IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
enish(3667 東証マザーズ)IPO |
話題性の高い銘柄とみられるが、一方で課題点もあり 話題性が高く、事業の成長性も期待されるソーシャルアプリゲーム関連銘柄となっており、注目の上場案件となる。 業績的には、12.12期業績予想でみると、売上高は対前期で高い伸びが予想されているものの、利益に関しては10%強程度の見込みとなっている。このビジネスモデルで、足元の状況としては利益の伸びも2倍、3倍で見込んでも良さそうな印象であり、今回の業績予想は意外に伸びが低い感がある。 また、ストックオプションの未行使残高が大量にあり、こちらの行使リスクも課題となる。注目される銘柄だが、一方で課題点も存在し、極端に高い評価はしづらい。 個別データ(肩は対前期比(%))
enishはインターネットを通じたソーシャルアプリの企画・開発・提供を行うソーシャルアプリ事業を主たる事業としている。enishの提供するソーシャルアプリについては、グリーが運営する「GREE」を中心とした主要なソーシャルゲームプラットフォームを通じてサービスを提供しており、ユーザーへの課金、料金の回収は当該ソーシャルゲームプラットフォーム事業者に委託するとともに、enishはその対価として、システム利用料を支払っている。 enishが提供する主要なソーシャルアプリは以下の通り。 ぼくのレストランII/ 1,000種類以上の料理が作れるレストラン経営シミュレーションゲーム ガルショ/ 世界中で商品を買い付けてアパレルショップを経営するシミュレーションゲーム ボクらのポケットダンジョン2/ 1,000種類以上のモンスターと一緒に冒険する探索型RPGゲーム 料理の鉄人/ 伝説の鉄人との料理バトルゲーム プラチナ・ガール/ 自由にファッションをコーディネートしてNo.1モデルを育成するシミュレーションゲーム ドラゴンタクティクス/ 龍の血を引く王女を探し出す騎士たちの物語をモチーフにしたカードバトルゲーム |
■11.12期 Enishの事業領域であるソーシャルアプリを取り巻く環境は、アクセスに必要な高速データ通信に対応した第三世代携帯電話端末の台数が、12年末現在で約1億2千万台となり、国内における携帯電話の累計契約台数の約99%を占めるに至っている。 また、12年度における国内ソーシャルゲーム市場は約2,570億円に達すると見込まれ、09年度の371億円(ユーザー課金ベース、広告収入除く)から2年間で約6.9倍と、急速に拡大している。 こうした事業環境の中、enishではソーシャルアプリタイトルを「GREE」を中心に順次投入した。09年10月にリリースした「ぼくのレストラン」に続く「ぼくのレストランII」が息の長い成長を続けており、10年11月にリリースした「ガルショ」も順調な伸びをみせ、収益の拡大に寄与している。更に、12年7月にはローソンと共同事業としてキャンペーンを実施した。(前期が11か月決算のため、前期比比較なし)
ベンチャーキャピタルからの出資はなく、ロックアップのカバー率も十分に高くなっている。問題は、ストックオプションの未行使残高が大量に存在することで、行使価格も極端に安く設定されており、行使制限がかかっているものを除けば、即行使可能となっている。ストックオプション未行使残高の総数約749千株のうち、558千株分は上場後から即行使可能とみられる。発行済株式数の約2割というボリュームであり、注意が必要。 A. 発行済み株式数 2,426,400株(単元100株、12年9月に1:20株式分割後) B. 公募 50千株、増資によるオーバーアロットメント 159千株 C. 売出し 1,040千株(売出し元は法人2社970千株、残は会社関係者2名)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 748,680株 E. うち潜在株式に算入する数 558,000株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 3,193,400株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報:法人2社と会社関係者4名に対して180日間。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。対象株数は3,117千株 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 10年5月 308,360株 50円 12年5月〜20年5月(割当日後、3年経過まで1/2、4年まで3/4の行使制限あり) 11年6月 403,820株 250円 11年7月〜19年7月(行使制限なし) 11年6月 36,500株 250円 13年9月〜21年9月(割当日後、3年経過まで1/2、4年まで3/4の行使制限あり) 目論見書でのenishの想定発行価格は780円で、この価格に基づく公募によるenishの手取り概算額は約32百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り上限額約123百万円と合わせた資金使途は、事業の拡大を目的としたプロダクトラインの増強に関する人材の採用費に49百万円、人員増加に伴う本社事務所の移転・増床等における設備投資資金(内装工事、什器備品、敷金・保証金)180百万円の一部に充当する予定。
enishのウエブサイトには11月9日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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