IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
グランディーズ(3261 福岡Q-Board)IPO |
業態は注目されるが、株価としてはほぼ妥当か 特定の地域を地盤として、ニッチなマーケットを対象とする不動産販売事業を展開しており、足元の成長性は高い。13.12期業績予想ベースのEPSに基づく、想定されている公募価格のPERは約6倍となる。 グリーンシートでの取引実績(直近で330円)も考慮すると、ほぼ妥当か、或いは13.12期業績まで加味すればもう少し高く評価しても良いようにも見えるものの、地方市場への上場であり、大幅に高い評価は望みにくい。 個別データ(肩は対前期比(%))
グランディーズは、建売住宅および投資用・分譲用マンションの販売と、建築請負を主体とする不動産販売事業を行っている。 建売住宅販売事業では、コンパクトな木造戸建て住宅「フォレクス」を大分市や別府市の中心部に企画・開発し、提供している。基本プランは、3LDK(約80m2)と4LDK(約86m2)の2タイプで、1,800万円〜1,900万円を中心価格帯とする低価格で、若年ファミリー層や単身者をターゲットとしている。 マンション販売事業では、「レスコ」シリーズと「ラグジン」シリーズのマンションを企画・開発し、提供している。 レスコは、個人富裕層向けに一棟単位で提供する投資用マンション。一棟当たり16-30室程度の小型の賃貸用マンションで、販売価格は、100-300百万円前後としている。 ラグジンは、若年ファミリー層や単身者向け分譲マンションであり、一次取得者をターゲットに、新しい街づくりが進みながらも競合他社の進出が遅れている地域に的を絞り、20-30戸の小規模の物件を開発している。 建築請負事業は、木造戸建て賃貸住宅や一般住宅の建築、各種リフォームの工事等を請け負っている。戸建て賃貸住宅は、駐車場にしか利用できそうもない変形の土地や、狭小な遊休地に建築が可能であり、土地の有効活用の一手段として未稼働土地の所有者に新たな収益機会を提供している。一方、一般住宅の建築や各種リフォームの工事は、既存顧客の紹介等により受注している。 その他賃貸事業として、グランディーズが建築請負で受注した木造戸建て賃貸住宅を一括借り上げし、転貸に供することによって、賃料収入を得ている。 |
■12.12期 当期は、主力事業である建売住宅の販売に経営資源を集中し、計画的な用地取得、販売期間の短縮、粗利益率の向上に注力するとともに、3期ぶりに投資マンションの開発に着手した。建売住宅販売事業では、工期遅れによって次期に引き渡しがズレた物件もあるが、当初計画通り、大分市・別府市にて計32戸を売り上げた。以上の結果、売上高は対前期比+12.5%の増収となった。 更に、オプション工事等の増加により粗利益率が向上し、竣工前販売の定着化に伴う販売費率が抑制されたことや、固定資産の売却によって減価償却超過額が当期の損金として税務上許容されたことによって、営業利益・経常利益・当期利益はそれぞれ対前期比+53.0%、+68.5%、+26.8%の増益となった。
ベンチャーキャピタルからの出資があり、ロックアップの対象にはなっていないものの、ボリュームは大きくはない。ストックオプションの未行使残高については、上場後即行使可能であり行使価格も安いが、こちらもボリュームは大きいものではない。 A. 発行済み株式数 757千株(単元100株、08年3月に1:300株式分割後) B. 公募 250千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 株(売出し元は)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 60千株 E. うち潜在株式に算入する数 60千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,067千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 27千株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者1名に対して180日間。対象株数は706千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 07年1月 60,000株 34円 07年2月〜17年2月 目論見書でのグランディーズの想定発行価格は350円で、この価格に基づく公募によるグランディーズの手取り概算額は約72百万円とされている。資金使途は、14年3月竣工予定の分譲マンション「ラグジン高城本町」(仮称)の建設資金の一部に充当する予定。
グランディーズはグリーンシート市場で既に株式の取引がされており、グランディーズのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されており、一定の開示情報が掲載されている。 |
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