3896阿波製紙IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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阿波製紙(3896 東証二部)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:パルプ・紙

13.3期だけを見れば妥当だが、大幅減益のリスクは気になるところ
 12.3期は経常利益で対前期比マイナス63%と大幅減益となった一方、13.3期は同+150%超の増益見込みとなっており、変動幅の大きさは気になる。

 13.3期業績予想ベースのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約9倍となり、13.3期断面だけを見れば、妥当な水準に見える。但し、外部環境の動向次第では、再度12.3期のように減益となるリスクも、この実績を見ていると、ないとは限らないと見られ、中長期的な保有にて、一定の配慮が必要と思われる。

連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 11/3 12/3 12/6 13/3予
売上高(百万円)
16,029
-1.6%
15,768

4,306
11.0%
17,500
営業利益(百万円)
970
-65.3%
298

303
154.7%
760
経常利益(百万円)
811
-63.2%
298

303
154.7%
760
当期利益(百万円)
341
-88.0%
41

169
951.3%
430
総資産(百万円)
純資産(百万円)
14,838
4,340
15,437
4,334
16,361
4,601
--
--
株主資本比率(%) 29.2% 28.1% 28.1% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
5.5%
7.9%
1.9%
0.9%
1.9%
3.7%
--
--
発行済株式数 10,548(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
32.3
411
3.9
411
16.0
436
40.8
--
配当(円/株) -- 2 -- 12

事業概要
特殊紙・機能材料の製造・販売
 阿波製紙グループは、当社・阿波製紙と連結子会社2社から構成されており、機能紙・不織布の製造、開発、販売を主たる業務としている。

 阿波製紙グループの特徴としては、自動車関連業界において、エンジン用濾材やクラッチ板用摩擦材といった、自動車の動力部分に欠かすことの出来ない製品を生産・販売している点と、水処理関連業界において、海水淡水化や超純水製造等の高度な水処理に欠かすことの出来ない分離膜の支持体の生産・販売を行っている点がある。

 機能紙とは、書く、拭く、包む以外に、化学繊維、合成繊維、無機繊維、金属繊維、鉱物繊維など、多種多様な原料に、電気絶縁、導電、遮光、耐熱、防音、濾過、分離、吸着などの働きを持たせた紙をいい、不織布は繊維を織らずにふんわりと重ね、それを熱や接着剤などの物理的・化学的手段や高圧水流などの機械的手段により、繊維同士を絡ませたり接着することで製造するシート(紙)をいう。

■ 自動車関連資材
 主要な製品はエンジン用濾材、クラッチ板用摩擦材、鉛蓄電池用セパレータ原紙等。エンジン用濾材とは、特定の物質を除去するフィルターのことであり、主に自動車のエンジン周りに使用されている。クラッチ板用摩擦材は、主にオートマチック自動車のクラッチ板用摩擦材として使用され、自動車のトランスミッション(変速機)に組み込まれる。

 鉛蓄電池は主に自動車用のバッテリーとして使用されており、正と負の鉛極板と電解液で構成されており、電解液のイオン移動により充放電を行う。セパレータ原紙は鉛蓄電池に入っているプラスとマイナスの鉛極板同士がショートしないように、鉛板の間に入れる紙として使用されている。

■ 水処理関連資材
 主要な製品は分離膜用資材。分離膜とは、純度の高い水を製造する際に使用され、一定の大きさ以下の分子又はイオンのみを透過させる膜をいう。海水などの濃度の高い液体に圧力を掛けることで、分離膜を通し水分子だけを透過させ、純度の高い水を製造しているが、大量の水を短時間で製造するためには高圧力が必要になり、分離膜だけでは圧力に対する強度が弱いため、そのサポート材として分離膜支持体が使用されている。

 分離膜と分離膜支持体を使用したモジュール(分離膜とその支持体及び流路材を一体化し圧力容器に加工成型した水処理用部品)は、主に北米や中近東、南欧での海水淡水化プラント、半導体製造に使用する超純水製造設備、下水や排水処理施設などで使用されている。

 また、廃水処理分野ではMBR(膜分離活性汚泥法)用浸漬膜ユニットの製造・販売を行っている。主に廃水処理施設で使用されている。

■ 一般産業用資材
 主要な製品群は建材用資材、食品用資材、電材用資材など。建材用資材は、主に不燃壁材用原紙やタイルカーペットなどの芯材として使用されている。食品用資材は、主に加工食品の鮮度保持用に使用する脱酸素剤の包材として使用されている。電材用資材は、主にLED照明用の放熱部材として使用されている。

収支の状況
12.3期は対前期減益だが、13.3期業績予想ではV字回復する見通し
■12.3期実績
 阿波製紙グループの関連市場である自動車部品業界においては、上半期は東日本大震災の影響で販売が急減したが、自動車業界全体が早期復旧に取り組んだことにより下半期は自動車の生産・販売台数ともに回復したことを受け、販売が回復した。海外では、タイの洪水や中国の自動車販売の伸び率鈍化などにより世界の自動車生産・販売が大きく影響を受けた。水ビジネス市場においては、欧米諸国の金融危機に端を発した景気低迷の影響を受けた水処理プラントの建設延期などにより、水処理関連需要が低迷した。

 自動車関連資材は、新興国を中心とした自動車市場の好調を受け、東南アジア諸国においてエンジン用濾材及び鉛蓄電池用セパレータ原紙が、中国においてはクラッチ板用摩擦材が堅調に推移した。一方で、国内においては東日本大震災の発生により一部納入先への出荷が減少するなどの影響があった。この結果、自動車関連資材の売上高は、対前期比マイナス0.3%の減収となった。

 水処理関連資材は、金融危機等の影響による世界的不況が続き、水処理プラントなどへの設備投資抑制の長期化や、国内外メーカーによる新規参入の増加に伴う価格競争の激化、さらに円高の継続などにより、分離膜用資材の受注が低迷した。その結果、同資材の売上高は、対前期比マイナス3.4%の減収となった

 一般産業用資材は、海外向けの建材用資材が、円高の影響を受け低迷し、売上高は対前期比マイナス5.0%の減収となった。

 以上の結果、阿波製紙グループの売上高は、対前期比マイナス1.6%の減収となった。更に、利益面では、営業利益で同マイナス65.3%、経常利益で同63.2%、当期純利益で同88.0%の大幅な減益となった。

表1 品目別販売実績(百万円、前期比%)
         12.3期   12.6期
自動車関連資材 10,059 -0.3% 2,643
水処理関連資材  4,008 -3.4% 1,251
一般産業用資材  1,699 -5.0% 410
合     計 15,767 -1.6% 4,305

株式の状況
VC出資はあるものの微量
 ストックオプションの未行使残高はない。ベンチャーキャピタルからの出資があるもののボリュームは小さい上にロックアップの対象となっており、株式需給への影響は小さいと見られる。

A. 発行済み株式数 8,272,676株(単元100株)
B. 公募 1,900,000株、増資によるオーバーアロットメント 375,000株
C. 売出し 600,000株(売出し元は会社関係者400千株、残は法人)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 10,548千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 100千株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者11名と法人9社、ベンチャーキャピタル1組合に対して180日間。対象株数は約7,158千株。

 目論見書での阿波製紙の想定発行価格は370円で、この価格に基づく公募による阿波製紙の手取り概算額は約689百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取金概算額の上限138百万円と合わせた資金使途は、全額を設備資金に充当する予定。

 設備資金の内訳は、本社本館追加工事及び研究棟の改修工事として105百万円、徳島工場の量産化対応設備及び研究開発用試験機の導入、井戸設備の更新費として320百万円、その他各工場の既存設備の更新、改修及び生産合理化のための設備投資費用として402百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 阿波製紙のウエブサイトには9月26日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。関連情報としては、決算公告と上場承認のニュースリリースが掲載されている程度となっている。


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