IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
サンセイランディック(3277 JASDAQスタンダード)IPO |
足元の業績よりも長期的視点から見たほうが楽しみな銘柄 主な事業は不動産業ではあるが、底地や居抜きなど、権利調整を伴う特殊なマーケットを事業の対象にしており、事業の新奇性や対象マーケットの潜在的な大きさ等の点で評価できる。面白みのある銘柄といえる。 11.12期業績予想ベースEPSに対する想定公募価格のPERは約10倍となっており、公募価格の評価としては、まだそうした特殊性等を十分に織り込んではいないように思える。確かに、足元の業績から銘柄評価するだけであれば、想定公募価格付近での評価も妥当だが、将来的な事業展開の面白さはもっていると感じる。 連結データ(肩は対前期比(%))
サンセイランディックグループは、当社サンセイランディックと連結子会社2社により構成されており、旧借地法・借家法(以下、「旧法」)の適用される底地等に係る「不動産販売事業」、戸建注文住宅などの「建築事業」、賃貸物件の管理などの「その他事業」を主たる業務としている。 不動産販売事業では、主にひとつの不動産に複数の権利者がいるため、自由な活用が制限されていたり、資産価値が低くなっている物件を土地所有者から買取り、権利関係を調整することにより、不動産の価値を高めた上で販売する事業を行っている。物件情報は不動産仲介業者等からの紹介によって収集しており、物件の法的規制や権利関係などの調査を実施し、土地所有者と仕入交渉を行って物件を買取っている。サンセイランディックが取り扱う具体的な物件は、「底地」、「居抜き物件」、「所有権」の3種。 「底地」は、主に「借地権負担付土地」であり、土地所有者が第三者に土地を貸し、地代収入を得ている土地を指す。サンセイランディックでは、主に旧法が適用される底地を土地所有者より買取り、隣地との境界確定、借地区画ごとの分筆や借地権者との交渉の後、借地権者のニーズに合わせて、 借地権者への底地の販売(借地権者の完全所有権化)か、借地権者からの借地権の買取り等によるサンセイランディックの完全所有権化後、不動産仲介業者を通じての不動産会社や事業会社、個人に販売、を行う。 「居抜き物件」は、老朽化して十分に収益を上げることができないアパートやビルなどの借家権付土地建物のことをいう。サンセイランディックは、土地建物所有者から居抜き物件を買取り、借家権者に退去の依頼をして、必要に応じて新しい移転先の紹介や移転費用の負担などを行った上で(「明渡し交渉」)、賃貸借契約を合意解約してサンセイランディックの完全所有権とする。借家権者の退去後、空き物件となった土地建物(必要に応じて建物解体後の更地)を、不動産仲介業者を通じて不動産会社や事業会社、個人に販売している。 「所有権」とは、土地建物に係る所有者の完全所有権のことであり、サンセイランディックが所有者から所有権物件を買取り、不動産仲介業者を通じて不動産会社や事業会社、個人に販売している。 建築事業では、連結子会社が、デザイナーズフルオーダー戸建注文住宅・デザイナーズリフォームの企画設計・施工及び管理業務を行っている。また、その他事業では、連結子会社が、サンセイランディックが保有するオフィスビル・マンション・アパートなどの賃貸物件やグループ外の賃貸物件の管理事業、不動産売買・賃貸の仲介事業を行っている。 |
■10.12期実績 売上高では、不動産販売事業において、大型の底地案件の仕入の一部が当年度中に売上計上となったことにより底地の販売金額が増加したほか、大型の物件の販売があったことによる居抜き物件・所有権の販売金額が増加し、対前期比+25.8%の増収となった。 建築事業では、新規顧客獲得に向けた営業強化により請負件数が増加したことから、売上高は対前期比+17.5%の増収となり、全体の売上高では対前期比+23.8%の増収となった。増収効果により、営業利益以下の利益項目では、対前期比で倍以上の増益となった。 ■11.12期業績予想 11.12期の業績予想の前提として、金融機関による不良債権処理の加速や高齢化社会の進展に伴う相続の発生・資産の処理、権利調整の余地を残す土地が全国に多く残っていること等から、底地等に関する様々な権利調整を行ってきた実績に伴うノウハウを蓄積しているサンセイランディックにとって、良好な市場環境が続くと見込んでいる。 以上の前提のもと、売上高については、仕入れ済み物件のうち期中に販売が見込める物件を積み上げ、対前期比+9.8%の増収を見込んでいる。 増収によって営業利益では対前期比10.4%の増益を見込み、営業外収益に不動産取引に関する違約金収入の計上を織り込んで、経常利益では対前期比+25.9%の増益を見込んでいる。
ストックオプションの未行使残高はあるものの、行使価格は公募発行価格に設定されていることと、行使開始まで相当期間があることから、当面は問題とはならない。ロックアップのカバー率も高いのだが、ロックアップの対象となっていない大口既存株主はベンチャーキャピタル2組合となっており、その保有株式327千株については、早期に市場に出てくる可能性は織り込む必要がある。 A. 発行済み株式数 6,000千株(単元100株、11.8に1:50株式分割後) B. 公募 900千株、増資によるオーバーアロットメント 247,500株 C. 売出し 750千株(売出し元はベンチャーキャピタル277,500株、残は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 521,599株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 7,147,500株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 490.5千株 既存株主へのロックアップ情報: ベンチャーキャピタル2組合とその他法人3社、会社関係者等33名に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。対象株数は約5,581千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 11年8月 521,599株 公募価格 13年8月〜18年8月 目論見書でのサンセイランディックの想定発行価格は600円で、この価格に基づく公募によるサンセイランディックの手取り概算額は約486百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取額約136百万円と合わせた資金使途は、不動産販売事業における底地、居抜き物件に関する販売用不動産の取得資金に全額を充当する予定。
サンセイランディックのウエブサイトには11月11日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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