IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
新田ゼラチン(4977 東証二部)IPO |
会社から増配メッセージを出してもらうことが、何より望まれる 食材系メーカーであるため、第一印象としては大きな成長性は見込みにくいとみる向きもあるだろうが、健康食品・サプリメント等の対象マーケットが好調に推移していることや円高影響等もあって、12.3期は好調に推移する見通し。 とはいえ、13.3期以降にも好調が持続するかどうかは判断が難しいところであり、12.3期業績予想ベースEPSに基づく想定公募価格のPER約7倍は、安全サイドを考えれば、妥当な水準とみられる。更なる株価向上には、増配が望まれるところ。 連結データ(肩は対前期比(%))
新田ゼラチンは、当社新田ゼラチンと子会社12社、関連会社5社から構成され、コラーゲン素材事業とフォーミュラソリューション事業を行っている。 コラーゲン素材事業は、ゼラチン事業、ペプチド事業、ケーシング事業、ライフサイエンス事業に分かれ、フォーミュラソリューション事業は、食品材料事業と接着剤事業に分かれる。 ゼラチン事業では、食用ゼラチンは、グミやマシュマロ等の食品素材として、主にパン・菓子製造業、乳製品製造業、飲料等に販売し、その他、コンビニ惣菜や冷凍食品の品質保持、食感改良のために、惣菜製造業や冷凍調理食品製造業にも販売している。医薬用ゼラチンの用途は、ハードカプセル、ソフトカプセルで、その他サプリメント・健康食品等の食品製造業にも販売している。写真用ゼラチンは、写真フィルム、印画紙等、感光材料の結合材として、写真感光材料製造業にも販売している。 ペプチド事業は、ゼラチンをタンパク質分解酵素で加水分解し、低分子に加工したコラーゲンペプチドを販売している。乳製品製造業、飲料業やパン・菓子製造業に販売している。また、コラーゲンペプチドには生理活性や生体調節機能が認められており、皮膚や骨・関節への機能性を訴求する栄養補助食品やサプリメント等の食料品分野で活用されている。 ケーシング事業では、可食性のコラーゲンケーシングを販売している。コラーゲンケーシングは、ソーセージ製造において、食肉を充填するためのチューブ状の材料で、天然の羊腸・豚腸の代替品として、畜産食料品製造業に販売している。 ライフサイエンス事業では、コラーゲンを製造し、医療機器メーカーや大学研究機関に販売している。 食品材料事業では、食用ゲル化剤やハム用品質安定剤等の食品用製剤を、食料品製造業に販売している。食品用製剤は、ゼリー形成能や保水性、結着性、増粘性、乳化安定性等の機能を活かして、食品加工時の作業性改善や歩留まり向上、保型安定性や食感改良等の、食品の付加価値工場や品質維持等に使用される。 接着剤事業は、複数の素材を配合したホットメルト形接着剤や、にかわ系接着剤等、生産ラインに最適化した接着アプリケーションの提案を行っている。ホットメルト形接着剤は、石油系の合成樹脂やロジン等の天然樹脂等が配合された接着剤で、食品、飲料分野の包装用途の他、衛生材料、製本、建築等の分野で使用される。にかわ系接着剤は、製本や紙器等、紙加工品製造業に販売している。 |
■11.3期実績 コラーゲン事業では、ゼラチンで食用ゼラチンの需要が好調だった。医薬用ゼラチンの主用途であるカプセル用が、市況の低迷により前年実績を下回ったものの、健康食品用の需要増があったため、前期並みの売上高となった。 コラーゲンペプチドは、国内・アジア市場ともに、プロテイン飲料やサプリメント等の栄養補助食品向けが好調に推移、コラーゲンケーシングは、米国でスナックソーセージ用が増加した。 以上によって、コラーゲン素材事業の売上高は、対前期比+6.2%の増収となった。 フォーミュラソリューション事業では、食用ゲル化剤の市況低迷があったものの、ハム用品質安定剤や食品用製剤が好調に推移した。また、接着剤では、飲料・食品製造業向けを中心に包装用ホットメルト形接着剤が堅調に推移したものの、製本用のにかわ系接着剤が減少した。当事業合計では、対前期比+5.0%の増収となった。 売上高全体では、対前期比+5.8%の増収となり、営業利益でも対前期増益となったものの、持分法利益の減少によって、経常利益では対前期比で減益となった。 ■12.3期業績予想 12.3期業績予想では、上期に震災需要等による国内需要の増加を背景として、輸出販売を国内販売にシフトしたことによる増収増益と、円高の進行に伴い海外通貨建ての売上高の減少、及び仕入高の円貨換算額が想定より減少したことによる増益を織込み、売上高ではほぼ前期並みの見通し。利益項目では、それぞれ対前期比+20-30%の増益となる見通し。
ベンチャーキャピタルからの出資はあるが、全体に占めるウエイトは小さい。ストックオプションはなく、ロックアップのカバーもされている。株式需給に関しては、特に問題点は見当たらない。 A. 発行済み株式数 12,733,874株(単元100株、11.4に1:2株式分割後) B. 公募 3,000千株、増資によるオーバーアロットメント 542千株 C. 売出し 628千株(売出し元はベンチャーキャピタル78千株、残は会社関係者個人かその関係法人)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 16,275,874株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 123,400株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者17名と法人等9社に対して180日間。 目論見書での新田ゼラチンの想定発行価格は570円で、この価格に基づく公募による新田ゼラチンの手取り概算額は約1,558百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り額上限284百万円と合わせた資金使途は、ゼラチン一般生産設備の更新等、コラーゲンペプチド生産設備とコラーゲンケーシング生産設備に充当する予定。
新田ゼラチンのウエブサイトには11月18日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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