある。ストックオプションの未行使残高もなく、株式需給に関しては、当面の課題は見当たらない。 A. 発行済み株式数1,550千株(単元100株、12.3に1:500株式分割後) B. 公募140,000株、増資によるオーバーアロットメント 57,000株 C. 売出し240,000株(売出し元は会社関係者35千株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,747,000株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 452,500株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者18名とベンチャーキャピタル4組合、法人1社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は1,471,000株。 目論見書でのサクセスホールディングスの想定発行価格は2,000円で、この価格に基づく公募によるサクセスホールディングスの手取り概算額は約241百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取概算額上限104百万円と合わせた資金使途は、子会社への貸付に充当する予定。なお、子会社においては公的保育事業における認可保育園用不動産の賃貸借に伴う保証金、園舎・附属設備の建築工事代金とその他什器設備等への支払に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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