IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
KLab(3656 東証マザーズ)IPO |
ストックオプションの大量行使リスクはあるが、成長性は高く評価できそう 携帯電話コンテンツ関連であり、かつSNS関連、ゲーム関連と、定性的な項目としては、現在のマーケットでアピールするのに最も効果の高い状況が揃っている。実際に足元の業績の伸び率も、非常に高く、将来の成長性は十分に評価できる。 11.8期業績予想ベースEPSに基づく、想定公募価格のPERは約16倍となる。同社の成長性評価を踏まえると、十分に上値が狙える銘柄と思われる。 唯一の懸念事項は、ストックオプションの大量行使リスクとなる。 個別データ(肩は対前期比(%))
KLabは00年1月にサイバードの研究・開発部門として発足し、携帯電話向けプログラムの開発を行ってきた。事業は、ソーシャル事業、SI事業、クラウド・ライセンス事業に区分される。 ソーシャル事業は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じてゲームなどのソーシャルアプリケーションをSNSのユーザーに提供している。 主に提供しているソーシャル・ゲームは以下。 ・ キャプテン翼〜つくろうドリームチーム ・ 戦国バスター ・ 真・戦国バスター ・ トイボットファイターズ SI事業では、コンシューマ向けコンテンツの提供を行う顧客に対して、大規模システムのインテグレーションを行っている。音楽業界、電子出版業界、アミューズメント業界と在京キー局等を中心に、サービスの提供を行っている。 クラウド・ライセンス事業では、大規模・高負荷対応インフラサービスの提供と、KLabで受託したシステム・コンテンツサイト、共同コンテンツサイトの運営を行うホスティングサービス、KLabで培った技術やノウハウを製品化し、ソフトウエアパッケージやアプリケーションサービスとして提供するライセンスサービスから構成されている。
KLabのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。8/25時点で掲載されている情報は、上場承認の件と免責事項程度となっている。 |
■10.8期実績 ソーシャル事業では、国内SNSプラットフォームのオープン化に合わせ、前年度から開発に着手した2タイトルのソーシャルアプリを上半期にリリースしたものの、2タイトル共に低調な結果となった。しかし、この2タイトルの企画・開発を通じて得たノウハウを活用して続く作品の改修を行った結果、3作目では国内SNSの3プラットフォームの合計会員数が400万人を突破、累計売上高は5億円超となった。更に6月にリリースした作品もヒット作となり、当事業の売上高は対前期比+85.3%の増収となった。 SI事業では、既存顧客において、モバイル公式コンテンツサイトを主とした月額固定やレベニューシェア等による運用収益・金融機関を中心とした開発案件が減少した一方、主要取引先においては、真サービスを始めとして、ユーザビリティの向上、ソーシャル要素に関連した中規模な開発案件を受託し、当事業の売上高は対前期比+7.1%の増収。 クラウド・ライセンス事業では、国内大手SNSプラットフォームのオープン化に伴い、ソーシャルアプリケーションプロバイダー(SAP)の新規参入が大幅に増加した。このタイミングに合わせて、SAP向けに独自の分散型高負荷サーバホスティングとインフラ構築、コンサルティングのパッケージサービスの開始したこと等により、当事業の売上高は、対前期比+20.3%の増収となった。 前09.8期はと主に特別利益の計上、10.8期は主に法人税等調整額のマイナス計上によって、経常利益<当期純利益となった。
ベンチャーキャピタルの保有株式が大量にあり、公募前の発行済み株式のうち約65%を占める状態。但し、ロックアップにはなっている。 一方、ストックオプションの未行使残高も、公募前の発行済み株式数に対して約15%を占め、無視できないウエイトになっている。しかも、行使価格が極端に安いものもある。SOに関しては、大量に行使され、希薄化効果を生む可能性大であることは、認識しておく必要がある。 A. 発行済み株式数 4,680,900株(単元100株、11.4に1:300株式分割後) B. 公募 229,700株、増資によるオーバーアロットメント 120,300株 C. 売出し 572,500株(売出し元はベンチャーキャピタル145千株、残は法人等)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 711,900株 E. うち潜在株式に算入する数 711,900株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 5,742,800株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 3,082,200株 既存株主へのロックアップ情報: 売出人2名を含む会社関係者3名に対して180日間。会社関係者以外の売出人(法人、VC)も同様に180日間のロックアップ対象だが、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 01年10月 14,400株 84円 13年11月〜12年10月 04年11月 11,600株 167円 06年1月〜18年1月 04年9月 166,200株 500円 06年9月〜18年9月 05年11月 48,000株 1,167円 07年11月〜19年11月 08年4月 37,800株 1,334円 10年4月〜18年4月 09年11月 333,900株 1,334円 11年11月〜19年11月 目論見書でのKLabの想定発行価格は1,540円で、この価格に基づく公募によるKLabの手取り概算額は約345百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取り概算額184百万円と合わせた資金使途は、ソーシャル事業に関する人件費と採用関連費に400百万円、ソーシャル事業の売上増加に伴うサーバ・ネットワーク機器等の増設によるホスティング費として30百万円、組織拡大に伴うオフィス増床のための費用として100百万円を充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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