IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アジュバンコスメジャパン(4929 東証二部)IPO |
想定されている公募価格水準以上に評価できる材料は見当たらない 13.3期業績予想で、当期利益は前期の大幅減の反動増であり、基本的な状況としては、売上は微増の見込みに対して、営業費用増のよって営業利益・経常利益は、2期連続で対前期比で減益となる見通しとなっている。 13.3期業績予想ベースのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約10倍となっている。現状ではこれ以上に評価できるポイントは見当たらない。公募資金によって香港への出店を行う模様であり、海外展開による業績拡大に期待したい。 連結データ(肩は対前期比(%))
アジュバンコスメジャパングループは、当社アジュバンコスメジャパンと連結子会社1社により構成されており、美容室・理容室・エステティックサロン(サロン)向けアジュバン化粧品の商品企画、研究開発、販売を主な事業としているほか、これに附帯するサービス業務を営んでいる。 商品販売については、アジュバンコスメジャパンから代理店経由又は直接サロンに商品を販売し、サロンが消費者へカウンセリングによる販売を行っている。アジュバンコスメジャパンではサロン向けに商品の説明及び販売への知識・技術の提供を行い、カウンセリング&エステティックセミナー、ベーシックセミナー等のセミナー、体験会を実施している。 アジュバンコスメジャパンの取扱い品目は、次の3区分。 ■スキンケア/ クレンジング、洗顔料、化粧水、美容液、マスク、保湿クリーム、化粧下地、メイクアップ ■ヘアケア/ シャンプー、トリートメント、頭皮用クレンジング、頭皮用ローション、スタイリング ■その他/ ボディケア、サプリメント、MAPシステム MAPシステムは総合的なサロン経営サポートシステムであり、主な機能は次の通り。 1. 予約受付、顧客管理、スタッフ分析などの顧客管理機能 2. WEB予約、メール配信、ショッピングサイトなどのWEB機能 3. 売上・在庫管理、経営分析、勤怠管理などの経営分析機能 |
■12.3期 12.3期は、商品展開としては、基礎化粧品シリーズであるAEシリーズより洗顔石鹸、化粧水、美容液のリニューアル、立体型シート状美容液マスク、栄養機能食品の販売を開始し、更に、顧客の固定化を図るために、ホームカラーとサロンカラーの差別化を図るヘアサロンにしかできないサービスの向上に関する情報提供、教育をサロンに向けて進めるとともに、その他頭皮頭髪保護を目的としたプロユースのヘアカラーのトリートメントメニューやホームケアの重要性を推進する活動に取組んだ。 また、顧客管理機能と顧客分析機能を搭載したサロン経営戦略システム「MAPシステム」によりサポート体制を充実させ、サロンとのより強い信頼関係づくりに努めたほか、11年9月に岡山市北区下石井に岡山営業所、石川県金沢市鞍月に金沢営業所を開設した。 以上の結果、当期の売上高は対前期比+2.0%の増収となったものの、販売費及び一般管理費で、人員の増加に伴う役員報酬・給与の増加と、営業用タブレットPC及び周辺機器購入による消耗品費の増加、事業税の増加に伴う租税公課の増加が発生したため、要営業利益・経常利益では同マイナス3-4%の減益となった。更に、当期利益では、過年度法人税等の発生に伴い、同マイナス48.4%の減益となった。
ベンチャーキャピタルからの出資はなく、ロックアップのカバー率も十分に高い。ストックオプションの未行使残高があるものの、半数以上は当面行使不可能となっている。株式需給面では、取り立てて問題となる点は見られない。 A. 発行済み株式数 2,884,200株(単元100株、12年6月に1:3株式分割後) B. 公募 750千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 250千株(売出し元は会社関係者2名)、既発株のオーバーアロットメント 150千株 D. ストックオプション等の残高総数 393千株 E. うち潜在株式に算入する数 147千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 3,781,200株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者7名と法人2社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は約2,759千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 10年2月 147,000株 573円 12年3月〜20年1月 12年2月 246,000株 924円 14年3月〜22年1月 目論見書でのアジュバンコスメジャパンの想定発行価格は1,350円で、この価格に基づく公募によるアジュバンコスメジャパンの手取り概算額は約906百万円とされている。資金使途は、長期借入金の繰上返済に706百万円、香港出店の出店費用に80百万円、香港出店の運転資金に120百万円を充当する予定。
アジュバンコスメジャパンのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。上場関連の資料が掲載されている等、上場前段階としては、十分な開示内容となっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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