IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
カイオム・バイオサイエンス(4583 東証マザーズ)IPO |
上場年度から黒字化予定だが、やはりベンチャー投資としての視点となる いわゆる創薬ベンチャー企業だが、単に新薬の研究開発を行うだけでなく、その開発プロセスで独自のシステムを活用している点が特徴となっている。 業績面では、創薬ベンチャー系としては珍しく上場年度には黒字化する見通しとなっている。無論、黒字化とはいっても、本来想定される利益レベルに達しているものではなく、想定される公募価格に対するPERは相当程度に高いものとなる。やはり、公募取得は、長期的な肝を据えてのベンチャー投資となる。 個別データ(肩は対前期比(%))
カイオム・バイオサイエンスは、独自の創薬基盤技術であるADLib(アドリブ)システムを核として、抗体医薬品の研究開発支援及び研究開発等を営んでおり、創薬アライアンス事業、リード抗体ライセンスアウト事業、基盤技術ライセンス事業の3事業を展開している。 カイオム・バイオサイエンスの創薬基盤技術である、ADLibシステム(トリ免疫細胞を用いたモノクローナル抗体作製システム)は、従来の抗体作製技術では抗体取得が困難な抗原に対する多様な抗体を10日程度の短期間に創出する方法。同社の創薬基盤技術は、ADLibシステムに関連する特許権と、多様な抗体を発現した細胞のライブラリ、セレクション方法等の、カイオム・バイオサイエンス独自の運用ノウハウから成り立っている。 創薬アライアンス事業では、国内外の製薬企業と提携し、主に治療用医薬品開発を目的とする抗体を、ADLibシステムを用いて作製している。提携先企業との共同研究開発や委託研究として、提携先企業から抗原の提供を受け、カイオム・バイオサイエンスでは提携先企業のニーズに応じて、抗体の提供やそれに付随する各種サービスの提供を行う。提携先企業はカイオム・バイオサイエンスが作製した抗体の機能を解析し、医薬品としての可能性を検討し、カイオム・バイオサイエンスはこの対価として技術アクセス料、共同研究開発費、着手金のほか、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指している。 リード抗体ライセンスアウト事業では、大学・公的研究機関等との共同研究・提携から得られたターゲット(抗原)に基づき、ADLibシステムを用いてカイオム・バイオサイエンスが単独で医薬品候補となる抗体の作製を行う。これにより得られた医薬品候補となる抗体について、早期(試験管内或いはヒト以外の動物生体内で治療用としての可能性が確認できた段階)の製薬企業へのライセンスアウトを目指す。カイオム・バイオサイエンスは着手金のほか、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指す。 基盤技術ライセンス事業では、ADLibシステムを第三者にライセンスし、ライセンシーが独自にリスクを負って抗体作製を行えるサービスを提供している。当社は、着手金と技術使用料のほか、医薬品開発の進捗に応じて成功報酬(マイルストーン)及びロイヤルティを継続的に得ることを目指す。 |
■11.3期実績 11.3期は、基盤技術であるADLibシステムの国内製薬企業に対する紹介がほぼ一巡し、抗体医薬品に関するクライアントニーズの把握、アライアンス候補先の絞り込みを行った。また海外においても、欧米での経験豊富なコンサルタントの活用や学会等を活用して、国外製薬企業へのアプローチを行った。 その結果、創薬アライアンス事業と基盤技術ライセンス事業において、国内外製薬企業との契約締結に至った。創薬アライアンス事業では、中外製薬との共同研究でこれまでの成果が評価された結果、第3年度目の契約更新により当初3年間の契約が4年2ヶ月間に期間延長された。基盤技術ライセンス事業では、富士レビオとADLibシステム特許実施許諾及び共同研究開発契約締結に至り、カイオム・バイオサイエンスとしては初のADLibシステムの技術ライセンスに成功した。 リード抗体ライセンスアウト事業では、複数の企業と秘密保持契約を締結し、ライセンス交渉を開始した。これまでカイオム・バイオサイエンスは理研からADLibシステムに関する基本特許の全世界におけるサブライセンス権付き優先的実施権を許諾されていたが、新たに共有発明実施契約を締結した。
ベンチャーキャピタルからの出資はあるが、その大部分がロックアップの対象となっており、こちらは当面問題は無い模様。ストックオプションについては、近々行使可能になるものが大量に控えており、12年4月以降には、株式需給の緩和リスクがある。 A. 発行済み株式数 1,858千株(単元100株、11.10に1:100株式分割後) B. 公募 188千株、増資によるオーバーアロットメント 116,500株 C. 売出し 589千株(売出し元はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 354,700株 E. うち潜在株式に算入する数 354,700株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,517,200株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,288千株 既存株主へのロックアップ情報: ベンチャーキャピタル24組合・法人と会社関係者4名に対して180日間。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年3月 10,000株 50円 07年4月〜15年3月 06年12月 30,800株 1,000円 08年12月〜16年12月 09年1月 34,400株 1,000円 11年1月〜19年1月 10年3月 269,500株 1,500円 12年4月〜20年3月 10年11月 10,000株 1,500円 12年12月〜20年12月 目論見書でのカイオム・バイオサイエンスの想定発行価格は2,700円で、この価格に基づく公募によるカイオム・バイオサイエンスの手取り概算額は約497百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取概算額上限 約313百万円と合わせた資金使途は、研究機器購入費用に46百万円、研究施設移転に伴う研究設備の拡充に240百万円、独自の創薬基盤技術にかかる研究開発費と医薬品候補抗体の非臨床段階までの研究開発費に127百万円、研究施設移転に84百万円を充当する予定。
カイオム・バイオサイエンスのウエブサイトには、11月22日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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