IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
三洋貿易(3176 東証二部)IPO |
評価されにくい業態だが、その点も十分に考慮された価格設定か 地味な業態であり、12.9期、13.9期の見通しでも業績は低下することはない見通しとなっているものの、伸び率としては低い。株式マーケットではなかなか高く評価はされにくい状況ではある。 但し、想定されている公募価格もこうした状況を十分に織り込んでいるとみられ、13.9期業績予想ベースのEPSに基づく想定公募価格のPERは約5倍にとどまる。この価格水準では配当利回りも6.5%となり、想定公募価格については、かなり堅く設定してきているとみられる。 連結データ(肩は対前期比(%))
三洋貿易グループは、当社三洋貿易と連結子会社7社、非連結子会社6社で構成され、ゴム、化学品、機械機器、科学機器、自動車部品その他各種商品の輸出入、国内販売を主な事業内容とし、更に各事業に関する技術サービス、研究及びその他のサービス等の事業活動を展開している。 各セグメントごとの主な取り扱い商品は以下の通り。 ■ゴム・化学品 合成ゴム、熱可塑性エラストマー、ゴム用副資材、天然ゴム、医療関連材料、可塑剤、樹脂チューブ、再生ゴム、接着剤、合成樹脂、塗料・インキ・プラスチック添加剤、工業ガス、農薬、セラミック、各種フィルム、顔料、医薬中間体、香料、界面活性剤、臭素系難燃剤、自動車用ホイール、家畜飼料、畜産資材 ■機械資材 自動車用関連用品・部品・機器、2輪車用変速機器・部品、家具、飼料用関連機器、環境関連機器、接着剤関連機材、印刷機械、塗料関連機器、分析機器、試験装置、環境測定装置、物理量・物性計測機材、工業用計器、サーマルプロセス機器、実験用機器 ■海外現地法人 合成ゴム、熱可塑性エラストマー、ゴム用副資材、天然ゴム、医療関連材料、可塑剤、樹脂チューブ、再生ゴム、合成樹脂、吸水性ポリマー、各種工業薬品、界面活性剤、各種フィルム、各種コーティング剤、自動車関連用品・部品・機器、環境測定装置、工業用機器、実験用機器、分析機器、試験装置 ■国内子会社 各種工業薬品、界面活性剤、顔料分散剤、合成樹脂添加剤、石油掘削機器、分析機器、半導体電子部品、精密電子部品加工機械
三洋貿易のウエブサイトには、9月20日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
■11.9期実績 ゴム・化学品のうち、ゴム関連商品は、国内では自動車部品用の合成ゴムやタイヤ用副資材の販売が好調に推移した。輸出は円高、素材価格の高騰、顧客の現地調達拡大により伸び悩んだものの、アジア域内への三国間貿易は伸張した。タイの日系企業向け自動車部品・情報機器用原材料販売は順調に伸びたが、米国向けの販売は減少。中国では自動車部品用の高機能接着剤やゴムコンパウンドの販売が伸張した。 化学品関連商品は、国内では建築塗料やインキ業界向け各種添加剤が好調に推移した。自動車・家電向け難燃剤も好調。輸出では韓国向け電子材料が好調を維持したが、ベトナム向け農薬は不振となった。他方、北米向けフィルムは総じて順調に推移した。この結果、ゴム・化学品の売上高は対前期比+3.2%の増収、営業利益は同+21.4%の増益となった。 機械資材では、機械関連商品は、飼料加工用機械の販売が堅調に推移したが、東日本大震災の影響により落ち込んだ。環境用機器は木質ペレット造粒装置の販売が好調、接着剤・接着機器の販売とベトナム向け機械の輸出は予想を上回る成果を上げた。産業資材関連商品は、自動車メーカーの減産の影響を大きく受けたが、7月以降は内装用本革、シート機能部品などが回復基調となった。科学機器関連商品では、バイオ・環境関連分野への販売が好調に推移したが、半導体業界への機器の販売は不振となった。この結果、機械資材の売上高は対前期比マイナス12.2%の減収、営業利益は同+5.9%の増益となった。 海外現地法人では、米国で自動車業界向けゴム原材料と内装部品の販売は低調だったが、化学品関連の高吸水性樹脂や工業用フィルムの販売が伸びて、全体としては好調となった。中国では、中国の日系自動車メーカーの生産が年度後半になって鈍化、産業資材の販売が伸び悩む一方、日系ゴム企業向けの販売は堅調に推移、化学品関連の新規商材の開発も進み順調に推移した。タイでは、主力のゴム関連商品の販売が日系自動車部品メーカー向けに好調。この結果、海外現地法人の売上高は対前期比+22.3%の増収、営業利益は同マイナス3.7%の減益となった。 国内子会社では海洋リグ用機材の大型案件の実現と、地熱掘削の活況があった一方、韓国・液晶部品向け原料の輸出が、世界的な液晶テレビの販売不振の影響を受け後半に大きく減速し電子部品業界の価格競争の激化や海外移転に伴う空洞化影響等もあった。この結果、国内子会社の売上高は対前期比マイナス3.3%の減収、営業利益は同マイナス2.7%の減益となった。 以上の結果、ゴム・化学品関連事業を中心に業績を伸ばし、当期の売上高は対前期比+2.8%の増益、営業利益は同11.4%、経常利益は同+10.0%の増益となった。また特別損益に、固定資産の減損損失等を計上したものの、当期純利益は同+25.3%の増益となった。なお、東日本大震災による当期業績への影響は軽微であった。 ■13.9期業績予想 グローバルで成長が期待できる自動車関連業界向けの更なる伸長と、医療関連商材や環境関連商材など新分野での拡大を見込み、売上高は対前期比+9.7%の増収の見通し。 上記の通り売上高の増加を見込む一方で、将来の業容拡大に向けた増員による人件費の増加や、販売増加に伴う運送料・保管料の増加などによる販管費の増加を織り込み、営業利益で対前期比+1.0%、経常利益で同+0.9%の増益にとどまる見通し。
ストックオプションは無い。ベンチャーキャピタルからの出資があり、ウエイトは小さいものの、ロックアップの対象とはなっていない。また、上場前の段階としては、株主数が360名以上と非常に多く、すでに株式が分散して保有されている状態となっている。ロックアップでは対象となっている株主数こそ多いものの、各株主ごとの保有数が多くないため、総じてロックアップのカバー率が低く、その効果が薄くなっている。 A. 発行済み株式数 12,774,854株(単元100株) B. 公募 1,300千株、増資によるオーバーアロットメント 429千株 C. 売出し 260千株(売出し元はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 14,503,854株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 260千株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者18名と取引先金融機関等法人13社に対して180日間。対象株数は5,850千株超。 目論見書での三洋貿易の想定発行価格は460円で、この価格に基づく公募による三洋貿易の手取り概算額は約1,093百万円とされている。資金使途は、設備投資資金として、子会社である三洋機械工業の所在地移転に伴い、三洋貿易が同社に対し賃貸するために取得する工場用地及び建物に係る費用に462百万円(うち、土地代金残額支払の為に調達した短期借入金の返済に176百万円)、三洋貿易基幹システムのリプレース費用に172百万円、運転資金として、商品仕入れ資金・在庫積み増し資金に458百万円を充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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