6626SEMITEC(旧 石塚電子)IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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SEMITEC(旧 石塚電子、6626 JASDAQスタンダード)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:電気機器

(3/23に震災影響により上場予定取下げ、5/26に再上場承認)
想定されている公募価格付近で、十分評価されているとみる
 12.3期の見通しが中期計画策定時のもののみ開示(但し、震災前の情報に基づく)されており、信頼性には課題はあるものの、この12.3期業績予想ベースのEPSは約150円で、11.3期実績EPSは約86円となっている。EPSをこの幅の中とした前提では、想定公募価格のPERは10-15倍となる。

 業績・事業内容からみて、このPERは特に高い水準ではないとは見られるものの、現在の市況下では、これ以上の評価も難しいのではないかとみる。想定されている公募価格付近の水準が十分妥当なラインではないか。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 10/3 10/12 11/3 12/3中期
売上高(百万円)
9,500

8,103
9.7%
10,420
-0.6%
10,354
営業利益(百万円)
465

646
35.9%
632
14.9%
726
経常利益(百万円)
419

471
18.8%
498
54.8%
771
当期利益(百万円)
304

230
-20.5%
242
74.0%
421
総資産(百万円)
純資産(百万円)
10,322
6,278
10,312
6,166
10,292
6,236
--
--
株主資本比率(%) 60.8% 59.8% 60.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
4.1%
4.8%
4.6%
3.7%
4.8%
3.9%
--
--
発行済株式数 2,826.5(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
108
2,221
81
2,181
86
2,206
149
--
配当(円/株) 10 -- 20 --

事業概要
温度センサ等の製造,販売
 SEMITECグループは、当社SEMITECと連結子会社13社で構成されており、温度センサなど各種センサ等の製造・販売を主な事業としている。主に当社等で生産したセンサ素子を各生産拠点へ供給し、各生産拠点でアッセンブルしたセンサを当社を含む販売拠点より国内外へ販売している。

 SEMITECグループの取り扱う製品群は、バルクセンサ、薄膜センサ、赤外線センサ、その他製品に4分類される。各製品群の概要は以下の通り。

1. バルクセンサ
 バルクセンサとは、セラミックス製造技術を用いて製造されたセンサ。エアコン、冷蔵庫などの家電製品、自動車、情報機器、電子体温計などの用途に使用される。

2. 薄膜センサ
 薄膜センサとは、半導体製造プロセスを用いて製造されたセンサで、小型化により熱に対する感度が飛躍的に向上した。この薄膜センサの特徴から、複写機、プリンタなどのOA機器や高応答性の電子体温計などに採用されている。更に最近では、微細で高精度な特徴から、医療分野のカテーテル用センサとして使用され、今後の販売増加が見込まれている。

3. 赤外線センサ
 赤外線センサは、物体から放出されている赤外線を検知することによって、非接触温度検知、ガス検知、炎検知など様々なセンシングを可能としている。SEMITECが取り扱っている製品では、NCセンサとサーモパイルがある。OA機器、医療などの用途に幅広く使用されている。

4. その他製品
 電子機器や家電機器を誤動作や故障させる異常電圧(サージ)を抑制するサージアブソーバ、電圧が変動しても一定の電流供給が可能な定電流ダイオード等を取り扱っており、パソコン、通信機器、家電製品、産業機器などに使用されている。

収支の状況
特別損失の計上により11.3期は当期減益
■10.3期実績
 売上高は、バルクセンサでは、ノートパソコン用バッテリ製品の受注増加によって、対前期比+13.1%の増収、薄膜センサでは下期から受注回復があったものの、上期前半の低迷によって、対前期比マイナス7.5%の減収、赤外線センサでは、新型インフルエンザによる医療関連製品特需によっても対前期比+3.7%の増収、その他製品では、サージアブソーバ・その他製品で、下期から産業機器向けの受注回復がみられ、また防犯・防災機器製品の受注増があったことから、対前期比+6.0%の増収となった。

■11.3期
 売上高は、円高影響により、海外グループ会社での売上高の減少はあったものの、OA機器、家電関連、産業機器関連向け販売が好調であることから、対前期比+9.7%の増収となった。

 研究費、海外出張費と、売上増加に伴う輸送費の増加等によって、販売費・一般管理費は対前期比で増加したが、営業利益では対前期比+35.9%の増益。経常利益では円高を受けて為替差損を営業外収支に計上したことから、対前期比+18.8%の増益となった。

 役員退職慰労金等を特別損失に計上したことから、当期利益では、対前期比マイナス20.5%の減益となった。

株式の状況
ストックオプションもVC出資もあるが、ボリュームは小さい
 ストックオプションの未行使残高はあるものの、当面は行使できない上、ボリュームも大きくない。ベンチャーキャピタルの出資を受けてはいるものの、こちらもボリュームは小さく、全体の株式需給に決定的な影響を与えるものではない。残るは、創業一家の保有株式の動向だけとなるが、これも、支配権の維持のためには、そうそう売却できるものではないだろう。

A. 発行済み株式数 2,474千株(単元100株)
B. 公募 300千株、増資によるオーバーアロットメント 52,500株
C. 売出し 50千株(売出人は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 24千株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,826,500株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 125千株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者等18名と法人1社に対して180日間。対象株数は約1,721千株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
10年6月 24,000株 1,850円 12年6月〜20年6月

 目論見書での想定発行価格は1,250円でこの価格に基づく公募によるSEMITECの手取り概算額は約333百万円とされている。資金使途は、タイ新工場設立における建物・土地購入、ガラス封止ラジアル素子生産設備、薄膜センサ生産ライン集約移設等の生産設備構築資金に充当する予定。オーバーアロットメントで予定されている第三者割当増資の手取り額上限約60百万円については、生産設備構築や既存生産ライン設備の自動化に充当する予定。

情報開示の状況
一応ページは設置されている
 SEMITECのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されているが、掲載されているコンテンツは、上場承認のプレスリリース程度となっている。


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