IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
シュッピン(3179 東証マザーズ)IPO |
珍しいビジネスモデルではないが、足元の成長性は評価できる 中古品を取り扱う小売事業形態であり、特に珍しさは無いのだが、インターネットでのECサイトを活用することで、高い成長性を見せている。13.3期業績予想ベースのEPSに対する、想定されている公募価格のPER約10倍となる。足元の業績の高い伸びを見ると、もう少し高い評価は可能と見られる。 個別データ(肩は対前期比(%))
シュッピンは、インターネットと店舗において、カメラ、時計、筆記具、自転車に関する中古品の買取と販売、及び新品の販売を行っている。インターネットと店舗の販売経路別の取扱い割合は概ね1:1、中古品と新品の取扱い割合は概ね1:1となっている。会員数は、12年9月末時点で約271千人となっている。 カメラ事業では、商品調達は、中古品は個人の顧客からの買取による仕入れで、新品はメーカーまたは問屋からの仕入れを行っている。買取った商品は、シュッピン特有のリペア・クリーニングに関するノウハウにより、メンテナンスした上で、インターネット及び店舗にて販売している。 時計と筆記具に関しても、買取から販売までの流れは、カメラ事業と同様。 自転車の商品調達は、中古品は個人の顧客からの買取で、インターネットによる通信買取及び店舗買取に加えて、東京近郊を対象とした出張買取を行っており、新品はメーカーまたは問屋からの仕入れを行っている。販売は、インターネットと店舗の両チャネルで中古品と新品の販売を行っている。
シュッピンのウエブサイトには11月18日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
■12.3期 販売面では、新品・中古品の品揃えとサービスの拡充、及び買取下取りの促進を行った。カメラ事業では、ECサイトでの商品掲載数を一定水準に保ち、随時更新される最新の商品情報をタイムリーに発信することに注力したほか、今後の商品取扱量の増加への対応と、物流業務の効率化を図るために、物流拠点の拡大を実施した。 時計事業では、集客力向上のための売れ筋商品の品揃えと、季節ごとのセールスイベントの打ち出しを強化し、ECサイトにおける各種SEO対策などの定期的なメンテナンスを行った。 筆記具事業では、ファッション誌や情報誌などの筆記具専門誌以外の新規広告媒体へ店舗紹介記事を掲載することで知名度の向上を図り、新規顧客の開拓を行った。また、メーカーとの商品企画・開発によるペンケースなどアクセサリー類を中心としたオリジナル商品の展開を行い、各種ブランド毎のキャンペーンや季節毎のセールイベントの打ち出しを強化、販売時のサービスメニューの拡充を図った。 以上の結果、売上高は対前期比+14.7%の増収となった。販売費・一般管理費では、広告費やポイントカード会員へのポイント付与等の販売費の抑制を行った一方、営業体制補強のための人件費の増加や、EC売上げ増加に伴う他社ECサイト利用手数料の増加、新ECサイトの構築に伴うシステム費の増加により、対前期比+3.8%増加した。 売上高の伸びが営業費用の伸びを上回ったことで、営業利益・経常利益では対前期比で倍以上の増益となった。 表1 セグメント別販売実績(百万円) 12.3期 12.9期 カメラ 7,205 4,154 時 計 2,497 1,300 筆記具 199 99 自転車 168 109 合 計 10,072 5,664
ベンチャーキャピタルからの出資があるが、大半はロックアップの対象となっている。但し、行使制限期間は90日間と短く、また発行価格の1.5倍以上では売却可能となっており、必ずしも厳しく制限されている状況ではない。ストックオプションの未行使残高はあるものの、ボリュームは大きくない。 A. 発行済み株式数 5,000千株(単元100株、12年8月に1:100株式分割後) B. 公募 750千株、増資によるオーバーアロットメント 142,500株 C. 売出し 200千株(売出し元は会社関係者100千株、残は法人)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 107,100株 E. うち潜在株式に算入する数 107,100株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 5,857,100株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,740千株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者7名とベンチャーキャピタル7組合に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は4,739千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 07年1月 107,100株 500円 09年1月〜14年1月 目論見書でのシュッピンの想定発行価格は330円で、この価格に基づく公募によるシュッピンの手取り概算額は約222百万円とされている。資金使途は、利便性向上を主目的としたECサイトリニューアルに70百万円、仕入れ・販売システム(POS)と会計システムとを連携管理するための新POSシステム・基幹システムの導入に100百万円を充当する予定。別途予定されている第三者割当増資による手取り上限額約43百万円については、商品買入れ資金に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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