5220Avan Strate(アヴァンストレート)IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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Avan Strate(アヴァンストレート、5220 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:ガラス・土石製品

今後の産業活性化の期待も込めて、市場での更なる高評価を期待したいが
11.3期は特別損失の計上のため、経常利益と比較して、当期利益が小さくなる見通し。12.3期には特殊要因が無くなることで、対前期比で大幅な増益となる見通し。12.3期業績予想では、法人税率が通常よりも低く見積もられているが、海外子会社において税務インセンティブを与えられていることが要因と見られる。

 税務インセンティブが後年度に適用されなくなる場合など、将来の利益水準が低下するリスクがあるが、とりあえず12.3期業績予想ベースEPS約120円に対して、想定されている公募価格のPERは約6倍となる。

 上記税務リスクや液晶パネルのモノカルチャーであるリスク等、様々なリスク要因はあるものの、液晶パネル関連産業は、現在・将来の花形産業となることが期待されるところ。今後の成長性とリスクを比較すると、比較的高い評価をすることも可能と思われ、公募価格には適切なディスカウントが織り込まれているとみる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 10/3 10/12 11/3見 12/3予
売上高(百万円)
44,141

36,825
17.5%
51,879
25.9%
65,300
営業利益(百万円)
6,224

5,425
44.8%
9,015
101.4%
18,160
経常利益(百万円)
2,044

2,127
154.9%
5,211
209.0%
16,100
当期利益(百万円)
242

52
490.5%
1,429
890.2%
14,150
総資産(百万円)
純資産(百万円)
164,946
33,900
166,594
35,211
--
--
--
--
株主資本比率(%) 20.6% 21.1% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
1.2%
0.7%
1.3%
0.1%
--
--
--
--
発行済株式数 117,746(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
2.1
287.9
0.4
299.0
12.1
--
120.2
--
配当(円/株) -- -- -- 20

事業概要
TFTカラー液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造・販売
 Avan Strateは、10年2月に実質的な存続会社であるNHテクノグラスの経営陣によるMBOのための受け皿会社として、カーライル・グループにより設立された。その後、MBOの一環として、NHテクノ社の株主であった、日本板硝子が保有していた全株式とHOYAが保有していた株式の一部を取得して子会社化した後、同社を吸収合併、商号変更を行った。NHテクノ社の営業活動を全面的に継承して現在に至る。

 実質上の存続会社である旧NHテクノグラスは、液晶ディスプレイ・パネル用ガラス基板の製造・販売を行うことを目的として、HOYAと日本板硝子が各50%出資する合弁会社として設立された。

 Avan Strateグループは、当社Avan Strateと連結子会社3社から構成されている。液晶ディスプレイ・パネル用ガラス基板の製造・販売を主たる事業とし、日本・韓国・台湾・シンガポール・中国等に拠点を置く液晶ディスプレイ・パネル・メーカーを主な顧客としている。

 Avan Strateグループでは、主にノートPC、デスクトップモニター、30インチ未満の中・小型液晶テレビ向けを中心として今後も安定した需要が見込まれる第5世代と、主に中・大型(30インチ以上)の液晶テレビ向けに高い需要が見込まれる第7、第7.5、第8世代のガラス基板を中心とした製造・販売を行っている。

 また、第4世代以下の中小型のガラス基板については小型のガラス基板用の溶解炉での製造を行うほか、より大型のガラス基板用の溶解炉で製造した素板を加工過程で、それぞれ要求されるサイズのガラスに切断して製造し、それらを販売している。

情報開示の状況
開示なし
 Avan Strateのウエブサイトには3月11日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認のニュースリリースが掲載されている程度となっている。一方、CSRには注力しているようで、CSRレポートが発行され、ウエブから閲覧可能になっている。

収支の状況
11.3期は特別損失の計上あり、12.3期は特殊要因なく大幅増益の見通し
■11.12期実績
 今期の液晶ディスプレス・パネル業界においては、新興国における液晶テレビの需要拡大により順調に滑り出したものの、その後、各パネルメーカーが製品の在庫調整や生産の見直しによる工場の稼動調整を行った。

 こうした状況の中、Avan Strateグループでは、主要顧客の要請に応えるべく品質を重視した製品の提供に取り組んできた。第2四半期には、特に台湾の液晶パネル市場での需要低下や、顧客の在庫調整に伴うガラス基板等の部材の仕入れ抑制が著しく、一時的に売上が低下したものの、第3四半期には、液晶パネルメーカーの在庫調整が落ち着き、需要が回復するとともに、売上高も増加に転じた。

 なお、溶解炉の改修工事に伴う固定資産除却損(1,212百万円)や、MBO実施に伴うLBOローン契約のリファイナンスを実施したことによるアレンジメント費用(1,180百万円)等を特別損失に計上したことから、経常利益と比較して、当期利益が大幅に減少している。

■12.3期業績予想
 11.3期までは、戦略的に環境負荷物質を含まないガラス=スーパー・グリーン・ガラスの生産を可能とする設備投資と、顧客である液晶ディスプレイ・パネル・メーカーの需要増加を捉えた溶解炉の大型化のための設備投資等を継続して行う必要があったことから、製造設備の稼動状況は、通常想定される水準よりも低い状況となっていた。

 11.3期には、それらの設備投資が一巡することを受けて、製造設備の稼働率が向上することが見込まれ、生産数量が確保されることによる売上高の増加を見込んでいる。12.3期の売上高には、同期中に稼動開始を予定している韓国における新たな溶解炉の貢献を織り込み、対前期見込み比+25.9%の増収の見通し。

 増収効果によって、営業利益では対前期見込み比+101.5%の増益の見通し。更に、11.3期内の普通社債の発行と過去のMBO実施に伴うLBOローンのリファイナンスによって、支払利息が大幅に低減することを織り込み、経常利益では、対前期見込み比+209.1%の増益となる見通し。

株式の状況
ストックオプションには時間経過に応じた行使制限あり
 過去にMBOを行った経緯から、投資会社からの出資ウエイトが高い。但し、投資会社の大部分はロックアップ対象となっている。一方、ストックオプションの未行使残高については、時間の経過に応じた行使制限が付されている。第2回目以降の付与分については、上場時点では行使できないものの、2回目以降の株式数は少なく、第1回目が上場時点から行使可能であることの影響のほうか大きい。ここでの潜在株式としては、第1回目の全数と2回目のうち20%を対象として算入した。

A. 発行済み株式数 99,258,900株(単元100株、10.6に1:100株式分割後)
B. 公募 16,667千株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 25,000千株(売出し元はベンチャーキャピタル等)、既発株のオーバーアロットメント 2,500千株
D. ストックオプション等の残高総数 1,905,800株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,820,240株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 117,746,140株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 52,151,800株
既存株主へのロックアップ情報:HOYAとVC4法人、会社関係者4名に対して180日間。対象株数は、97,511,800株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
08年10月 1,807,400株  500円 10年10月〜18年10月(*1)
09年6月   64,200株  500円 11年6月〜19年6月(*2)
09年11月   58,700株  500円 11年11月〜19年11月(*3)
10年3月   20,500株 1,022円 12年3月〜20年3月(*4)

*1 行使制限があり、上場時点では40%が行使可能。以降、11年10月から1年経過ごとに20%ずつが更に行使可能となる。13年10月以降は100%行使可能。
*2 行使制限があり、上場年6月時点に20%が行使可能。以降、12年6月から1年経過ごとに20%ずつが更に行使可能となる。15年6月以降は100%行使可能。
*3 行使制限があり、上場年11月に20%が行使可能。以降、12年11月から1年経過ごとに20%ずつが更に行使可能となる。15年11月以降は100%行使可能。
*4 行使制限があり、12年3月から1年経過ごとに20%ずつが更に行使可能となる。16年3月以降は100%行使可能。

 目論見書での想定発行価格は720円で、この価格に基づく国内公募によるAvan Strateの手取り概算額は約5,890百万円とされている。海外募集の手取り概算額約5,850百万円と合わせた資金使途は、子会社での大型液晶ディスプレイ・パネル用ガラス基盤製造のための第4号溶解炉の新設の設備投資に約11,292百万円、残額を子会社での液晶ディスプレイ・パネル用ガラス基盤製造のための第3号溶解炉の大型化の設備投資に充当する予定。


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