IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ピーエスシー(3649 JASDAQスタンダード)IPO |
もう少し高い増益率が望まれる 10.12期は対前期比で大幅な増益となったが、経年的に見ると、売上高の伸び率が非常に高いことと比較して、利益の伸びがそれと同程度となっており、利益の伸び率はそれほど高くはない。 例えば、09.12期実績と11.12期予想を比較すると、売上高は2倍弱となる計画であり、営業利益・経常利益も2倍強の水準に留まる。売上高が倍になるのであれば、利益では、数倍の伸びは欲しいところであり、その点では、事業構造が特殊な印象を受ける。 11.12期業績予想ベースのEPS約90円に対して、想定されている公募価格のPERは約9倍となる。業績の伸び等を考慮すると妥当な価格設定と思われる。 連結データ(肩は対前期比(%))
ピーエスシーは、医療システム及び医療ネットワークシステムの開発を主たる業務としており、「大規模病院向け」と「診療所向け」にソフトウエア製品を企画・開発・販売するとともにユーザーに対するメンテナンスを提供している。 大規模病院向けソリューションでは、レントゲン写真、エコー(超音波診断装置)、CTやMRIのようなDICOM規格で作成されたデータはもとより、手術動画やデジタルカメラの画像など、診療科、静止画・動画、データの種別を問わず、また、血液検査のような数値データも含めた医療機関内の汎用データを一元管理するシステムの提供などを行っている。 診療所向けソリューションでは、受付から診察、診療報酬の請求まで、診療所における主要工程のすべてのIT化を支援することを目標とし、大規模病院に提供している上記製品群に加え、レセプトソフトの導入支援及び電子カルテの提供も行っている。 ピーエスシーの販売形態には、ピーエスシー本体又は販売店がソフトウエアを販売し、ピーエスシーが直接医療機関にシステムの導入を行う直販と、代理店(医療機器ベンダーやシステムベンダー等)にアプリケーションのみを販売し、医療機関への導入は代理店が行う代販の二つの形態がある。 特に大学病院などの大規模病院に対しては、他社製の電子カルテシステムとの連携・調整が不可欠であり、現場レベルでの高度な判断力と技術レベルが要求されることや、導入先医療機関と綿密な打ち合わせを行い製品構成・機能等に十分な理解をいただいた上で導入を行うことから、受注までに時間を要するケースもあり、直販での取組み又は販売は電子カルテメーカーを経由して行いつつ導入作業はピーエスシーが行う形がメインとなっている。
ピーエスシーのウエブサイトには2月17日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
■09.12期実績 官公立病院に対する大規模導入が増加したことに伴い、主力製品である医療用データマネジメントシステムClaioの導入により画像データや数値データなど院内の検査データを一元管理できること及びペーパーレス運用により医療現場の効率性を向上させること、また、同製品が患者に対するインフォームドコンセントの極めて優良なツールとして認知されてきたこと等によって、同システムの販売が増加した。更に、販売促進キャンペーン等により診療所に対する電子カルテREMORAの導入が増加したこと等によって、売上高は対前期比15.5%の増収となった。 今後の事業の拡大に備えるための人的投資による人件費等の増加と支払手数料の増加により、営業利益では対前期比マイナス10.3%の減益となった。 表1 販売実績(百万円、前期比%) 09.12期 10.9期 ソフトウエア 586 +20.0% 536 ハードウエア 71 -20.8% 76 メンテナンス等 113 +27.0% 98 合 計 772 +15.5% 712 ■11.12期業績予想 11.12期の医療業界は、今後も各医療機関において、ペーパーレス運用への切替に伴う電子化と、政府の情報技術戦略である「どこでもMY病院」構想や「シームレスな地域連携医療の実現」に向けた医療ネットワークシステムへの設備投資が積極的に行われることを前提としている。 売上高では、プロジェクトマネージャー数の増加によるピーエスシー導入案件の増加や、代理店数の増加による代理店導入案件の増加、新規ユーザーの増加によるメンテナンス・その他の売上の増加を織り込み、対前期比+20.8%の増収の見通し。 ピーエスシーがハードウエアの調達を行わない大規模病院に対する導入と代理店による導入の増加によって、売上原価率は減少することを見込む一方、販売費・一般管理費では主に人員の増加を考慮した結果、営業利益・経常利益では、対前期比+6-7%の増益の見通し。
ベンチャーキャピタルの出資はあるが、ボリュームは大きくはない。一方、ストックオプションの未行使残高もあり、こちらは上場即行使可能な状態にある。株価に影響を及ぼすほど大量ではないが、行使価格も、想定されている公募価格と比較して十分に安い。ロックアップがかかっており、カバー率には問題はない。 A. 発行済み株式数 1,692千株(単元100株、10.11に1:100株式分割後) B. 公募 300千株、増資によるオーバーアロットメント 99千株 C. 売出し 360千株(売出し元はベンチゃーキャピタル250千株、残は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 148千株 E. うち潜在株式に算入する数 148千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,239千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 270千株 既存株主へのロックアップ情報:ベンチャーキャピタル2法人と銀行1行、会社関係者等20名に対して90日間。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。対象株数は1,721,300株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 08年7月 93,000株 250円 10年8月〜18年7月 08年7月 55,000株 250円 10年8月〜18年7月 目論見書での想定発行価格は800円で、この価格に基づくピーエスシーの公募による手取り概算額は約213百万円とされている。第三者割当増資による手取り概算額約72百万円と合わせた資金使途は、社債償還資金に100百万円、借入金返済資金に50百万円、残額を運転資金に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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