4585UMNファーマIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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UMNファーマ(4585 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:医薬品

現時点での投資には高いリスクを伴うか
 足元の業績は赤字決算が続く、バイオベンチャー企業。季節性組換えインフルエンザHAワクチンは第III相の臨床試験となっているが、製品化されるまでは収益としては見込みにくい。更に、公募株式の単元数が27千単元、公募規模が約40億円と、バイオベンチャーとしては比較的規模の大きい案件のため、株式の希少性が無い点も、投資リスクの一つとなる。

 現状で取得することには、相当のリスクが伴うとみられる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 10/12 11/12 12/9 12/12予
売上高(百万円)
2,000

1,000

0

100
営業利益(百万円)
359

-1,075

-1,614

-2,049
経常利益(百万円)
350

-1,080

-2,182

-2,609
当期利益(百万円)
383

-478

-1,610

-1,991
総資産(百万円)
純資産(百万円)
5,437
2,113
3,813
2,824
8,609
1,936
--
--
株主資本比率(%) 38.9% 74.1% 22.5% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
6.4%
18.1%
--
--
--
--
--
--
発行済株式数 8,219.7 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
47
257
--
344
--
236
--
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
医薬品の開発・製造・販売
 UMNファーマグループは、当社UMNファーマと連結子会社1社から構成されており、満足な治療法や製造技術のない領域にて、革新的な医薬品を迅速に開発することを会社のミッションとして、一般的な創薬型バイオベンチャーにおいて重要な事業領域である「創薬」領域に加え、独自の製造プラットフォームを保有することにより、バイオ医薬品の製造も担うことのできるバイオファーマ事業を行っている。

 UMNファーマでは、開発・製造・販売において、以下のパートナーと提携している。
1. 原薬製造における提携
 IHIと、当社が開発する日本初の組換えインフルエンザHAワクチン原薬の製造事業に関して、共同で事業運営を行う基本協定を締結、その後、バイオ医薬品原薬製造に協業範囲を拡大。

2. 製剤化工程における提携
 アピ株式会社と、当社が開発する組換えインフルエンザHAワクチンの製剤化工程業務に関する包括提携を行う基本協定書を締結し、当社開発中の製品を最終製品に仕上げることが可能となった。

3. 開発・販売における提携
 アステラス製薬株式会社と、当社が開発するUMN-0502及びUMN-0501の日本における共同開発、独占販売に関し、細胞培養インフルエンザワクチンの共同事業化契約を締結。

現在では、下記パイプラインの開発が進行中となっている。
1. UMN-0502(季節性組換えインフルエンザHAワクチン(多価))
 季節性インフルエンザワクチンに当たるもので、毎年冬のシーズンに接種する予防ワクチン。

2. UMN-0501(組換えインフルエンザHAワクチン(H5N1)
 近年、世界的流行の危険性が指摘され、世界レベルでその対応が急務となっている高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1亜型に対する予防ワクチン。

3. UMN-0901(組換えインフルエンザHAワクチン(H9N2))
 UMN-0501と同様、パンデミックインフルエンザを引き起こしうるウイルスとして懸念されているインフルエンザウイルスH9N2亜型に対する予防ワクチン。

4. UMN-2003(組換えノロウイルスVLP+組換えロタウイルスVP6混合ワクチン)
 小児の急性胃腸炎の原因ウイルスの一つであるノロウイルス2遺伝子型のウイルス様粒子(Virus Like Particle:VLP)とロタウイルスのウイルスタンパク(VP6)を混合したアジュバントを含まない予防ワクチン。
収支の状況
まだ製品開発段階にあり、当面は赤字見通し
■12.12期実績
 当期は、季節性組換えインフルエンザHAワクチン、組換えインフルエンザHAワクチンの開発に経営資源を重点的に配分し研究開発及び製造プラットフォームの整備を進めた。秋田県秋田市で建設を進めていたインフルエンザワクチンの原薬製造施設(秋田工場)が2011年3月に完成、同4月より稼働し、確定検査を経て、厚生労働省から3百万円の国庫補助金を収受した。

 また、開発・販売提携パートナーであるアステラス製薬は、2011年8月からUMN-0501の高用量試験に係る被験者への接種を開始、また、UMN-0502も2011年9月に第I/II相臨床試験に係る被験者への接種を開始した。2011年12月にはUMN-0502第I/II相臨床試験において、次のステップへの移行が可能であると判断される良好な有効性及び安全性に関する結果が得られたことから、アステラス製薬との契約に基づき、UMN-0502に係る開発マイルストーンペイメントを収受した。

 以上の結果、当期の売上高は対前期比マイナス50.0%の減収となった。一方、各開発パイプラインの研究開発を積極的に展開した結果、営業損失、経常損失を計上した。

株式の状況
VC出資ウエイトは高いが大半がロックアップの対象
 創薬系ベンチャービジネスのため、ベンチャーキャピタルからの出資ウエイトが非常に高い点が特徴。ただ、大半がロックアップの対象になっており、上場直後からの売却リスクは小さい模様。

 一方、ストックオプションの未行使残高も相当数ある。一部は行使価格が想定されている公募価格を上回っており、当面の行使は難しいとみられ、上場直後から行使可能なボリュームとしては、200千株程度とみられる。

A. 発行済み株式数 4,786,700株(単元100株、11年8月に1:50株式分割後)
B. 公募 2,720千株、増資によるオーバーアロットメント 513千株
C. 売出し 株(売出し元は学校法人1校、会社関係者2名とベンチャーキャピタル多数)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 571,500株
 E. うち潜在株式に算入する数 200,000株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 8,219,700株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,592,150株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者8名と法人2社、ベンチャーキャピタル多数に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
05年7月 20,000株 560円 07年7月〜15年7月
05年7月 15,000株 560円 07年7月〜15年7月
05年7月 2,500株 560円 07年7月〜15年7月
05年12月 70,000株 700円 07年12月〜15年12月
06年7月 72,500株 800円 08年9月〜16年7月
06年2月 20,000株 800円 08年10月〜16年7月
06年11月 24,500株 1,680円 09年6月〜16年11月
07年6月 225,000株 1,680円 07年6月〜16年11月
06年11月 42,000株 1,680円 08年11月〜16年11月
10年1月 30,000株 2,200円 12年1月〜20年1月
10年1月 8,000株 2,200円 12年1月〜20年1月
10年1月 3,000株 2,200円 12年1月〜20年1月
10年1月 25,000株 2,200円 12年1月〜20年1月
10年1月 10,000株 2,200円 12年1月〜20年1月
10年1月 1,000株 2,200円 12年1月〜20年1月
10年1月 3,000株 2,200円 12年1月〜20年1月

 目論見書でのUMNファーマの想定発行価格は1,600円で、この価格に基づく公募によるUMNファーマの手取り概算額は約3,974百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取概算額上限755百万円と合わせた資金使途は、全額を当社連結子会社への投融資資金に充当する予定。当該子会社ではその資金を岐阜工場における組換えインフルエンザHAワクチン原薬製造設備に係る設備資金に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 UMNファーマのウエブサイトには11月9日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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